なぜ「東京芸大」ではなく「桐朋学園大」を受験することになったのか?by ikoi
高校3年生の夏休み中に、芸大を受けるか 桐朋を受けるか、決めなければなりませんでした。 ある夏の昼間、自宅でピアノを練習していると、 なんとなく、すぐそばのベランダデッキに出て、 外の空気を吸いたくなりました。 すぐに実行に移して、開放感を味わっていると 東京芸大受験か桐朋受験かの迷いが頭の中に 浮かんできました。 僕のイメージとして「東京芸大」というと 東大の赤門みたいに『そびえ立っている』 イメージで自分の心の中に収まる感じでは なかったのです。 「桐朋」は、課題曲に自分の大好きな ショパンのエチュードOp.10-4が入っており、 『これが練習できるのならば、合格を自分の 手元に引き寄せられるかも』と心の中に すっぽり「桐朋」を入れることができたのです。 この精神状態の差で、桐朋受験を決めました。 そして、『心の中にすっぽり収まった桐朋の イメージを受験終了まで続けて持つことができ、 実技試験でもあがることなく、丁寧に演奏することが でき』ました。 これが、僕の桐朋学園大学ピアノ専攻試験に合格 することができた理由です。 頭の中だけで「大学選び」をするのと 心の中を覗いて、落ち着いて自分自身を見つめて 選択するのとでは、「自分の進むべき道がしっかり 見えている方」を選んだ方が、受験当日に 舞い上がらなくて済む利点があるように 思われます。 そういう意味では、高校3年の夏の 『自分自身を見つめる』作業は、 一旦、これまでの自分自身の 「人生の棚卸し」を無意識に 行ったんだと思います。
2023.01.13