傘副の修復

  • 傘副の修復
酒田の傘福は、静岡県・稲取のつるし飾りや福岡県・柳川の輪飾りとともに、雛人形のお飾りとして全国的にも知られるようになりました。

現在は雛祭に多く目にする傘福ですが、その起源は観音堂を荘厳するための飾りでした。家内安全や無病息災、子孫繁栄など、庶民の切実な願いをこめお寺に奉納されたのです。しかし、その多くは役目を終えると御焚き上げされるため、本当に古い傘福は残っていません。
美術館にある傘福は、戦前・戦後に実際に奉納されたもので、飾りの一本一本に納めた方のお名前が記してあります。飾られた小物には意味があり、つくった方の思いが感じられます。

そんな貴重な傘福も、長い年月の末劣化が進み、展示に耐えうる状態ではなくなってきました。しかし、なんとか現状を維持し後世に伝えるべく、修復は始まりました。
ご協力いただいたのは「酒田傘福の会」の皆さま。酒田市内の傘福の展示や修復をボランティアで行っておられる頼もしい方たちです。

飾りを一つ一つきれいに掃い、ほつれや破れを直していく作業は、繊細で根気のいる作業のようです。






修復された傘福は、展示と保存を両立するため、天井から吊るすのではなく土台をつけ立たせる方法をとっております。修復材料も古布を使い、絹糸で縫い上げるなど、全く違和感なく鮮やかに甦りました!
現在も、二つめ、三つめと修復作業は進行中です。酒田傘福の会の皆さま、本当にありがとうございます。


実際に奉納された傘福は、本館2階で展示しております。
現代の傘福のルーツとなった『傘福』を、ぜひご覧ください。
2012.02.26:homma-m:[コンテンツ]

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