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なぜ日用品にまでこだわるのか?

お客様から、なぜ住宅会社の社長が、消臭剤や柔軟剤・石けんまでこだわるのですか~という質問が届きましたので、紹介させていただきたいと思います。

弊社では、外断熱の家づくりを通して、住む人の健康を重視した家づくりに長年取り組んでおります。

そして、健康に暮らすために、重要になる家の環境とは、キレイな空気の中で、寒い冬も暑い夏も部屋間の温度差を抑え、湿度をコントロールすることです。

室内の温度や湿度・清浄さという空気のバリアをなくすことで、寒さや暑さ・湿気や臭いに悩まないストレスフリーの住いとなり、心身ともに健康に暮らせるものと私は確信しています。

バリアフリーというと段差や手摺などをイメージする方も多いのですが、真っ先に考えなければならないのが、空気のバリアで、その上での段差や手摺・スロープなのです。

しかし、いつもお伝えしているように、家は、いくらお金をかけても、いくら無垢材や漆喰などの自然素材を使っても、建てただけで健康になるわけではなく、省エネで快適で高耐久になる魔法のような家は出来ないのです。

現代の住宅やそれぞれのライフスタイルに合った、お客様自身の住まい方や暮らし方の改善や工夫も必要なのです。

特に、ファンヒーターなどの開放系の暖房機器によって空気を汚したり、エアコンや床暖でも、部屋を閉め切っての冷暖房や間欠運転は、換気不足を招くばかりか、部屋間の温度差も生じ、湿気や結露・臭いが滞留してしまうのです。

その結果、カビやダニも繁殖し、本来、不要な漂白剤や燻蒸剤・消臭剤や芳香剤・殺虫剤や防虫剤など、さらに空気を汚してしまう日用品などを多用しざろうえない悪循環を招いてしまうのです。

隙間が大きい昔の家や年中窓を開けていた時代であれば、さほど問題はなかったのですが、中途半端に気密化や断熱化が進んだ住宅では、様々な悪影響を及ぼしてしまうのです。

そして、室内のみならず、床下や壁体内の湿気や結露によって、目に見えない部分までも、徐々に腐朽や性能の劣化が進み、家の寿命も短命となり、ややもすると住宅ローンを完済する前に、その資産価値さえ失う危険性が高くなるのです。

また、家だけ、ストレスフリーで快適な住まいになったとしても、掃除や洗濯・炊事や入浴時に使用する合成洗剤や柔軟剤を多用することは、身体にも悪影響を及ぼし健康な暮らし方とは言えません。

さらに、換気のメンテナンスや部屋干しの場所や除湿・水回りやのカビや寝具のダニ対策なども必要で、それらが不十分だと折角の健康住宅の意味も薄れてしまう可能性もあるのです。

特に、考えなければいけないのが、アレルギーの発症や症状の悪化の原因にもなる化学物質です。

私達の生活は、化学の進歩によって、便利性や快適性は向上し、ある意味衛生的に暮らせるようになりましたが、一方で、便利さや安さを求めるばかりに、健康や環境に悪影響を及ぼす危険性が高い化学物質も多く存在しているのです。

それぞれの物質の安全については、一応の基準はクリアされてはいるものの、摂取量はもとより、複合的な摂取や長期的摂取・お子さんや高齢者や体の弱い方などへの影響は、考慮されていないのが現状で、空気中や体内での化学反応によって、さらに有害な物質も生成されているということも理解しなければなりません。

故に、PRTR法が制定され、健康や環境に悪影響を及ぼす恐れのある462の化学物質を第一種指定化学物質にして、消費者に注意喚起しているのです。

建築の部材や塗料などで指針値が定められている化学物質は、わずか13物質で、私達でさえ知らない内に、代替物質の利用されているのが現状です。

そして、私達の身の回りにあるものは、天然であれ人口であれ全ては化学物質という考え方も必要で、家の中だけでも、1000種類とも2000種類とも言われる、膨大な量の化学物質に囲まれて暮らしているという認識も必要です。

つまり、いくら建築資材を吟味したところで、家の中全体の化学物質にも目を向けなければ、シックハウスや化学物質過敏症の危険性は解消しないともいえるのです。

合成洗剤や柔軟剤にしても、アレルギーのない健常者が、用法や用量をしっかり守り、使用する分には、問題は少ないと思いますが、洗浄力や香を強くしようとして、必要以上の量を使い、すすぎや洗浄も不十分な方も多く、今日の香害をもたらしているとも言えるのです。

