標記の図書(2017年、青柳武彦著)を読んで、読書抄録をまとめたので紹介します。
まえがきでは、当時の米国は不干渉主義が85%もの主流を占めていたにも関わらず、日本はルーズベルト大統領の卑劣な権謀術策の犠牲になって戦争に引き込まれてしまった。
日米関係について、フライング・タイガーズ航空隊による東京・大阪を空爆する作戦(1941年9月)をルーズベルトが承認していた。ハルノートは米国の議会にも国民にも知らせずに発出されたので、日本の真珠湾攻撃がその結果であることは、米国の議会も国民も全く知らなかった。日本の軍人が大東亜戦争を必死で戦ったおかげで、日本は壊滅せずに済んだし、アジア諸国が独立を果たすことができた。トルーマン大統領はソ連参戦より先に米国が原爆投下をして、その効果によって日本を降伏せしめたかった。GHQが行った言論統制や押し付け憲法の制定は、ポツダム宣言にも降伏文書にも違反するものだった。広島の原爆死没者慰霊碑碑文「安らかに眠って下さい。過ちは繰返しませぬから」と刻んである。インドのパール判事は「過ちとは誰の行為を指しているのか。原爆を落としたのは日本人ではない。早急に取り壊しを望む。」と語った。そして、ソ連に終戦の仲介を頼むとは、日本政府と参謀本部は驚くべき世界情勢音痴だった。
親ソ派の日本軍統制派について、ソ連軍の侵攻は近日中に必至であると関東軍参謀本部に意見具申した。その情報は何と握り潰された。握り潰した瀬島隆三参謀は、のちに伊藤忠商事会長へ。ソ連が戦闘を停止したのは9月5日だった。日本の北方領土防衛隊を指揮したのは、樋口季一郎少将だった。日ソ講和条約が結ばれていないのは、日本がポツダム宣言受託後にソ連が北方領土を侵略した暴挙が理由である。ソ連軍の日本人虐待は、特に葛根廟事件の残酷さとすさまじさは無残だった。シベリア抑留問題では、日本社会党の視察団は真相を記した手紙を握りつぶし、とても良い環境だったと虚偽の報告をした。ソ連の宣戦布告8/8、満州に侵攻8/9、南樺太侵攻8/16、千島列島侵攻8/19と火事場泥棒の如し。フーバー大統領の回顧録(2011年)。日米間の戦争を始めたのは日本ではなく米国であり、その元凶はルーズベルトであり、米国が如何にして日本を追い詰めていったか。米国は秘密裏にスターリンと同盟関係を結んだが、その1ヶ月後の1941年7月にルーズベルトは日本に対して全面的な経済制裁を行った。ハルノートは、日本に受諾させるのが目的でなく、交渉を決裂させて日本を開戦に踏み切らせるのが真の目的。近衛文麿首相は必至の戦争回避努力をした。戦争に入りたいという狂人(ルーズベルト)の欲望の反映で、マッカーサーも同感した。欧米諸国は競ってアジアやアフリカ、南米などの有色人種の地域を植民地化して収奪し、住民を殺戮し、奴隷化していった。日本だけが東アジアを侵略したという虚構の批判を浴びている。ルーズベルトは日米開戦の戦闘準備の命令を前線指揮官に発したが、ハワイのキンメル大将には意図的に情報が秘匿された。日米間の歴史認識のギャップを如何に正すか、河野談話のキャンセル、中韓の慰安婦問題、南京事件、靖国神社参拝問題などのトラブルは歴史認識の問題でなく、情報戦争そのものである。
日韓関係について、韓国が現在、中国やロシアの属国にもならず独立を保っていられるのは、日本が日清・日露戦争に勝利したことと、日韓併合によって韓国を保護国として産業を興し経済力をつけさせたことによる。李氏朝鮮は、財政的にも困窮を極めており、清国からの軍事干渉に悩んでいたので、日本に併合による救済の依頼を出してきた。日本は富の収奪を目的とした植民地経営と異なり、文化・社会・教育の近代化を進めた。韓国は戦勝国ではない。臨時政府と称するのは李承晩らが上海の組織したゲリラ組織である。日韓請求権協定は戦前に生じた賠償要求はできないと明記している。年間予算3.5億ドルの所、53億ドルの在韓日本資産と11億ドルの無償経済援助で、漢江の奇跡と呼ばれる経済発展を実現した。慰安婦問題は朝日新聞が捏造。1982年、吉田清治「朝鮮人慰安婦と日本人」を反日自虐的マスコミのNHK、毎日などが報道。女子挺身隊と慰安婦を混同。福島瑞穂弁護士らは日本政府に訴訟を起こせば賠償金が取れると宣伝した。韓国人慰安婦の給料は兵士の20~30倍で応募してきた売春婦だった。戦争と性。通州事件では中国軍が人間としておぞましい残虐な方法で日本人婦女子を犯し殺害し、日本中を憤慨させた。ソ連兵による葛根廟事件では、千数百名の婦女子が残虐な方法で凌辱され、斬首や焼殺された。ベトナムに派遣された韓国軍は、ベトナム女性に対する強姦行為により、5千人とも3万人とも言われるライダイハン(雑種)と呼ばれる私生児が誕生した。GHQも日本に特殊慰安施設協会を設置、5万3千人の女性が働いていた。