JR7CWK'sぶろぐ

1.はじめに
「気の迷い」様サイトで紹介されている「F.FLET'S」の「3LEDライト ブラック」ですか、100均商品にもかかわらずVF=3.6Vの白色LEDを単三電池2本で点灯させるDC-DCコンバータが内蔵されているという、コストパフォーマンスの優れた商品です。

ところがLEDへの電流制限回路がない為に、電池が新しいとLEDに電流が流れすぎLEDが焼けきれてしまうというご報告があります。
(この不具合は電池3本点灯タイプと何ら変わりない・・・)


そこで、回路の追加で定電流とまではいかなくとも、電流制限をかけられないか検討してみた結果、若干の回路追加でうまく対策出来そうでしたので紹介します。


「気の迷い」様サイト
http://www.kansai-event.com/kinomayoi/

昇圧回路内蔵円LEDライト
100http://www.kansai-event.com/kinomayoi/cyotto/cyotto_2008_12.html


注)本実験は、あくまで「3LEDライト ブラック」の改善の実験が目的です。
LED点灯用のコンバータを製作する目的であれば、もっと良い回路が出来ますので、この回路の真似はお勧め出来ません。

なお「気の迷い」様の実験結果,結論を否定するものでもありません。
(サイトの情報拝見しますと、非常に知見の高い方です。私など遠く及びません。)
2008.12.24:jr7cwk:[メモ/3.電子工作]
電子工作>LED点灯用DC-DC>追加する回路
 電流を制限する試みは「気の迷い」様も実験されておられます。
 しかしICの動作電圧範囲が狭く、動作領域が狭くなってしまうとの事。
 実装スペースが限られる為に、搭載可能な部品も限られるようです。

 その様な中で他に良い方法がないかと考えてみたのが右図の回路です。

 ICの特性を外部から変えるのは困難と考え、設定以上の電流が流れた時にLEDに流れる電流を別回路にバイパスする構成となっています。
(実は、Trが完全にONしてくれれば、その期間はLにエネルギーをチャージするだけで効率低下はしないかも?という発想から思いついた回路です。実際にはTrがリニア領域での動作となり、電流がバイパスされるだけかと思います。)

 必要以上の電流をバイパスする構成なので、もちろん変換効率は低下(すなわち電池寿命短縮)するでしょう。

 しかし電池寿命が短くなるとしても、アルカリ電池だけでなく電圧の高いオキシライド電池であってもLEDを焼き切る心配が無くなり安心して?使用できるのは大きなメリットてはないかと思います。
 常用電池はNiMHがお勧めとし、非常時にはアルカリでもオキシライドでも問題なく対応可能という考えでいかがでしょうか。


 電流検出抵抗の求め方は図中に示してあります。
 パルス点灯のまま処理しますので、LEDの電流はパルス波形のDUTY比を考慮して求めるのが明るさを保つコツです。
→12/24追加:この式は、LEDに許容される最大ピーク電流を考慮していません。
許容される範囲を超えない範囲で使用しないと、LEDの寿命を縮める可能性がありますので、LEDの仕様書をご確認の上、算出ください。


2008.12.24::修正削除
電子工作>LED点灯用DC-DC>元の回路
2.元の回路
 元々3pのICが使用されており、ICとLを外付けするだけで昇圧するという非常にシンプルな回路となっています。
 ICは発振−スイッチングだけで、LMC555を使用した秋月のLED用コンバータと同様、電流を一定にする為の回路すらない回路構成のようです。(左図参照)
 この為にその出力は電源電圧に直接左右され、電池が新品状態ではLEDに電流が流れすぎてしまうとのこと。

 詳細は「気の迷い」様サイトをご覧下さい。


訂正>
Lのインダクタンス、図では10μHとありますが、22μHです。


2008.12.24::修正削除
電子工作>LED点灯用DC-DC>実験回路
4.実験回路
 手元に同ライトがありませんので、想定した回路を作成して実験を行なってみました。
 実際の構成を想定したとは言え、現物とはいろいろ違いがあると思います。
 手持ちの部品を使用した関係で、最適な部品・定数ではないかも知れません。
 あしからず。

