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外断熱が家族を守る 〇 床下も有効利用

  • 外断熱が家族を守る 〇 床下も有効利用
床下の利用についてもご説明させていただきます。

弊社では、ご存知の方も多いと思いますが、床下の有効利用の施工例として利府・名取のモデルハウスに地下スペースを設置しています。

本来、床下は、じめじめして湿気っぽいとか、カビ臭いイメージがあろうかとおもいますが、モデルハウスの床下環境は、一年を通して快適な空間となります。

こうした床下の状況をお客様にご確認いただくことで、なぜ私達の造る外断熱の家が、住む人と建物の健康をいつまでも守るのかということをご理解いただくためにスペースを確保させていただいているのですが、モデルハウスをご見学いただき、床下に地下スペースを設けられたお客様はこれまで25件を数えます。

 

手前味噌となりますが、おそらく、一般住宅において地下室の施工実績は、宮城県ならずとも全国でもトップクラスではないかと思います。

地下室の工事は、断熱はもちろん、地盤や地下水・結露対策など、クリアしなければならない問題と施工技術の蓄積と数多くのノウハウが必要であり、全てのお客様にお薦め出来ない部分もございますが、条件さえ整えば、10畳(5坪)ほどの広さであれば、250万から300万の費用で設置が可能となります。

採用いただいたお客様は、敷地にあまり余裕がなく駐車スペースを2.3台確保すると物置すら、置くのが大変という方が多く、非常に喜んでいただいており、中にはセカンドリビングやシアタールームなどに活用しているお客様もいらっしゃいます。

また、スキップフロアにして、リビングやキッチン、和室部分の一部を半地下にしての床下利用や、大型の床下収納を設置したり、複数設けたり出来るのも、外断熱ならではの大きなメリットといえるでしょう。





外断熱が家族を守る 〇 デッドスペースの有効利用

  • 外断熱が家族を守る 〇 デッドスペースの有効利用
何度もご説明させていただいておりますが、外断熱では、気密・断熱ラインが構造の外側になることで、従来は家の外部として、扱われていた床下や小屋裏・壁の中までも、室内に近い温熱環境となります。

つまり、これまではデッドスペースだった部分が有効に活用できるという目にみえるメリットも生まれることになります。

通常、間取りプランを作成するにあたって、現在の住まいに対して不満な点をお聞きすると、暑い寒いは別にして、圧倒的に多いのが収納が少ないということです。

物をなかなか捨てられないという私達日本人の国民性もあって、物は年々増えていくのが一般的で、特に小さなお子さんいる場合はこうした傾向が顕著で、片づけるのもひと苦労するくらい物が増えていくものです。

しかし住宅情報誌やチラシに入ってくるプランを見ると収納率は8%から多くてもせいぜい10%といったプランがほとんどです。

建売住宅であれ注文住宅であれ、販売する側は将来収納に困るだろうくらいのことは、当然わかりきった話なのですが、お客様から指摘や要望がなければ提案されることは少ないのが現実です。

収納スペースを確保するということは、建売では不可能な注文ですし、注文住宅においても、設計変更や面積の拡大につながり、見積もり価格の上昇を招き、予算の折り合いがつかなければ、検討要素が増え、受注機会を失う可能性がともなうからなのです。

※ 収納率という言葉はあまりなじみがないと思いますが、単純に床面積に対して収納面積の割合がどの位かと言う事で、収納面積÷床面積で算出すればいい。

弊社で、プランを検討する場合の収納率は、最低でも15%から20%前後となりますが、予算アップを最小限にしつつ、収納率アップを可能にするのが1階や2階部分の小屋裏空間を有効に利用した収納計画です。

小屋裏の場合、もともと存在するスペースなのはお解りいただけると思います。

外断熱の場合、こうした空間も室内同様の環境となりますので、階段や内装部分のわずかな費用負担で、大容量の収納空間が誕生するのです。

もちろん、収納に困らないうちは、趣味のスペースやご主人の隠れ家・お子さんの秘密基地としても活用が可能となり、住まいにプラスアルファのゆとりが生まれることになります。





