展示品のご紹介

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企画展『市中山居の茶 ―感じる、おもてなしの文化―』から、ぜひご覧いただきたい作品をご紹介します。

 

この度特別に個人所有者からご出品していただいた、《千利休筆 消息 古田織部宛》。

 

千利休が伊達政宗の件を書いて、古田織部に宛てた手紙です。

年月未詳ですが、内容から伊達政宗が初めて上洛を果たした天正十九年(一五九一)二月と考えられます。

この日政宗は秀吉の命で初めて上洛、宿所となった妙覚寺に入りました。この手紙は、政宗を京都の白河まで迎えに出ようとした利休が弟子の古田織部に宛てたもので、これから白河へ出て、夜には帰ることを伝えています。

 

この手紙が書かれた前年の六月、小田原へ参陣した政宗は秀吉との謁見の場で利休から直接茶の湯の手解きを受けたいと申し入れましたが、利休の体調がすぐれず実現しませんでした。従って、この日が二人の初めての出会いであったと思われます。

しかし、この二十四日後の二月ニ十八日、利休は秀吉の命で自刃します。利休の門をたたいて茶の湯の奥義を極めたいという政宗の願いは永久に絶たれてしまったのです。

 

 

千利休・古田織部・伊達政宗と、歴史好きならずとも名の知れたビッグネームが登場するこの作品。とても短い文章ですが背景には大きな歴史のうねりが感じられ、一見の価値ありです!

7月1日(火)まで公開しております。

 

 

 

 

 

2014.06.11:homma-m:[コンテンツ]

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