 発振回路は、C-MOSのシュミットインバータ4584を使用したものです。
 LMC555を使用したほうが小型で動作電圧範囲も広くなるはずですが、50%DUTY付近で実験したかったのでこのようにしています。

 スイッチングデバイスはこれも手持ちのTrを使用しています。
 低周波電力増幅用とされる"2SD"タイプなのですが、fTが130MHzも!ある、そこそこ速度のあるデバイスのようです。
 もう一回り小さい物でも十分だと思いますが、実験でもあり過電流でデバイス壊すのもいやなので・・・

 電流検出抵抗は手持ちの都合で5.1Ω、電流パイパス用のTrも上記と同じものを使用しています。

注)図の実装図は部品面から見たものです。
 ハンダ面から見ると裏返しになります。


1/10 図差替えました。
 Lのインダクタンス訂正 10μH→22μH
 発振周波数upの為、発振回路乗数変更


2008.12.24:cwk:修正削除
電子工作>LED点灯用DC-DC>味見実験
5.味見実験
5−1.前提条件
 実験回路も怪しいですが、実験もかなりいい加減な前提での実験です。

 発振周波数が電源電圧で変化しているかと思いますが、実測確認していません。
 (3V印加状態で、LEDが最も明るくなる点にVRを調整しただけ)

→1/8補足>周波数測定しましたら3V時に130kHzでした。
Lが22μHなので、これでは低すぎるようです。
−−−−− 補足おわり −−−−−

 出力電流は電流検出抵抗両端の電圧をデジタルテスタで測定し電流に換算したものです。
 パルス電流が流れているはずですが、テスタが平均値を示してくれるだろうという前提での測定です。従って測定値の絶対値は怪しいです。傾向だけ見て下さい。
 また電流制限用Trを接続した場合、TrのVBEで電圧の上昇がサチっている可能性があります。(ベース側に抵抗を追加して再測定せねば・・・)

→その後、ベースに51Ωの抵抗を追加して実験しましたが、ほぼ同じような特性でした。よってTrのVBEにより電流測定値がサチっているわけではないようで、回路が期待した動作をしている事が確認できました。


 効率ですが、入力側の電圧・電流は実測していますが、出力側については電圧の直接測定は行なっていません。前述で求めた電流と抵抗値(5%抵抗で実測しておらず)を元に、LEDのVFが3.6Vと仮定して求めた出力電力にて算出しています。
 なお、LED点灯分と電流検出抵抗Rにでロスになる電力だけ考慮したので、Trにバイパスされる電力は計算に入っていません。


5−2.特性確認
 このような状態で、電流制限(パイパス)用のTr無し(電流制限無)時と有り(電流制限有)時で、電源電圧特性を比較してみました。
 なお、負荷はグリーンオーナメント製「3LEDパワーライト」(3個並列接続)です。

1)Trが無い場合
 3.4V以上は電流が流れすぎ怖くて電圧を上げられませんでした。
(LEDが焼き切れるのがわかっていて電流を増加する気にはなれず。・・・そもそもLEDのVFである3.6Vを超えるあたりからは、電源〜L〜LEDという具合に、DCDCの動作に関係なく直接流れるだけかと思います。)

 手持ち部品の組合せなので変換効率が最良で50%台とあまり良くありませんが・・・この点は気にされず傾向だけご覧下さい。

 また出力電流に、LEDのVFである3.6を掛ければLED点灯分の電力となります。


2)Trを追加した後
 電源電圧3.2Vあたりから電流上昇が緩やかになり、80mA程度(LED1個当り26mA)でほぼ一定になりました。電流制限(パイパス)回路が期待していた動作が得られているようです。
(先に書いたとおり、TrのVBEでサチっているだけの可能性がありますが・・・LEDの明るさの増加も少ないようなのでうまく機能していると思います。)
 電圧を3.6V程度まで上げてみましたが、問題ないようです。

 なお電源電流は電源電圧に比例するように上昇しつづけますので、変換効率は電流制限動作を始めたあたりから低下するようです。しかもTrがない場合より電流上昇が大きめのようです。まぁこれも想定していた動作です。

