常世田長翠(1753~1813)は、下総国(千葉県)出身の俳人です。江戸の宗匠加舎白雄の門に入って俳諧を学び、春秋庵二世となります。
寛政12年(1800)東北を遊歴し、享和2年(1802)酒田に移住、本間家の四代目光道の庇護を受けて、100人を超す門人に俳諧や絵画を教えています。その間、東北地方に広く名を馳せ、酒田の俳諧に多大な影響を与えました。
本間美術館の庭園「鶴舞園」(国指定名勝)は、文化10年(1813)本間家の四代目光道のときに造られましたが、光道が長翠を深く師事していたため、作庭家でもあった長翠が携わったと考えられています。
その長翠の句碑が本間美術館の側に立っています。
長翠が酒田に移住する前年の享和元年(1801)に建立され、もとは遊佐町吹浦の周辺に立っていたといわれています。
「苗松の筅葉くろし后の月 緑葉や實生の松ハ鏡哉 長翠」
明日の「館長講座」にお越しの際はぜひご覧ください。
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