平成12年の建設省告示により、小屋裏や床下利用について容積率不算入の通達が出されました。従来、床面積としてカウントされていた小屋裏・床下利用ですが、それぞれのフロアの2分の1までの面積が不算入となったのです。加えてこれまでは、はしご式の階段しか設置できず、昇り降りが非常に危険でしたが固定式の階段も認められるようになりました。

こうした改正は、建築に携わっていれば当然わかっていることなのですが、改正されて15年近くも経とうとしているのに、あまりお客様には伝わっていないのです。

現在も、内断熱工法が主流の建築業界では、床下や小屋裏利用の施工は、工期も伸び、気密や断熱の面において、非常に手間もかかり困難で、さらに、設置しても後々暑い・寒い・結露するといった問題が生じる恐れがある為に、施工したくないのが本音なのです。

本来、お客様にとってメリットが大きいこうした情報も造り手側の事情によって広まることはないのが現実なのです。

※ 小屋裏を利用する場合、床面積にカウントしなくてもいい天井高は、1.4Mとなります。それ以上の高さを希望する場合は、床面積にカウントしなければならないので、3階建ての申請が必要となります。












外断熱が家族を守る〇 気密・断熱ライン

  • 外断熱が家族を守る〇 気密・断熱ライン
内断熱と外断熱の性能の違いを比較する場合、気密や断熱ラインが構造の外なのか内なのかを考えると、優劣がハッキリ見えてきます。

外断熱の場合は、構造部分の外側が気密・断熱ラインとなりますが、内断熱の場合は、構造の室内側に気密ラインを設け、構造内部に断熱材が充填されることになるのはご理解いただけると思います。

宮城の気候を考えた場合、真冬の‐10℃から真夏の35℃までの外気温の変化によって、室温はもちろん構造内部の温度も変動します。

ご自身が、内断熱の構造内部にある柱などの構造材になったつもりで想像してみてください。

季節によって激しく変化する外気側と冷暖房である程度コントロールされた室温側に挟まれて結構きつい環境下に置かれることがお分かりになると思います。

冬もそれなりにきついですが、梅雨から夏の環境は、湿気と強い日射の影響を受け、壁の中や小屋裏の温度はゆうに40℃を超える劣悪な環境にさらされることになるのです。

よく、木造住宅では、木のもつ優しさやぬくもり、その調湿効果が謳われ、木は生きているかのような表現がなされますが、このように激しい外気温や湿度の変化にさらされながら、四方を断熱材や石膏ボード、防湿フィルム、構造用の耐力面材や透湿シートにびっしりと覆われた状況の中で、健康な状態を維持できるものでしょうか。

木は、湿気を吸ったり吐いたりするどころか、窒息してしまうのではないでしょうか?

お腹にアイスノンをあて、背中にホカロンを張った状態で快適でしょうか?(冬と夏は逆転する)

押入れの中に、羽毛フトンを何年も押し込んでいたらどうなるでしょう?

もし、そのフトンで寝たとしたら、ぐっすり眠れるでしょうか?

外断熱では、構造の外側に気密・断熱ラインを設けることで、暑さや寒さを構造の外側で遮断するのです。

こうすることで、従来外部とされていた壁の中や小屋裏、そして床下までもが室内側とほぼ同様の温湿状況となります。

どんなに寒くなろうとも、どんなに暑くなろうとも、構造躯体の温度は15℃(真冬の床下)から35℃(真夏の小屋裏)の中で年中一定します。

そして、構造の内部には断熱材がないため、木材は常時空気に触れた状態となり乾燥状態を保ちます。

当然、木のもつ調湿効果の作用もはたらき、構造そのものの健康も十分保つことが可能となり、木を腐らせる腐朽菌の発生やシロアリの食害を防止することにつながるのです。

さらに、家の構造を支える基礎も、断熱材でしっかり保護されるために、外気の影響はもちろん、コンクリートや基礎内部の鉄筋の劣化の原因となる、何かと問題とされる酸性雨の影響も受けずにすむことで、基礎そのものの耐久性も大幅に向上するのです。