特に、皮膚や肺の機能も免疫も未発達の小さなお子さんがいるご家庭では、不必要ともいえる化学物質は出来るだけ避けていただきたいのです。

こうした化学物質は、アレルギーだけの問題ではなく、神経細胞にも影響がある物質も少なくなく、子どもの成長過程において、発達障害などの二次的障害や将来の生殖機能への影響や高齢者の肺機能の低下や精神疾患・認知症などの影響も、考慮していただきたいのです。

そして、行き過ぎた香ブームによって、香害被害に苦しんでいる化学物質過敏症患者数は、潜在患者も含めると700万人とも1000万人とも言われており、こうした方々にも十分な配慮が、必要な時代でもあるのです。

3.11の震災の原発事故による放射能については、その危険性について、様々問題視されましたが、その度に、私達は、直ちに健康に影響しないという言葉を何度も聞かされました。

しかし、その後の状況はどうでしょう。

本来は、放射能の問題や世界一多いといわれる日本の食品添加物・油や農薬・GM作物などにも言及したいところですが、食品や飲料水は、体内で分解され、デトックスも可能な側面や、そこまで踏み込むと何かと差し障りもあるので、極力控えさせていただいております。

しかし、呼吸や経皮吸収によって、体内に取り入れられる化学物質は、せいぜい汗からしか排出されないために、徐々に体内に蓄積され、いつ何時、発症するかはわからないのです。

実際、すでに発症している方でも、疲れや寝不足・更年期や老化とされてしまうケースも多々あり、不要な薬剤を投与され、症状が改善せずに、益々悪化してしまうケースも少なくありません。

時折、社長は面倒な難しい話ばかりすると、社員や知人からも指摘されることもありますが、私自身、アレルギー持ちではありますが、本来、神経質でも、マニアックな人間でもありません。

ただ、健康を第一に考えている住宅会社の代表者として、住まいや住まい方と健康との関係については、どの住宅会社の経営者より、勉強しているつもりです。

その中で、有益と思われる知識や情報を、日々出会う方々や私のブログをご覧いただく皆さんに、正しく伝えていくことも、私の役割ではないかと考えている次第です。

暮らしの中で、化学物質をなくすことは、到底無理な話で、上手に付き合うことも大事なのですが、表向きは安心・安全といいながらも、危険性の伴う物質も数多く存在し、そうした物質は、出来る限り避けなければならないのです。

経済優先のこの世の中において、消費者にはなかなか知らされることのない不都合な真実が、無数にありますが、耳触りのいい言葉だけを鵜呑みにせずに、裏に隠されたデメリットも理解した上で、バランスの取れた選択が求められており、何事も、最終的には、自己責任という考え方も必要な時代ではないでしょうか。

私には、二人の娘がいて、ともに成人しましたが、子どもの頃は、私の無知によって、アトピーにしてしまい、娘にも家内にも大分苦労をかけてしまいました。

また、初めて紹介しますが、私の母も、60の若さで、ヒートショックによって、脳溢血を患い、14年も寝たきり状態にしてしまったことを、今さらながらとても後悔しています。

まだ若く、身体の丈夫なうちは、寒かろうが暑かろうが、換気が悪かろうが、多少の化学物質でも、自身の免疫や気力・体力でカバー出来ます。

そして、たとえ病気になっても薬や手術によって治療も可能だと思いますが、人にとって一番重要なのが、自身の免疫力であり、自然の治癒力ではないでしょうか。

しかし、小さなお子さんや高齢者にとって、空気の汚れや温度差は、確実に身体にダメージを与えることは、アレルギー患者数の増加やヒートショックの発生件数を鑑みれば明らかではないでしょうか。

化学物質による健康被害は様々で、単なるアレルギーならいざ知らず、症状が化学物質過敏症まで進むと、日常の生活が非常に困難となるほど大変な病なのです。

私は、化学物質過敏症患者の方々とも交流があり、色々な悩みや相談を受けるのですが、専門医も少なく、有効な治療法がない現状の中で、想像を絶する苦痛に日々苛まされているのです。

