本美で本物を観よう!秋の特別公開その1

開催中の企画展「市中山居の茶 -伝来の茶道具-」では、秋の特別公開として3点の伝来の屏風絵を公開しています。

 

特別公開その1 米沢藩上杉家伝来

「高嵩谷筆 須磨・住吉図屏風」 江戸時代後期(酒田市指定文化財)

 

この屏風絵は、『源氏物語』の「須磨」「明石」「澪標」の三つの話を描いています。


右隻は、都から須磨に流謫された光源氏が、茅屋の假住居で秋を迎える場面「須磨」を描き、小舟で明石にいる想いを寄せる娘のところに通う話「明石」までを表しています。


左隻は、都に呼びもどされた光源氏が、都にいた子息と共に住吉神社に御礼に参詣する場面です。画面右上には、ちょうど船で住吉詣に現れた明石で別れた娘(明石の君)が描かれています。
しかし、明石の君はあまりに立派な源氏の一行を見て、同じ源氏の子どもでも自分の娘は明石でわびしく暮らしていることにいたたまれなくなり、船を遠ざけてしまいました。画面右下に白鷺のとまる船の水路を示すための杭が描かれており、これを「澪標」と言います。

 

寛政九年(1797)三月、本間家三代・光丘は米沢藩への功績から、九代藩主・上杉治憲(鷹山)より、御染筆(自筆の書)と高嵩谷筆御屏風(展示作品)、御菓子を拝領しました。

 

 

この機会にぜひご覧ください。

 

 

 

 

2015.10.30:homma-m:[コンテンツ]