『んでも、おもしゃいっけ』
天童市 長瀬行明さん
長瀬さんの娘さんから、ご両親の金婚式と
ご自身に男の子が誕生した記念になるものを…とお話をいただいて、
お父さまの長瀬行明さん(当時75歳)の自分史づくりをお手伝いしました。
タイトルの『んでも、おもしゃいっけ』は山形弁で、
「でも、おもしろかった」という意味。
ご夫婦で、手広く果物の仲卸商を営む行明さんと奥さまのヒサヨさんが、
二人三脚で歩んできたこれまでの商売人生を振り返って
「大変なこともいっぱいあったけど、んでも、おもしゃいっけね」と
笑顔でおっしゃった言葉をタイトルにしたものです。
語り手のお話をお聞きして、それをもとに文章をつくる「聞き書き」で、
文章作成から編集・制作まで手がけました。
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ご両親にとっては7人目の孫になる息子さんに
「おじいちゃんの人生の歩み」を伝えたいという娘さんの想いがこめられた
『んでも、おもしゃいっけ』。
行明さんのお父さまが若い頃、農家から八百屋になった話にはじまり、
高校を卒業するとすぐに家業を手伝い、商人としての第一歩を踏み出したこと。
お見合いで一目惚れした奥さまとのスピード結婚、
夫婦で力をあわせ、時代の波を乗り越えて商売を大きくしてきた喜びと苦労、
3人の子どもたちの成長の思い出、孫たちへの想いなど、
行明さんご本人の足跡とあわせて、ご家族の歴史を綴った一冊となりました。
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行明さんは、自分史づくりを進めている間、
昔のことを思い出してご家族に話したり、冊子に載せる写真を探したり、
いきいきとして、とても楽しそうだったと、娘さんが喜んでくださいました。
完成した『んでも、おもしゃいっけ』は、
身内や親しい方、仕事でおつきあいのあった方などにお渡しして、
昔話に花が咲いたとうかがっています。
また、東京に住んでいるお孫さん(中学2年の女の子)が
『んでも、おもしゃいっけ』を読んで、
「おじいちゃん、すごい!
それに、ひいじいちゃんも、おもしろい人だったんだね!」と言ったとか。
このお孫さんは、「ひいじいちゃん」が亡くなってから生まれたので、
もちろん会ったことはありませんが、
『んでも、おもしゃいっけ』を通して、ご家族の絆がつながったようです。
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「宝物の孫たちが成人するまで、まだまだ頑張らんなね」と行明さん。
いまはまだ小さい7人目のお孫さんが大きくなって
『んでも、おもしゃいっけ』を読む日を楽しみにされています♪