メモ
文/アリス・ダルグリーシュ 絵/アニタ・ローベル 訳/星川奈津代
童話館出版
“むかし むかし、あるところに、ちいさな木ぼりのおひゃくしょうさんと ちいさな木ぼりのおかみさんが、ちいさな木の家に すんでいました。きれいなあかいやねのすてきな家で、りょうがわには みどりの木が うえてありました。”
「いっしょにくらす どうぶつさえ いてくれたら、ここはせかいでいちばん たのしいのうじょうに なるだろうに」
…そんな想いから、毎日会う木のふねの船長さんに、お願いすることにして…
この絵本を手に取った第一印象は、イラストがやさしいこと。柔らかいとも言うべきかな…
ページの真ん中にお話のイラスト、そしてそれを取り囲むように描かれた花々…まるでレリーフかタペストリーのように左右対称に、それでいてかわいらしく描かれています。
絵を描いたアニタ・ローベルは織物の勉強をしていたのですが、その経験が画風に影響しているようです。
おはなしもおひゃくしょうさんとおかみさんのしあわせな気持ちが伝わってくるようで、あたたかい気持ちになる一冊です。
copyright/coral
絵/安野光雅
すえもりブックス発行
子供がお腹にいるとき、胎教に興味を持って初めて買った絵本です。
それまで絵本は子供が読むものとなんとなく思い込んでいたのですが、この絵本を手にして改めて絵本の良さを実感したのを覚えています。
ページ左側にまど・みちおさんの詩、右側に美智子さま(皇后)の英訳、そして下の方には安野光雅さんのイラストが入っています。
まど・みちおさんは童謡『ぞうさん』の作者で、子供にもわかりやすいやさしい詩が印象的ですが、簡単に表現されたその言葉から広がる景色は、大人にも感慨深いものがあります。
美智子さまの英訳も全く違和感を感じさせません。わかりやすくシンプルです。
安野さんは以前もご紹介した■旅の絵本■の作者ですが、この絵本ではまた違った画風がとっても素敵です。
子供の読み聞かせに、自分のために、穏やかな気持ちでじっくり味わいたい絵本です。