そして、ヒートショックによってもたらされる事故も、深刻な問題で、幸い命が助かったにしても、その後の後遺症によって、本人はもとより、ご家族や周囲の方々に、肉体的にも精神的にも経済面においても、多くの負担をかけてしまうということをリアルに考えていただきたいのです。

ナイチンゲールは、病気の半分は空気の汚れと身体の冷えが引き起こすと著書「看護覚え書」
で説いています。

縁あって、私が出会う皆さんには、こうした後悔をしていただきたくないという想いで、日々、ブログも書かせていただいているということをご理解いただければ幸いです。



家づくりを成功させるために、初めに確認したいこと

家の住み心地はもちろん、光熱費や耐震性・耐久性にしても、実際に、住んでみないとわかりません。

耐震性は、大きな地震に遭遇しなければわかりませんし、耐久性も、20年・30年経過しなければわからないのです。

今日は、家づくりを成功させるために、まず初めに確認しなければならないチェックポイントについて、改めて紹介させていただきます。

私は、常々、外断熱の優位性について、お伝えしておりますが、外断熱であろうと内断熱であろうと、次に挙げるポイントを満たすことで、住まいは高性能となり、少なくとも、将来、後悔するような家にはなりません。

そのポイントとは、気密や断熱・換気・冷暖房について、依頼先に、次の条件を提示し、確実に実施してもらうだけです。

☆ C値(隙間面積)を測定するための、気密検査の実施(気密工事完了時・竣工時)してもらってください。 寒冷地の基準は2.0ですが、経年変化を考慮し最低でも1.0が必要です。

☆ Q値(熱損失係数)・UA値(外皮熱貫流率)の確認をして、 最低でもQ値であれば1.6・Ua値0.48w/㎡・k(ZEH基準の20%UP)の断熱計画を実施してもらって下さい。

☆ Q値やUa値の、数値はあくまで計算値です。断熱の施工精度の確認のために、 断熱施工時に、すき間やたわみなく、施工出来ているか確認して下さい。確認できない場合は、サーモカメラでの、断熱部の画像を確認してください。

☆ 開口部の種類と性能値を確認し、樹脂トリプル(LOW-E+アルゴン)もしくは、準防火地域などでも最低でもU値1.6W以下 のサッシを使用してもらってください。

☆ 換気システムの種別を確認してください。まだ仙台圏では、コストの関係で1種よりも3種換気の採用比率が非常に高いのですが、後々、寒さで後悔するのは必至で、宮城のような寒冷地では、第1種熱交換換気が必須となります。

☆冷暖房の種類・容量と配置計画を示してもらってください。省エネ・高性能というからには、エアコンは2台(床面積×50W)あれば十分で、どんなに多くてもせいぜい3、4台で十分です。

☆ 冷暖房の連続運転時の部屋別の室温 と暖房費のシュミレーションを提示してもらってください。冬期間に、24時間運転で室内全体を20℃前後(部屋間の温度差が2℃~3℃以内)にした場合の暖房費を出してもらえばいいだけです。

これらが、全て確実に履行されると、必然的に、いい加減な対応は出来なくなり、様々ある工種の施工精度もグンと向上し、間違いなく住み心地のいい家に近づきます。

耐震性にしても、目に見えない内部結露を抑えることで、構造の劣化を最小限にして高耐久な住まいが実現するのです。

そして、太陽光を設置する場合でも、無駄な太陽光は必要なく、床面積㎡あたり0.5kW前後の設置で、十分ゼロエネは可能になります。

もっともらしい理由をつけて、受け入れを拒否されるかもしれませんが、ハッキリ言って、そうした造り手を大事な家づくりのパートナーとして選択すると、お客様自身が将来後悔する可能性が非常に高くなります。

宮城にも、対応可能な造り手はたくさんいますので、どんなに人柄の良い営業マンであっても、デザインが良くて、価格が予算内でも、候補から外した方が賢明です。

上記に挙げたチェックポイントは、省エネ住宅や健康住宅・高性能住宅というからには、クリアしなければ最低限の条件ともいえます。

そして、これらの条件を満たした上で、次のステップとなる資金計画や間取りプラン・外観や設備・インテリアにと計画を進めれば、お客様の家づくりの成功確率はかなり高いものになるのは、間違いありません。

