今年度の特別展、《書画にみる文人冬青小林勇》の開催まであと24日。本展をより楽しんで頂くために、小林勇とその作品について少しずつお話させていただきます。
小林勇と斎藤茂吉
斎藤茂吉は山形県上山市出身の歌人・医師で、歌論・評論・随筆を多く執筆しています。
小林勇は斎藤茂吉とも深く親交がありました。やや神経質で人を寄せつけない茂吉から、初対面で随筆執筆の約束を取り付けるなど、出会いの時から二人はお互いの人間性を認め合っていたようです。
茂吉は幸田露伴を敬愛し、たびたび露伴の住む蝸牛庵を訪ねており、露伴が大病した際には医師として介抱しました。小林勇著『蝸牛庵訪問記』にも茂吉の話が多く登場し、小林が茂吉からたいへん可愛がられていたことが分かります。
小林勇は、若い頃から老大家の懐に飛び込むことができる素質と人間性をもった編集者だったようですね。
※本展では、斎藤茂吉自筆の短歌もご紹介します。
この記事へのコメントはこちら