開催中の企画展「市中山居の茶 -伝来の茶道具-」では、秋の特別公開として3点の伝来の屏風絵を公開しています。
特別公開その2 庄内藩酒井家伝来
「谷文晁筆 十二ヶ月山水図屏風」 文政元年(1818)
六曲一双の屏風に四季の山水を描いたもので、右隻に春と夏の景、左隻に秋と冬の景が各三枚ずつ配されています。
構図は伝統的な中国画に倣いながらも、山肌の陰影などに西洋画の影響も感じられます。
最後の雪景に「文政紀元戊寅五月文晁筆」とあり、文晁が56歳の作と分かります。
淡い色彩と精緻な筆致によりやわらかな光を感じさせる、円熟期の大作と言えるでしょう。
のちに文晁の孫・文中が本間家を訪ね、この屏風を模写し、清遠閣上座敷天袋にも山水図を遺しています。
庄内藩主酒井家より本間家が拝領しました。
この機会にぜひご覧ください。