マイホームは、一生で一番高い買い物です。見た目ではなく、中身をしっかり見極めた上での家づくりが大切です。

そして、これらのチェックポイントがなぜ大事なのかを理解することも非常に大事で、正しく理解することで、省エネで快適・健康で長持ちする家の使い方や暮らし方も自ずとマスター出来るのです。

本当にいい家の条件と正しい暮らし方をマスターしたい方は、是非、住まい塾へご参加ください。

FM仙台「Hope for MIYAGI」の収録

  • FM仙台「Hope for MIYAGI」の収録
FM仙台で、2012年より、被災地の「今」を届けている「Hope for MIYAGI」に、塩釜東ロータリークラブ主催の「塩釜の海を市民の手で守る」と題した石けんプロジェクトを紹介していただけることになり収録にいってきました。

ご存知の方も多いと思いますが、震災後、松島湾では、アマモが激減し、牡蠣の生産やハゼの漁獲が減少し、干潟でもアサリがとれなくなっています。

また、農薬や肥料に加え、洗剤などにも含まれる窒素やリンが、海に流れ富栄養化が進み、プランクトンが増殖し、赤潮などの被害も発生することから、3年前に「松島湾アマモ再生会議」が発足し、官民一体となったアマモ場の再生ブロジェクトにより、海の浄化が進められております。

松島湾アマモ再生会議のHP

アマモ場は、小魚の産卵や棲家にもなり、ヘドロ化も抑え、海中の二酸化炭素を吸収し酸素を供給するなど、海にとってはなくてはならない海草で、海のゆりかごとも呼ばれています。

海の浄化には、植林や山の手入れなどの取り組みも必要ですが、日々の暮らしの中で、私達が出来ることは、日々の生活の中で、出来るだけ海を汚さない・環境に負荷をかける物質を家庭から排出させないということではないでしょうか。

環境省のPRTRデータによると、家庭から排出される化学物質で、一番多いのが、合成洗剤に含まれる合成の界面活性剤で、(2位は防虫剤に含まれるパラジクロロベンゼン)下水処理場でも分解しきれず川や海に流されています。

一方で、石けんは5000年の歴史がある天然の界面活性剤で、たとえそのまま海に流されたとしても、食用の石けんとして、微生物や小魚のエサになって環境に負荷をかけません。

実際に河川や海の水質を調査すると、検出されるのが合成の界面活性剤の成分で、石けん成分は検出されることはないのです。

ご理解いただきたいのは、石けんの原料になる油は、植物油や動物油脂で、基本的に食用の油を30℃~100℃に熱して製造しますが、合成洗剤は、石油やアルコールを500℃以上の高温で熱加工して製造するのです。

そして、石けんは海水から抽出した水酸化ナトリウムや水酸化カリウムを添加して製造されますが、合成洗剤は、様々な化学物質を添加して製造されるため、自然界では分解しきれないのです。

1999年にPRTR法が、法制化され、現在462の化学物質が、環境や人体に影響を与えるおそれがあるとされる第1種指定化学物質に指定されていますが、合成洗剤に含まれる合成界面活性剤として、10種類の化学物質が第一種に指定されているのです。

大量のCM効果もあって、年間の生産量は、石けんの3万トン対しに、合成洗剤は109万トンになっていますが、便利さや安さのつけは、私達の健康はもとより、環境にも大きなつけとしてかえってきます。

昨今、アトピーはもとより、アレルギー性の皮膚炎が増加の一途です。

複合的な要因が重なり、原因の特定は困難ですが、合成洗剤や柔軟剤の影響が大きいとも言われています。

また、年間、1万5千人以上の幼児が、発症する川崎病ですが、未だに、原因不明とされていますが、一説には合成洗剤が一番疑わしいという識者も少なくありません。

石けんは、固形だけではなく、食器や洗濯・ハンドソープやボディソープ・シャンプー・歯磨き粉など、石けん素材の液状タイプもあり、肌の弱い方や小さなお子さんでも安心してお使いいただけます。

