広重美術館では現在、9月展「東海道五十三次~行書東海道~」を開催中です。
行書東海道…?という方もいらっしゃるでしょう。
実は初代広重は、その生涯で20種類以上の東海道シリーズを描いているんです!
かつてお茶漬けにおまけとして入っていたカードでおなじみのシリーズは、広重が最初に手がけた東海道五十三次で、通称『保永堂版東海道』と呼ばれています。
これは現在ももっともよく知られているシリーズですが、江戸時代も大変な人気で、“広重といえば東海道” ということでその後さまざまなシリーズが出されることになりました。
今回展示のシリーズはその中のひとつ。画題(タイトル)が行書体という書体で書かれているところから通称『行書東海道』と呼ばれているものです。
とくに『行書東海道』には旅の風俗がよく描かれていて、名所や旅の風景とともに、たくさんの名物・食べ物が登場します。
鞠子宿のとろろ汁
府中宿の安倍川もち
四日市名物のまんじゅう
こうしてみると、美味しいものが旅の楽しみというのは昔も今も変わりませんね。
作品に描かれた人々の、楽しそうな表情にもぜひ注目して見てください。
日本橋から京都まで、広重の作品と一緒に旅をするような気分で楽しんでいただければ幸いです。
9月展
東海道五十三次~行書東海道~
9月2日(金)~9月26日(月)
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