開催中の「雛祭 古典人形展」の主役、内裏雛をご紹介します。
私たちが内裏雛と呼ぶ座った人形『座雛』が誕生し、3月3日を雛祭とするようになったのは、明正天皇御即位の寛永七年(1630)以降と言われています。
座雛は雛祭の隆盛につれて考案創作され、数多くの種類が存在します。そこには時代による特徴が表れており、当時の店や職人独自の特色を出すための工夫がみてとれます。
美術展覧会場では、寛永雛・享保雛・古今雛を中心に展示し、その特徴と見どころをご紹介しています。
寛永雛:最初の座雛。男雛の冠と頭が一体となったつくり
享保雛:町人文化が花開いた江戸中期以降の大型の内裏雛
美術館で最も大きい享保雛。表情もやさしく、美男美女の
次郎座衛門雛:京都の人形師・雛屋次郎座衛門が考案した
古今雛:江戸製の内裏雛で、江戸好みの写実的な顔と衣装
また、本間美術館の内裏雛は、北前船文化がもたらした京都製の京雛であることも見どころの一つです。
人形の多くは、パーツでバラバラにして運ばれ現地で組み立てられますが、北前船で直接京都からくる京雛は、京都の職人が組立てたものがそのままを楽しむことができます。人形からも華やかで雅な都の雰囲気が感じられるのではないでしょうか。
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