JR7CWK'sぶろぐ
PC車載用DC-DC>仕様
ターゲットPC:NEC VersaPro VA10J
純正ACアダプタPA-1600-01の出力:19V,3.16A (無負荷では19.5V程の電圧が出力) 本機の出力電圧・電流はPC付属の純正ACアダプタの出力に合わせて設定。 出力電圧:19V+α 出力電流:3.2A以上 電源電圧:13.8V(11〜15V)・・・車のシガープラグより供給 (24V車は非対応→回路をダウンコンに変更すれば対応可でしょうけど。) ※本記事は「電源」部分だけの製作例であり、電源管理(エンジン始動で起動、エンジン停止でシャットダウン)等を行う機能はない。 PCの起動/シャットダウンは「手動操作」である。 また、エンジン始動に伴う電圧降下で電源が落ちる事もあるので、特に内蔵バッテリが寿命となったPCを接続する場合は電源管理に注意が必要。 (HDDアクセス中にエンジン始動は絶対行わないほうが良い。) ※DC-ACインバータ〜ACアダプタ使用で電源を供給すると、車とPC側の絶縁効果が期待できるが、本器は非絶縁。 PCのヘッドホン出力を直接カーオーディオに接続する場合、電源に本器を使用すると、GNDレベルの差から、オーディオにノイズが乗りやすくなる可能性が高い。 ヘッドホン出力とカーオーディオ間に絶縁AMPを入れると治まるとは思うが・・・(簡易的にはトランス) |
PC車載用DC-DC>基本回路及び使用部品
PC車載用DC-DC>動作実験
最初は定電圧電源に接続し、無負荷で昇圧動作を確認。
19.6V位の電圧が出力されているのを確認。ほぼ設計通りである。 上記での動作確認できた時点で、非常灯用の電池パック(NiMH5本パックのものを2組直列した12V)に接続。 電源電圧及び出力電圧をモニタできるように基板の入・出力にデジタルテスタを接続。 さらに電源電流を測定できるように0.1Ωの抵抗を電源側に直列に接続、抵抗の両端を デジタルテスタでモニタ。 電池パックを接続し、無負荷状態の電源電流は18mA程とわずか。 この状態で実際にPCを接続してみる。 コイルからかキーンという発振音が聞こえ始め、電源電流の増加を確認。 おそるおそるPCの電源を入れると、PCが無事起動開始。 3A程(起動のシーケンスにより変化)の電源電流が流れるが、出力電圧の低下はわずか。 一応成功した模様。 コイルから「シャリシャリ」と音がするのがちょっと気になる・・・ まだ10分程度の動作試験であるが、Lは発熱あり、Q3は発熱の様子はなかった。 (D3は未確認。) 試しにLを10μHに交換してみたが、無負荷時の電流もあまりかわらず、PCの起動も確認出来た。 Lについては今後様子を見て決定する事になろう。 |
PC車載用DC-DC>今更検索・・・
今更ですが・・・ネットで検索してみると・・・
・市販品が数千円程度で入手できるようです。 (もっと高価なものしか無いと思ってました。) ・自作ではLT1170を使用した例がいくつか引っかかります。 部品点数が少なくて済み、自作も簡単そうです。 ただ、LT1170自体が結構高価・・・ (MC34063A+PoMOSの組み合わせなら数セット揃いそう。) 他には、LM2588-ADJを使用した例もありました。 ・Q&Aサイトに、車載でPCを使用する場合の電源についての質問、結構あるようです。 電源そのものの回答としては、回答者が電気にあまり詳しくないのか、DC-ACインバータを使用してACアダプタを接続、といった無難な?回答しか出てこないようです。 (振動でHDDが壊れるとか、エンジンが壊れるとか?余計な心配までした回答まであるようですが・・・夏場の暑さのほうが私は心配) 関連で・・・DC-ACインバータの場合、出力波形でどうので・・・という書き込みが時々見られますが・・・ PCで使用される電源はほとんどスイッチング電源であり、AC側は整流して直流にするだけで結構「雑食」なので、さほど波形の影響は受けないはずです。 極端な話、出力電圧が十分なら「直流電源」でも動作するはず。 <12/06/11追加> 入力側の整流回路によっては、「直流電源」では動作しない可能性がある事に気がつきました。 具体的には・・・ ・入力側が単なるブリッジ整流なら「直流電源」は可。 ・倍電圧整流(200V用の基板と共用設計などで)の場合不可。 <追加おわり> ただ矩形波インバータの場合「波高」が低くて、というケースはあり得なくはないですが。 |
PC車載用DC-DC>車載でテスト
実際に車に載せてのテストを行ってみた。
