復興、行きつ戻りつ

  • 復興、行きつ戻りつ

 

南三陸町歌津で育てる漁業をなりわいとする高橋家。

飛びっきり明るくてオープンで人好きのするこのご家族と親交を持つようになって

10年になります。

 

震災で家も工場も設備も船も、一斉流されてしまったけれど、

いち早く家族会議で復活を誓い、これまで先手先手の行動をとり、

着実に復活への道を歩んできました。もちろん多額の借金を背負いながら。

 

震災直後からボランティアを募って何度も通ってきましたが、

最近、とても残念な出来事が起こりました。

 

海中に設置した養殖設備を固定するアンカー(錨)が

震災当初に仮でつけた軽いもののままだったため、

海流に動かされ、海中にあった震災がれきに養殖ロープがひっかかってしまい、

せっかくの牡蠣養殖の3分の2が流されてしまった、というのです。

 

今が一番旬な時期なのに、ショックです。

気を取り直して新しい稚貝を準備するということで、

仲間8名とお手伝いに行ってきました。

 

ロープの撚りをゆるめて、ホタテの貝殻に着いた牡蠣の稚貝を6mほどのロープに

14~15個はさめていく、という作業です。

9時から16時まで、腕がパンパンになりましたが、

ロープ500本ほどやることができ、少しはお役に立った感じがしました。

 

 

お昼には、なけなしの牡蠣を振舞ってくださいました。

気絶するほどの旨さ!!

 

さらにおみやげにまさに採れたて初物の若芽(めかぶ付き)をいただきました。

これもしゃぶしゃぶでいただいたり、しょうが醤油でいただいたり、

ああ、幸せ、と思える地球の恵みです。

 

今回、準備した稚貝が美味しくいただけるのは2年後です。

まだまだ本格的な復興への道は長いと感じました。

 

2015.02.12:壱岐産業:[事務局ノート]