ネイチャーポジティブ

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ネイチャーポジティブという言葉を聞いたことがあるでしょうか?

 

ポジティブっていう言葉が使われているっていうことは、その反対である

ネガティブな状態なのかな?という想像は働きますね。

 

そう、そのとおりなのです。

 

ネイチャーポジティブとは日本語訳で「自然再興」といい、「自然を回復軌道

に乗せるため、生物多様性の損失を止め、反転させる」ことを指します。

 

今の地球は過去1,000 万年間の平均と比べて10倍~100倍もの速度で生物が

絶滅していくなど、いわゆるマイナスの状態にあります。

この状況から、これまでの自然環境保全の取り組みだけでなく、経済から

社会、政治、技術までの全てにまたがって改善を促していくことで、自然が

豊かになっていくプラスの状態にしていこうというのがネイチャーポジティ

ブの趣旨です。

2022年12月に開催された生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)や、

G7 2030年自然協約などにおいてもその考え方が掲げられるなど、国際的な

認知度も高まっているキーワードです。

 

以上、環境省のHPからの引用です。

 

自然保護すればいいのね?って思われましたか?

 

ここで唐突に二宮金次郎(尊徳)が登場します(笑)。

尊徳先生の教えのひとつに「天道と人道」というものがあります。

 

天道とは、まさに自然の道。

自然はあらゆるものを分け隔てなく生い茂らせ、そして朽ち果てさせます。

この力は絶大で、流れに任せていればそのとおりになっていきます。

 

一方、私達人間は、生態系の中でもある意味弱い存在です。暑さから身を

守るウロコもなく、寒さをしのぐ毛皮をまとっているわけでもありません。

 

天は米も麦も生やしてくれますが、放っておくと、それを覆い尽くす雑草が

はびこって、人間にとっては都合が悪いことになります。

 

つまり人間は、半分は天に従って(自然の力を借りて)生きながらも、

半分は天に逆らって(自然を自分にとって都合の良いように改変して)

生きていかざるを得ない存在です。

 

半分従い半分逆らう、というのが二宮尊徳先生が発見した私達人間の生きる

道なのです。

 

そのバランスが崩れているかどうかは、天が教えてくれます。

クマの問題もその範疇でとらえることもできます。

 

奥山、里山、里、という3つのゾーンを考えた時、真ん中の里山が

バッファーゾーンであることは容易に想像がつきます。

 

都市集中の暮らし、経済中心主義の行き過ぎが、里山を弱いものにし、

クマ問題がクローズアップされているのは報道でも盛んに言われていますね。

 

ネイチャーポジティブという点から見ても、里山がほどよく人に利用される

ことが好ましいのです。

 

人が利用しなくなると、里山は荒れ、笹藪や竹に覆い尽くされます。

そうなるともう元にはなかなか戻りません。森の中は鬱蒼として風も

通らず光も刺さず、生態系も乏しい状態となります。

 

里山を程よく利活用することは、ネイチャーポジティブの観点からも

とても意味のあることであり、壱岐産業が取り組んでいる里山の森の

年間レンタル事業が事業として成り立つことが、ネイチャーポジティブの

ひとつの有効手段となり得るのです。

 

2026年はそんな年になればいいな、と思っています。

 

今年1年、大変お世話になりました。

来たる2026年がいろいろな意味で輝かしい1年になりますよう、心から

祈念して、これまでのたくさんのご厚情に感謝を申し上げ、1年の締めの

ご挨拶とさせていただきます。

 

ありがとうございました! そして来年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

2025.12.28:hamokomi1:[コンテンツ]

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