秋も深まり、平地での紅葉も鮮やかさを増してきました。
今日は、酒田の迎賓館であった「清遠閣」と紅葉が共演する美しさをご紹介します。
清遠閣は、江戸時代後期にあたる文化10年の築造で、築200年を超す京風木造建築です。
本間家の別荘として庭園と同時期につくられ、主に藩主の休憩所として使用されました。
築造のきっかけは、北前船の入港できなくなる冬期間の失業対策事業が発展したものです。
約3,000坪の庭園の中に溶け込むように佇む清遠閣。
現在は二階建てですが、明治末期の増築によるもので、当初は平屋でした。
庭園は鳥海山を借景につくられており、清遠閣も当初は室内から鳥海山を望むことができたと言われています。
庭園内は高低差が大きく、視線も常に変化するため、清遠隔も様々な表情をみせてくれます。
また、室内からも紅葉をお楽しみいただけます。
こちらは一階の上座敷からみた景色です。
上座敷は、藩主が領内巡視の休憩に使った部屋で、床を背に座ると美しいパノラマビューが楽しめます。ガラス戸は二階を増築した際につけられました。
こちらは二階の様子です。
二階は、天皇陛下や皇族、明治政府の高官をお迎えするためにつくられました。
現在の様子は、大正14年10月に東宮殿下(昭和天皇)がご宿泊された当時の面影を残しています。
椅子を用意していますので、ぜひ座ってゆっくりと景色をご堪能ください。
窓辺からは、庭園の全景を俯瞰できます。
庭園は国指定名勝になっていますが、二階から俯瞰できる様式もポイントの一つでした。
明治末期の手漉きガラスは、景色が滲むようにゆらいで見え、独特の情緒を醸し出しています。
庭園の紅葉は11月中旬までが見頃です。
清遠閣と紅葉の美の共演をお楽しみください。