石けんで洗濯すると、どうしてもごわごわ感が出るのですが、石けんで洗うとふっくら仕上がるので、カオリが大きな社会問題となっている柔軟剤も必要なくなります。

驚きの輝きということで、白くなるのを強調する洗剤もありますが、白くなるのは蛍光増白剤によるもので、綺麗になるわけではないのです。

黄ばみが気になるようになったら、酸素系漂白剤でつけ置きして、洗濯すればいいだけなのです。

蛍光増白剤は、発がん性の恐れがあるとされ、厚労省では、乳幼児の衣類や包帯・マスク・ガーゼ類に使用しないように、メーカー各社に通達が出されており、食品衛生法でも、食品及び食品に触れるすべて(ふきんや紙ナプキン)に使用が禁止されているのです。

石けんで、食器を洗うと手袋をつけずとも、手の荒れやガサガサに悩むことはなくなります。

合成シャンプーに含まれる界面活性剤は、髪の毛や頭皮のタンパク質と結合する性質があり、シャワーで洗い流しても20%位は残留してしまい、抜け毛や薄毛の原因ともなります。

朝シャンが一般的になりましたが、この10年で、育毛剤やカツラの売上は5倍以上になっているのをご存知でしょうか。

石けんは、タンパク質とは結合しないために、頭皮や毛髪に残留することはありません。

合成洗剤で洗顔したあとに、保湿クリームや乳液を塗るということは、肌に界面活性剤を閉じ込めてしまうということなのです。

また、幼児の洗剤やジェルボールの誤飲について、注意喚起がなされていますが、石けんを使って、シャボン玉を作って、間違って飲んでしまっても、救急車で運ばれる事はないのです。

海はみんなの貴重な財産で、海の魚や海藻を食べ、水蒸気が雨となり、農作物が育てられ、私達や動物達の飲み水ともなり、全ては循環しているのです。

石けんの場合、弱アルカリ性で、酸性の酢やマヨネーズ・汗などに混ざると脂肪酸となり、泡立ちが悪くなったり、無香料や天然香料の商品が多いため、カオリが物足らず、敬遠される方も多いのですが、正しい使い方をすれば、洗浄力も合成洗剤よりも優れているのです。

使って人にやさしく、使った後も環境にやさしい、石けんを出来るだけ使用していただきますよう、ご理解とご協力のほどお願い申し上げます。

今日は、Date fm の知性派アナの石垣のりこさんとのやりとりに、大分戸惑いながらの収録でしたが、15日のPM12時~12時25分にオンエアされますので、良ければ聴いてみて下さい~。

※ 家庭用品品質表示法によって、洗濯用と食器洗い用の洗剤には、「石けん」もしくは「合成洗剤」の表示がなされていますが、手洗い用やボディソープ・シャンプーには、規定がなく、広い意味での、洗浄剤として、ソープもしくは石けんの表示がされており薬用せっけん○○も、本来の石けんではないのです。 

「石けん」とは「脂肪酸ナトリウム」と「脂肪酸カリウム」のことで、動物精油脂・植物性油脂に苛性ソーダや、液体せっけんの場合は苛性カリで反応させたものです。

それ以外の合成界面活性剤を主成分としたものは、全て合成洗剤ですので、裏面のラベル表示をご確認下さい。


キッチンの換気扇にもご注意を

キッチンを選定する場合、デザインや素材・機能や色など検討すると思いますが、調理グリルに、必ずついている換気扇にも、注意しなければならないポイントがあります。

キッチンの換気の排気量は、1時間当たり400立米から600立米あり、(120㎡の家全体の気積は約300立米)とても大きいのですが、排気に見合う分の空気を給気するための措置が必要です。

通常、高気密・高断熱の家では、同時吸排型のレンジかキッチンのそばに専用の給気グリルの設置が必要です。

こうした対策が取られない建物では、レンジの換気をつけるたびに、換気システムの吸気口や家中の隙間から空気を引っ張り込んだり、換気扇が空回りするだけで排気されないなどの不具合が発生します。

一番空気を引っ張りやすいのが、キッチンに隣接するダイニングやリビング周辺の隙間となり、換気の給気口や窓サッシ・コンセントなど、外壁側に面している小さな隙間から、空気を引っ張り、冷たい空気がまともに侵入するので、リビングやダイニングにいると、寒さにより不快となり、暖房の効率も低下してしまいます。

そうすると、寒さを抑えるために、換気を消したりして、調理の臭いや生活臭が家中に漂い、ニオイ対策でファブリーズを使い、逆に健康を害してしまうという悪循環さえ生まれてしまいます。