外断熱が家族を守る 〇 床下を見れば一目瞭然

  • 外断熱が家族を守る 〇 床下を見れば一目瞭然
家の耐久性や住み心地を真剣に考えた時に、真っ先に考えなければいけないのは、床下や壁の中や小屋裏といった目に見えない部分が、気候が厳しい冬や梅雨時・真夏にどのような状態になっているかということなのですが、その重要性についてハウスメーカーの営業マンはほとんど口にすることはありません。

特に床下の状況については、その気になれば簡単に確認していただけるのですが、

〇 基礎パッキンで全周換気になっているから大丈夫
〇 ベタ基礎になっているので、乾燥しています
〇 換気システムに組み込んでいるので心配ありません
〇 土台は加圧注入された防腐木材ですのでご安心下さい
〇 防蟻処理をしっかりやっているので問題ありません

とカタログを見せ、マニュアルどうりの説明で終わってしまうのが一般的で、お客様の方も、「そうですか。」 で終わってしまうのがほとんどです。

ちなみに、モデルハウスや完成見学会・実際に建てたユーザーの家の見学時に、「床下を見せて下さい」とお願いしてみて下さい。

内断熱であれ、外断熱であれ、基本的には床下には点検口があり、容易に確認が可能なはずです。

ここで即座に、はいどうぞというメーカーと口を濁して何とかごまかそうとするメーカーにはっきり分かれると思います。

そして、どうぞと言われたメーカーに潜らせていただいてもOKですか?と聞いてみて下さい。

ここで、快くどうぞと勧めてもらえるメーカーなら、ほぼ大丈夫と言えます。

※ 床下は、普段みることがあまりないと思いますが、家の性能はもちろん、造り手の家づくりに対する想いと良心がはっきりと表れています。

あとは、じっくり温度や湿度・カビや結露の有無・臭いなどを確認して、ご自身が納得出来れば安心して家づくりを進めればいいのです。

弊社のモデルハウスでは、床下内部の状況を実際にお客様の目でご確認していただく為に、地下スペースを設けて365日自由にご覧いただけます。

基礎を外断熱にする事で、地熱の効果と季節やその日の温度・湿度によってダンパーを開閉する事によって、一年を通して15℃から25℃位の一定した温度を保つ事が可能となり、夏も冬も快適で省エネな室内環境を創造することが出来るようになるのです。

※ モデルハウスの場合は床下から家全体を暖めておりますので、真冬でも20℃の室温です。

そして、床下にも通気性を確保する事で、床下の結露やカビ・腐朽菌・シロアリの発生を抑え、良好な床下環境を長期にわたり実現する事が可能となります。

家はどこから腐れてくるでしょう。

シロアリはどこから侵入し、どこから食い荒らすのでしょう。

床下が健康な家は「建物と住む人の健康」をいつまでも守ってくれるのです。

家を建てる前に是非確認したい事。

それはズバリ床下です。

冬と梅雨・真夏の床下を、目で見て・臭いをチェックすれば、その家の快適性や耐久性がはっきりと解ってくるのです。



※ この画像は、床下の断熱部分に発生している結露の画像です。全周換気で床下をくまなく通気させるということで、多くのメーカーが採用している基礎パッキンですが、梅雨時から夏場にかけて、年間30日から40日は床下で夏型結露が発生している現実をご存知でしょうか?理屈は夏の露みたいなもので、日中の温度が上昇すれば、大体乾いてしまうのですが、こうした状態が毎年30日以上も続き、毎年続くということも理解しなければならないのです。

外断熱が家族を守る 〇体感温度の違い

  • 外断熱が家族を守る 〇体感温度の違い
熱橋(ヒートブリッジ)がもたらす影響について、もう一つ説明をさせていただきたいと思います。

熱橋部分が、全体の20%前後を占め、断熱材を構造の中に充填する内断熱と、熱橋がほとんどなく構造の外側に断熱施工をする外断熱と比較して、躯体の中の温度はどう違うでしょう。

人が暑い、寒いと感じるのは、実際の温度によるものが一番大きく影響しますが、感覚的に感じる体感温度は、風や湿度によって大きく変わるのは、皆さんもよくご存知かと思います。

