木彫芭蕉像のご紹介。

開催中の展覧会「江戸絵画と芭蕉」は、芭蕉が酒田を訪れた期間(7月29・30日、8月3~9日)に合わせた記念展で、酒田に遺る唯一の芭蕉の遺墨《玉志亭唱和懐紙》(県指定文化財)の公開が目玉となっています。

 

 

しかし、芭蕉の遺墨だけではなく、大変貴重で伝来もとても興味深いものも展示されています。

 

それがこの《木彫芭蕉像》です!
この像は『芭蕉庵の庭前の柳の木で門弟が師を偲んで彫ったものであり、仏頂和尚の遺偈とともに庵の什物であったが、門流の違和に際して流出した』と伝わっています。


美濃派の神谷玄武坊が所有していましたが、天明五年に酒田を訪れた際に仏頂和尚の遺偈とともに武長百合坊が譲り受け、現在は本間美術館に収蔵されています。


いかにも武家出身らしい肩をはった厳しい表情で、風雅に徹した崇高な風貌を伝えています。

黒光りしているのは長年に渡り像の前で香が焚かれていたからで、俳諧の祖として芭蕉が祀れていたことが分かります。
 

 

芭蕉の遺墨とともに、この機会にぜひご覧ください。

 

 

 

 

 

 

 

2015.07.18:homma-m:[コンテンツ]