こうした状況もあって、空気清浄機の需要も増加しているのですが、清浄機は室内の空気を循環して、空気中の汚れ成分を吸着するだけで換気機能はないということを理解しなければなりません。

こうしたことは、高気密・高断熱住宅を真剣に手掛ける造り手の間では常識であり、弊社では、20年以上も前から同時吸排型のレンジフードは標準仕様で、特にPRすらしていない当たり前のことでした。

その当たり前だと思っていた、同時吸排のレンジフードの採用率は10%にも満たないということが、取引のあるメーカーから聞かされたのですが、とても衝撃的でした。

費用的に、5万~6万のコストを削減するために、採用していないのだとは思いますが、これでは、いくら省エネ基準を満たしているといっても、ユーザーが満足する省エネで快適な住宅はもちろん、健康な暮らしさえ実現することは出来ません。

レンジフードの問題は、寒い冬だけの問題ではありません。

年中使うのがレンジですので、その他の季節においても、同じ現象が起こり、春先には花粉や黄砂・PM2.5 や粉塵にまみれた空気が入り込み、梅雨や夏には湿気を含んだ空気や熱い空気が、レンジを使うたびに大量に室内へ流入してしまい、カビやダニの繁殖につながり、室内空気が汚染され、アレルギーを初め様々な病気を引き起こしてしまいます。

いくら除湿しても、空気清浄機があっても、家の中の空気は綺麗にならず、結果、消臭剤や芳香剤・柔軟剤や防虫剤などを多用することになり、健康へも悪影響を及ぼしてしまうのです。

たかがレンジフードと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、とても重要なポイントです。

気密や断熱同様、レンジの換気なども、ユーザーが求めなければ、疎かにされてしまう部分ですので、新築を計画中の方は、くれぐれもご注意ください。

暖房費の目安は簡単にわかる

  • 暖房費の目安は簡単にわかる
画像のグラフは、東北電力のHPにもアップされている、家庭における用途別の消費エネルギーを表したものです。

ご覧の通り、東北地方は、全国と比べると、消費エネルギーに対し、暖房や給湯の比率が大きく、光熱費も他地域よりも増加するのがわかると思います。

下のグラフはUa値の違いによる暖房の消費エネルギーを表したグラフで、2年後に義務化となる基準値0.75の建物と東北電力で推奨する0.46の建物との性能との比較です。

※ 0.46という数値は、HEAT20という民間団体の推奨しているG1グレードの基準値です。
HEAT20について、詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。



家の大きさが120㎡(36.5坪)で、外気温-2.8℃・エアコンの設定温度を22℃にした場合の、1時間当たりの消費エネルギーとなりますが、計算はとても簡単です。

外気温-2.8℃とエアコンの設定温度22℃ですので、内外の温度差は24.8℃になります。

この数字に外皮面積312.8をかけると7757になります。この数字にUa値の数字をかけると1時間あたりのその家の大体の熱損失量がはじかれます。

ワット表示で、分かりにくいと思いますが、この数字が、内外温度差24.8℃の場合に、その家全体を暖める暖房の必要エネルギーになり、この数字をベースに、家中を24時間暖めた場合の消費電力や電力料金を比較すると、断熱性能の違いによる家の良し悪しがある程度理解出来る様になります。

2年後に義務化となる省エネ基準で定められているUa値0.75の場合は、

消費エネルギーが1時間当たり5,818Wとなります。この数字をベースに、暖房効率を表すCOPを5として、計算すると、実際の消費電力は、÷5で、1,163Wとなります。この数字に電力の1KWあたりの単価を27円として計算すると1時間当たりの電気料金は、31.4円となり、24時間運転すると754円になり、30日間で、22,620円となり、月額暖房費の目安になるわけです。

※ 再エネ賦課金は含まれておりませんが、賦課金の計算する場合は、1163W×24×30で837,360となり、837.36KWの消費電力となるので、5月から値上げとなった賦課金1KWあたり2.9円をかけると2,428円が実質プラスになります。

一方、Ua値のレベルを上げ0.46Wにして、上記の計算をすると

3,568W÷5=714W 714W×27円=19.3円 19.3円×24時=463円 
463円×30日=月額13,890円となるのです。

※こちらの賦課金は、約1,490円になります。

ちなみに、弊社のソーラーサーキットの標準の断熱仕様のUa値は、建物によっても違いますが、0.4~0.43位です。

0.43で計算すると

0.43×7757=3,336W 3336W÷5=671W 671W×27=18.1円 18.1円×24時間=434円
434円×30日=13,020円となり、0.40で計算すると12,063円となります。