沖縄では米軍上陸後の強姦された女性が1万人。日本では7年間の占領期間中、2536件の殺人事件と約3万件の強姦事件が発生したが、GHQのプレスコードにより報道禁止された。朝日新聞は、2014年8月5日付の紙面で誤りを認め、吉田証言に基づく記事と植村記者の女子挺身隊と慰安婦を混同した記事を取り消したが、謝罪はなかった。河野談話は、韓国の要請を受入れ、友好第一、穏便処理のもと受入れたが、その後の慰安婦像設置など活動を見ると何ら改善してないことを示している。日韓合意。2015年12月、最終的かつ不可逆的な合意をし、10憶円を拠出。韓国は国民情緒法であり、国民の情緒や意向は、自然法のように、あらゆる成文法に優先する。親日反民族行為者財産の国家帰属に関する特別法は反日法。財産を得た時点でたとえ合法的でも、親日行為を行った場合は、その財産を任意の子孫から没収すると言うものである。親日反民族行為者財産調査委員会。約100億円相当の土地が国家に帰属。新日鉄住金、三菱重工と戦時中の徴用工問題。日韓請求権協定には、いかなる主張も出来ないと明記。韓国側は、個別の補償はこちらでやるから、日本政府は一括して補償金額を韓国政府に渡して欲しいと要求。韓国の裁判では敗訴した。日韓議員連盟の存在が、強硬な姿勢を取れない要因である。現在の韓国のように理屈抜きに執拗な反日国家である場合、無理に仲良くする必要はない。日本の安全保障のためには、遠くの強国と密接な同盟関係を保ち、近隣国とは均衡を保つことが必要。国連の国際司法裁判所で争うべきで、反日教育の影響と思われる。国連に巨額の費用を負担しているのに、日本は国連憲章の敵国条項の適用対象国であり、今の国連は役に立たない。
日中関係については、日本は侵略していない。明治維新後の日本は自衛のために、朝鮮半島に支配力を強める清国と、南下して勢力を伸ばしつつあったロシアの動きを阻止するための対抗処置を取らざるを得なかった。侵略してない4つの理由。①当時のシナや満州は、国際法の適用もできないほど混沌とした無政府状態。②世界を同時に共産主義革命を起こそうとしたコミンテルンが主導する南下侵略を食い止める。③欧米列強の植民地経営による経済的収奪を行っていない。満州権益は日露戦争と第1次世界大戦の結果、獲得したもの。④自国民を守るための出兵は侵略と言えない。中国共産党は、英国の侵略に対し非難しない。非難しても何も良いことはない。英国も謝罪しない。邦人の安全と生命を保護のための出兵。済南事件では、中国人兵士の略奪・暴行・凌辱・殺人事件が起きた。張作霖爆殺事件1928。朝鮮人参やアヘンの密売で利益を得ていた。従来は河本大作関東軍参謀が行ったとされるが、最近の研究ではソ連赤軍特務機関のナウム・エイチンゴンが計画したものとされる。習近平がシナ大陸への侵略と非難するが、毛沢東は日本に感謝した。柳条湖事件1931。関東軍が南満州鉄道の爆破をしたとされるが、コミンテルンの策謀の疑いある。リットン調査団の報告と国際連盟脱退。リットン報告書の誤認。①南満州鉄道沿線について日本の権益を認めたが、現実を無視し日本軍に満州からの撤退を勧告。②中国は満州を中国の領土と説明し、調査団はこの説明を鵜呑み。満州は万里の長城の北にあり、漢民族と異なる。満州事変1931。柳条湖事件を発端に関東軍による満洲全土を占領。盧溝橋事件は日中間の戦争として、中国共産党の画策によって引き起こされた。国民党軍は共産党軍を西安地域まで追い詰めていたが、張学良が国民党を裏切り蒋介石を拘束・監禁し(西安事件)、国共合作で合意した。共産党の工作員が夜陰に乗じて、盧溝橋付近に駐屯していた日本軍と国民党軍の双方に発砲した。後日、中国共産党が自ら認めた。日中戦争は確実に中国共産党の謀略によって引き起こされた。共産党軍は、直接に日本軍と戦闘を行わず、国民党軍に戦わせ体力を温存した。毛沢東は、中華人民共和国が建国できたのは日本が国民党軍と戦ってくれたお蔭と感謝した。通州事件は、北京市通州区で日本人223名が強姦され残虐的・猟奇的に虐殺された。毛沢東は国民党軍の機密軍事情報を日本へ提供し、巨額の情報提供料を得た。抗日戦争勝利70周年2015年のウソであり、1949年10月建国。米国は、日本を大東亜戦争に引き込んで敗戦に追い込んでしまったことにより、シナ大陸を共産主義勢力に奪われてしまう大失敗を犯した。
大東亜戦争は共産勢力に対する日本の自衛戦争であった。WGIPには、自虐史観として日本人の心の底深くに根付いて、自律的に拡大再生産を続け現代に至っている。国連は敵国条項があり守ってくれない。脱退して太平洋諸国を糾合したNATOの大平洋版を構築すべきである。
歴史資料が次々と明らかになってきている現在、これまでのイメージと異なる事実に基づいた歴史認識を持つことの重要性を感じた。