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日本人であるというアイデンティティを再確認
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元来の誰にでも気さくな人柄と、山形弁(いわゆるずーずー弁)のイントネーションや鼻濁音がフランス語のそれと酷似していたことも手伝ってか、あっという間にフランスという国にも深く溶け込み、一時は本気でフランスに残ることも考えたという典子さんだったが、そんな彼女を日本に引き戻したものは、他ならぬ本場フランスの変わらぬワイン造りの姿だった。<br /><br />「シャトー・マルゴーはこれまで何人も経営者が変わったけれど、ワインの品質そのものは全く変わらないんです。ブランドも職人もそのまま残る。それどころか長い長い歴史をかけて少しづつ進化していく。それをフランスでやることは、フランス人にとって意味のあること。自分が生まれた国で、地域でどこまでやれるかチャレンジしたいと思った。」フランスに渡り、日本のことをまったく知らない自分にも気づいた。日本人であるというアイデンティティを再確認し、4年後の1994年に帰国、故郷での新たな挑戦が始まった。
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