 電流特性で、抵抗無し時のカーブと抵抗有り時のカーブのその差の分が、バイパス回路に流れる「ロス」分になるのかと思います。


2008.12.24:cwk:修正削除
電子工作>LED点灯用DC-DC>おわりに
6.おわりに
 実機での確認は行なっていないものの、以上の結果から回路の追加でLEDを焼き切る心配を解消できる見込みが立ちました。

 最初からIC内に電流帰還用のわずかな回路(ICに電流帰還用のピンが1ピン増えます・・・TO92パッケージでは無理かも知れませんが・・・し、ICチップ内の回路も追加になりますが、それによるコスト増加はわずかかと思います。)が付加されるだけで、LEDの焼き切れの心配も、変な回路による効率低下も起こらない、それこそ1000円程度で販売されている商品を食いつぶす可能性のある素晴らしい商品になったであろうだけに、少々残念です。


2008.12.24::修正削除
電子工作>LED点灯用DC-DC>LED3個直列での点灯実験
ものは試しと、LED3個直列で点灯するか試してみました。
実験に使用したLEDは、以前MC34063AによるDC-DCを組み込もうとLEDの接続を3個直列に改造したセリアの「III-LEDライト」。
セリアIIILEDライトにDC-DC基板を組み込む

結果・・・点灯しますがだいぶ暗くなりました。
LEDが並列から直列に変わり3分の1になる事を考慮しても電流も少なめであり、当然明るさも暗いようです。
(この状態では電流が少なく、抵抗を最適値の3倍に変更しても「電流バイパス」回路は動作しない事でしょう。)


LEDの場合LEDのVF以上の電圧にならなければ電流が流れない事から、直列数の増加で高くなったVFを越えるほんのわずかなピークの部分しか電流が流れなくなっているものと思われます。

このコンバータ回路は電源電圧にLにより昇圧した電圧が加算されて出力される構成となっています。
並列の場合は、電源電圧にわずかな昇圧で済んだのが、3個直列では電源電圧の何倍もの昇圧を要求されます。

Lのインダクタンスが小さいので、3個直列分のLEDを点灯させるだけのエネルギーが蓄えられないものと思います。
(周波数上げればいいのかも知れませんが・・・)

なお周波数の調整ポイントが違うのかも知れません(もっとも今までの状態も最大ポイントがVRの調整範囲に入ってませんでしたが)ので追って確認が必要ではあります。

また、昇圧用のLもインダクタンスの問題だけでなく、もっと電流が流せるものが必要なのかも知れません。


2008.12.29:cwk:修正削除
電子工作>LED点灯用DC-DC>周波数変更
前回データアップした際、変換効率が最良でも60%程とあまり良くありませんでした。
(LED 3個並列にて)

MC-34063Aのアプリケーションの資料を元にLに蓄積させるエネルギーの計算を行ったところ、周波数が低すぎで十分なエネルギーが蓄積されていない感じがしました。

周波数を実測してみたところ3V印加時130kHzでした。


そこで発振回路の乗数を変更(Cを102→471,VRの直列Rを2.2k→560)し、周波数をもっと高く出来るようにてみましたら、電圧が低くても今までよりLEDが明るくなりました。

VRを調整してみたところ240kHz付近(3V時)で最も明るく点灯するようでした。
この状態でデータ取ってみたら、変換効率が80%越えました。

電流制限を効かせると電源電圧3Vですでに電流パイパスし始めているようです。

LED直列時の特性も確認せねば。


また秋月の回路のようにLMC555を使用して別に組んでみようかな?


2009.01.09:cwk:修正削除
電子工作>LED点灯用DC-DC>LMC555版検討中
お手軽な回路で変換効率が良かった事から、LMC555版を製作すべくパーツを集めてます。
回路はズバリ秋月のLED用コンバータ。ただしLは手持ちのものを使用する事になります。(秋月のコンバータのL、インダクタンスが結構大きいものを使用しているようですが・・・)

セリアの「III-LEDライト」への組み込み前提です。
(このライトにはMC34063A互換ICを使用したシガープラグ型携帯充電器のアップコン改造版の組み込みを試みていましたが、変換効率が思うように上がらない上に、基板が薄い為に強度不足で基板を壊してしまう等の問題もあり作業を中断してました。)