ただ、理解しなければならないのが、Ua値は、あくまで計算値であることと、24時間換気による熱損失や、C値(家の隙間相当面積)の違いから生じる漏気量は、考慮されていないために、施工が悪かったり、3種換気を使用したり、気密が悪かったりすると、数値どうりの性能は発揮されず、暖房費は、大幅に増加してしまうのです。

私が、いつも簡易的に、エアコンの必要容量や暖房費を計算する時に、用いるのはQ値(熱損失係数)ですが、この計算に家の隙間による漏気分の熱損失をカウントした場合の光熱費が下記のグラフの計算となります。



この計算も、あくまで数値に基づいての試算であって、施工精度が悪ければさらに暖房費は増加し、経年変化による性能の低下も考慮しなければなりません。

また、換気を3種換気にした場合の、熱損失は考慮していないために、3種換気の場合の暖房費は、大幅に跳ね上がってしまうのです。

問題なのは、折角家の中の温度差を無くして、省エネで快適にストレスのない、健康な暮らしを求めて、家を建てても、断熱の悪い家は、光熱費が負担となるため、どうしても節約意識がはたらいてしまい、換気を消したり、いる部屋だけ・使う時だけ暖める局所暖房や間欠暖房になってしまうのです。

エアコン暖房は、風が気になり、乾燥するから苦手という方が結構いらっしゃいますが、エアコンは、室温を低い時から高くする時には出力が高まり、運転音や風が気になりますが、一定の温度をキープする運転だと、ほとんど気にならないもので、これは、車における市街地での走行と高速道路での走行時のエンジン音や燃費と全く同じ理屈で、つけたり・消したりすると、温度を上げる際に、エアコンに負荷がかかり、暖房COPも低下してしまい結局は、光熱費も上昇してしまうのです。

つまり、エアコンの間欠運転は、風や音で不快な上に、部屋間の温度差によって、結露も発生しやすく、カビやダニが繁殖し、空気は汚れ、風邪もひきやすく、将来、温度差によるヒートショックの危険性も高まってくるということをご理解いただきたいのです。

エアコンの連続運転に抵抗のある方も多いと思いますが、家の断熱性能が高いと、つけたり消したりする間欠運転よりも、連続運転の方が結果的に光熱費も抑えられるケースが多いということも、以前紹介させて頂いた通りです。

http://daitojyutaku.co.jp/log/?l=452032

昨今、車の選択基準の一番大きな要素は燃費となり、売り上げの上位車種はハイブリッド車がズラリと名を連ねるようになりました。

電気に限らず、ガスや灯油も値上げが続き、光熱費は生涯コストという考え方が必要で、車同様、家の選択基準も、燃費(光熱費)を基準にするのが、あたり前となる時代は、もうすぐそこまで来ているのです。

車の燃費は、単に金銭的な負担を軽減するものですが、家の燃費を左右する断熱性能は、光熱費ばかりではなく、住み心地や、家族の健康や家の耐久性まで左右する非常に重要なポイントなのです。

そして、車の燃費基準は、厳しい検査に基づいて出された業界統一の基準ですが、住宅の場合は、単に数値だけでは判断ができないところが、何とも悩ましい問題でもあり、ユーザー自身が、ある程度勉強しないと、将来後悔する可能性が大きいということをご理解下さい。

※ 参考までに、簡易的に、Ua値からQ値が分かる計算式を紹介したいと思います。この算式は、断熱住宅の第一人者である近畿大学の岩前教授が公表している算式ですが

Ua値=0.37×Q値ー0.13です。

宮城県の場合の省エネ基準値はUa値0.75ですが、次世代基準ではQ値2.4でした。

上の算式にあてはめてみると

0.37×2.4-0.13=0.758

0.75+0.13÷0.37=2.378

実際の数値は、設計を基準にして計算しますが、このように、どちらかの数値が分かれば、Ua値0.75・Q値2.4と近い数字がはじき出されます。

ハウスメーカーの営業マンのレベルチェックにも使えますので、頭に入れておいて損はないと思います。