カリスマ教師が語る人材開発論

 原田隆史(天理大学 非常勤講師)の「カリスマ教師が語る人材開発論」と言う講演を聴きましたので報告します。

 講師の原田隆史氏は、大阪市内の中学校に勤務、問題のある教育現場を立て直し、大阪では「生活指導の神様」と呼ばれる。松虫中学校では、7年間に13回、陸上日本一を誕生させ全国から注目を浴びる。天理大学において、先生を志す若者の教育に力を注ぎながら、スポーツ選手のメンタルトレーニング指導や、教育現場再生プログラム構築、企業人材育成支援指導の講演活動など活動中。

これからの人材教育の方向性は、生きる力を備える自立型人間にある。生きる力とは、①夢を描き目標に変える。達成のための方法を考え達成しきる。被害者意識がない。②心のコップ(生き方態度)がいつも上を向いている。③「心・技・体・生活」のバランス、健康と安全の獲得と向上である。。

教育からの気付きとして、困ったときは異業種から学び、その世界のトップをまね、歴史から学ぶことにしている。企業経営者からの学びには、「理念先行」「思いが先」「顧客の創造」「見えている目の前でなく、そのものの裏にある真実を見る。」がある。歴史からの学びでは、世界最強の組織としての「新撰組」(パート長制・権限委譲)や海軍のシーマンシップ「独走、おごり、傲慢へのブレーキ」がある。オリンピック金メダリスト、金メダル指導者からの学びとしては、「若者は規則、ルールには従わないがオーラには従い、ムードで変わる」「オーラとは指導者の主体変容(自分が変わる)、率先垂範、ハンズ・オン指導(手を汚す)、本気のすさみ除去(挨拶、靴・椅子の整頓、清掃、目を見る)」「指導者の発信力とは、本気で話す、思いを文字に残す、文字に残して文化を作る」「金メダルは、明確な目標設定と勝利意識・心作りにある」

自立型人間育成指導4大原則として、①教育理念の確立(あるべき姿)②心のコップを上に向ける態度教育(指導者の本気ムード・オーラによる教育)③意味付け教育(本気で話して思いを書いて発信する)④スキル、ノウハウ、マニュアル教育(基礎・基本の精度アップ)がある。

心作り指導としては、①心を使う(目標設定、イメージの原則)②心をきれいにする(清掃、奉仕、エコ活動)③心を強くする(今できることの継続・確認による特例禁止)④心を整理する(過去の失敗の切り捨て、準備による未来の不安解消)⑤心を広くする(利己即利他の原則、感謝の心育成、心を集める)

指導信条は、①仕事と思うな人生と思え②受身は極悪③敵は誰ですか、私です④思いはかなうなどがある。
2006.01.26:dai:[学習]

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