電池は単四2本を想定。
LEDは並列に戻す事になると思います。

基板の幅はライトの筒に収まるよう、ICのリードピッチと同じ幅とし、この範囲で組み込みを考えていますが、
その関係でスペースが不足し、電流制限回路までは組み込めないと思います。
チップ抵抗,コンデンサを使用すればコンバータ基板の長さをもっと抑えられるはずですが、今回は回路定数の見極めが必要な事からそこまでは行いません。


それにしても今日バラした、TOPLANDの携帯充電器(単三オキシライド電池2本内蔵の「横型」)ですが、基板の小さいこと。同社の旧タイプ(「縦型」)でも小さいと思っていたのにびっくりしました。

これを定電流回路に手直しして組み込めば、効率も電圧特性も優れたライトになりそうです。


2009.01.17:cwk:修正削除
電子工作>LED点灯用DC-DC>L変更後の特性
LMC555版に改造する前に・・・

小型のLの手持ちがあります。
小型化の為にLMC555ではこちらを使用する前提で、4584発振版での特性を確認しておきました。

結果・・・若干効率低下しましたが、周波数を適切に合わせればほとんど似たような出力電流が得られました。


2009.01.21:cwk:修正削除
電子工作>LED点灯用DC-DC>LMC555版試作回路と特性
先に作成した基板にLMC555による発振回路を組んでみました。

LMC555版の結果ですが、さすがに低電圧から動作します。
4584では2.4V以下では全く点灯しなかったのに、1.27V(実験に使用したLM317使用電源の都合)でも点灯しました。(暗いけど。)
ただ、DUTY比の関係なのか、かなり低い電流で過電流パイパスが効いてしまうようです。
DUTY比を変更するか、抵抗を変更してみようと思います。
(ただ、低電圧での動作を考慮するとダイオードを使用してのDUTY変更はまずそう・・・)




2009.01.24:cwk:修正削除
電子工作>LED点灯用DC-DC>LMC555版 SWTrのRB変更
LMC-555版試しましたが、出力電流が取れませんでした。
電流制限が効いているからかと、電流制限回路外したら3.4V位でようやく4584版と同様な電流が取れるようですが、これでは電源電圧高すぎます。

回路をよくよく見直してみたところ、スイッチングTrのベース側抵抗を2.2kにしていたのに気が付きました。
(秋月の回路が1.5V動作で1k使っていたので、3V動作という事で良く考えもせず単純に倍にした?)
これではスイッチングTrが十分にON出来ず、その為に出力が得られないと考えて、4584版と同じ560Ωにしてみました。
(要は4584側の回路に切換えた)
すると・・・特に低い電圧での出力電流が大幅に改善されました。

さらに、ベースとエミッタ間に入れていた2.2kの抵抗を外したところ、特に低電圧域での電流が増えました。(立ち上がり電圧が低くなった)
この立ち上がり方だと、電源が2.4Vあれば、LEDを定格+アルファ程度の電流でドライブできそうです。

しかし、何で電流制限がこんなに低く効いてしまうのか。
やはりDUTY比?


2009.01.25:cwk:修正削除
電子工作>LED点灯用DC-DC>LMC555版>組込前提の回路実験中
LMC555版ですが、実際のライトへの組込み前提での実験中です。
元々「F.FLET'S」の「3LEDライト ブラック」の過電流対策から実験を始めた関係で、「過電流パイパス」で実験を進めてきましたが、今回はLMC555の動作を積極的に使用して定電流動作に持ち込めないかを含めいろいろ試行錯誤してます。

LMC555で検索すると、懐中電灯のLED化についての情報が引っかかります。
LEDは平滑して点灯させ、LEDの電流をTrで検出しLMC555の5p(CONT端子)にフィードバックするというのが定石のようです。

私は5pを使用して制御しようとするのは同じですが、LEDをパルス点灯のままで処理しようとしています。
(平滑用の大容量のコンデンサを積むスペースの確保が困難なので)
しかし、さすがに思うような特性が得られていません。
現時点では何故か電源電流が、電源電圧を変えても定電流!

物にするにはもう少々かかりそう。


2009.03.06:cwk:修正削除


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