昨晩は30分程の連続動作を2度ほど行ったが、動作は問題なし。 またLやDの過熱を心配していたが、ほんのり暖かくなる程度で問題なし。(Lは200μHを使用) 放熱板をつけなかったPoMOSも熱を持った気がしない。 過電流検出抵抗の発熱も感じられず。 ただLからシャリシャリ音がするのは相変わらず。 過電流検出抵抗の両端にデジタルテスタを接続して、電源電流を測定。(正確には、電圧を測定し電流に換算) 起動時や、内部の電池が放電している状態だと3A位流れているようだが、2A程度で落ち着くようだ。 →メーター付けたくなった。 発熱がほとんどない、という事は効率が結構いい事を示す。 これは予想以上。純正ACアダプタよりも発熱が少ないように思う位。 Bip構造のMC34063Aは単体で使用するとあまり効率が良くないのだが、本器はPoMOSを使用してスイッチングしている為か、意外に高効率な模様。 DC-ACを介して使用していたときには、DC-ACも結構熱持っていた(PWMインバータの癖に・・・)ので、トータルの変換効率は相当改善しているみたい。 もっと早く作るべきだった・・・ |
PC車載用DC-DC>応用
本DC-DC電源だが、車載用途以外に下記のような応用も可能。
バッテリを用意し・・・ ・充電器とセットで、UPS代わりや、長時間の停電に備えた電源として・・・ ・太陽電池や風力発電でバッテリを充電し、ソーラー(風力)PCにする・・・ ※車用のバッテリは、「車」に使用する事を前提に作られており、他の転用は禁止されているようです。ご注意。 (どうしても・・・という場合は自己責任で) バッテリの液量管理に注意。液量が低下し極板が露出していると、ちょっとした内部ショートによる火花が、化学反応で発生する水素に引火、「爆発」なんて事故につながりかねません。 (液量低下すると、バッテリ内部の「空間」容量が増加する事を意味し・・・水素ガスが溜まる量が増える原因にもなります。<引火時の危険性が高まる。) |
PC車載用DC-DC>コイルが違う?
秋月の店頭(中のレジ前にあった奴)で購入した2つのコイルですが・・・
データシートを確認しようと、秋月の通販サイトで確認してみたら・・・ >200μH(秋月No.P-04080) は、現品と合っている物がヒットしましたが、 >10μH(秋月No.P-04722) は、全く別物でした。 手元にあるのはP-04080と同サイズのトロイダル型(コアの塗色は「黄」)ですが、 サイトで引っかかったのは、ラジアルリードタイプのマイクロインダクタ5個組。 手元のコイルの「仕様」ははたして・・・ 手元のコイルのラベル、良くみれば、 「P-04722 A823LY-100K 10uH(5個入り)」 なんて印刷がありました。 |
PC車載用DC-DC>仮ケース
車載で使用するので裸のボードのまま、という訳にはいかず、まずは木製の箱に入れて使用していた。
本格的なケースに入れたいところがったが、電子パーツショップに行けずにいた。 そんな時に立ち寄った100均(CanDo)で見つけたのが、「メッシュ スタッキングトレー(小)」。 その名の通りメッシュ状で金属製。 サイズは、約75×150×48mmと記載がある。 ICB-88の基板を収めるには、長さ方向が少々長めだが、横幅と深さは丁度いい感じ。 発熱する事を考えると通風性が大事なので、金属メッシュは最適。 もし通常の金属ケースだと、発熱するパーツをケースに直付けにする必要が生ずるが、この「トレー」だとそのままで良さそう。 「トレー」取り付けにあたり、基板も若干修正。 「コイル」は交換できるよう暫定で基板裏側につけていたが、予定していた位置に移動、過電流検出に「端子」を追加し「電流計」を接続できるようにしておいた。 なお振動によりコイル等の重量物のリード部に応力がかかりハンダ割れ・パターンはがれの恐れがあるので、グルー樹脂で固定しておいた。 「トレー」には3mmビスで取り付けた。 基板をちょっとだけ傾ける事で基板の穴とメッシュの穴がほぼ一致するところがあった。 「トレー」の底側から平ワッシャを入れた20mm程の長さのビスをねじ込み、トレー内側も平ワッシャを入れてナットで締め、さらにナットをつけて基板〜ナットという具合で固定した。 入手出力のコードとヒューズホルダをタイラップで固定し完成。 これで扱いがかなり楽になった。 このトレー、「蓋」がないのと、作りがちょっと雑なのが残念だが、ちょっとしたパワーアンプのケースにするのも面白いかも知れない。 |
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しかし電源を2度変換する事になり変換効率が悪く、エンジン停止状態で長時間使用する場合にはバッテリ上がりのリスクが高かった。
(実際どの位電流が流れているのか正確に測定した事はないが、ざっと4A程度の電流が流れている事を確認している。DC-ACインバータもACアダプタもそれなりに発熱している事からエネルギーロスが結構大きい事は間違いない。)
そこで、DC12Vから直接ノートPCのDC入力にあわせた電源に変換するDC-DCコンバータを製作する事にした。