風があれば、涼しく感じたり寒く感じたりして、体感温度を低く感じさせ、湿度は一般的に高ければ暑く感じ、低ければ寒く感じるものです。

そして、意外と知られていないのですが、体感温度に影響されるものとして壁の表面温度(平均輻射温度)があります。床や壁・天井部分の平均温度を指していますが、この温度が室温と同じならば体感的にも変化は感じないのですが、低ければ寒く感じ、高ければ暑く感じる様になるという訳です。

外断熱の場合、構造材の外側に断熱工事を施すことで、床下や壁の中、小屋裏といった構造躯体の中も室内に近い温熱環境を保つことになります。

外気温0℃で室温20℃という真冬の例をあげてみましょう。

外断熱では、床下は16℃から18℃・壁の中は18℃から20℃・小屋裏も20℃前後となり、ほぼ一定の温度となります。

ところが、内断熱の場合、床下や小屋裏は外部同様の温度となるばかりでなく、断熱材の入らない柱や梁・根太や大引き・構造用金物といった熱橋部の影響によって、床や壁・天井部の表面温度には、どうしても温度ムラが生じることになります。また気密・断熱工事が不十分な場合は、隙間などの断熱欠損部(断熱が作用していない部分)が、冷たい外気の影響を直に受け、壁の表面温度も必然的に低くなってしまうのです。

一方、外気温32℃で室温28℃という真夏の場合はどうでしょう。

弊社が長年取り組んでいるソーラーサーキットの家では、外気の暑さを、外部の通気層と外断熱によって、構造の外側で遮断し、躯体の中には、地熱の蓄冷効果の効いた床下の涼しい空気を躯体の中に取り込み、熱せられた空気を小屋裏から常時排出する機能が発揮されることになります。

通常、床下は25℃前後・壁の中は28℃から30℃・一番暑くなる小屋裏でも30℃から32℃と安定し、構造の中でも、外気温を超える温度には達する事はほぼありません。

※ ソーラーサーキットについては、のちほど詳しくご説明させていただきます。

一方、内断熱の場合は、構造上、外気の影響を直に受けてしまうので、床下は27℃~28℃になるものの、壁の中や小屋裏は、多くは35℃を超え、日射の強い場合は40℃をゆうに超え50℃近くまで上昇する場合が頻繁に出てくるのです。

外断熱は、小屋裏を快適に活用できますが、内断熱で、ロフトや小屋裏利用を図っても、夏場はサウナのような状態となってしまう為、お客様がリクエストしても、何かと理由をつけて敬遠されるのはこうした理由からです。

※ 内断熱の小屋裏利用は、気密や断熱部分の取り合いが困難で、設置すると結露の危険性が高まり、大きなクレームにつながる為に、造りたくないのが最大の理由です。

また、夏の夜に外気温が下がり、大分涼しくなってもなかなか部屋の温度が下がらないのは、高温に熱せられた躯体の中の温度がなかなか下がらず、その熱ごもりによる輻射熱の影響が大きいことをご理解いただきたいと思います。

体感温度の目安としてよく使われるのが

体感温度= (室内温度+壁の表面温度)÷2 です。

気候の穏やかな春や秋は、あまり影響しませんが、冬や夏の厳しい環境下においては、体感温度には、内断熱と外断熱には歴然とした違いが生じるということをご認識いただきたいと思います。

そして、この体感温度の違いを単に快適か不快かという問題としてとらえるだけではなく、目に見えない構造部分の激しい温度変化が、構造に支障をきたす影響があるのかないのかという事を真剣に考えていただきたいのです。

寒いと感じれば、暖房の設定温度も当然上げることとなり、暑いと感じれば冷房の設定温度を下げるようになるのではないでしょうか。

そうすると、冷暖房費が上昇するのはもちろんですが、再三ご説明してきたように、冬においても夏においても壁体内で発生する内部結露の危険性が益々高くなり、経年劣化が助長され、住む人と建物の健康を徐々に蝕んでいくということをしっかり胸に刻んで家づくりを検討していただきたいのです。