組織の活性化は中小企業の人材育成に学べ

 川喜多 喬(法政大学キャリアデザイン学部教授)の「組織の活性化は中小企業の人材育成に学べ」と言う講演を聴きました。

 キャリアデザイン学会を立ち上げた先生の講演であり、興味深く受講させて頂きました。キャリアデザインとは、個人が社会生活の中で経験する仕事、余暇、学習、地域コミュニティなどについて、レベルアップ(キャリア発達)を図るためのスキルアップ、能力開発、支援などを考えることである。

 個人のキャリア開発支援をすることは、組織としての活性化と成長・発展にも大いに通じる。企業にとって個人のキャリア形成に組して得することは、①企業の成長は個人の成長が基本であること、②個人の成長は意欲の再生産を促すこと、③企業への新しい忠誠心の拠りどころとなることにある。

 大企業には元々頭の良い人が多く、中小企業にこそ学ぶべきことが多い。功成り名を挙げた人の話は、「周りの皆さんに励まされて、一生懸命頑張ってきた。」と言う話を聴くことが多い。「皆が学ぶ風土作り」こそ人材育成の基本である。

 身の丈に合わせた人材育成が大切である。人材育成ノウハウは企業秘密であり、他社からは容易に窺い知れないようにすること、即ち人材育成ノウハウをブラックボックス化すべきである。人材育成は将に企業競争力の源泉である。

 人材育成は、長所を誉めることで能力向上することが多い。その点、人事考課面接は、欠点を指摘することが多く、ほとんどの会社でゲームになっている。

 心構えや態度を教える「躾」教育も大切である。礼儀についてもしっかり教えることが大事である。人材育成の要諦は、職場々々で先輩の動きに学ぶことである。
2004.11.26:dai:[学習]

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