開催中の展覧会「書画にみる文人冬青小林勇」より、出品作品をご紹介します。
●数珠玉 1961年 墨・彩色・六曲一隻屏風 138.0×66.0㎝ ×6
数珠に使われたり、お手玉に入れたりする「数珠玉」という丸い実をつける植物を描いています。この数珠玉も小林が好んだモチーフです。
この作品は、向かって右の青々とした葉と艶のある実をつける数珠玉が、画面を左に移るにつれ枯れていく様子を描いています。
時の流れや生命、枯れることは老いなのか、人としての成熟なのか…小林勇が描いた作品だからこそ、様々なことを考えさせられます。
制作年は1961年ですが、屏風として完成したのは小林が亡くなる1981年以降の事です。
この作品を気に入っていた小林は、晩年に屏風にすることを思い立ちます。しかし、その完成を見ることなく小林は永い眠りにつくのでした…。
出品作品中、一番の大作になりますので、ぜひ作品の前でゆっくりとご鑑賞下さい。
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