年だからでなく年がいもなく

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先日NHKのテレビで[この人と福祉を語ろう]というタイトルで作家南木佳士との対談が放映された

南木氏は1988年「ダイヤモンドダスト」で芥川賞を受賞し、1995年に映画化された「阿弥陀堂だより」を書いた作家である

芥川賞受賞した後、38歳のときにうつになり自殺を考えたということを語っていた
自分の症状について振り返りながら淡々と語るその内容に引き込まれた

なぜ自分がうつになったのかということについて、作家としての重圧と医者としての過労的診察をあげる
子供を抱えての生活の心配や、仕事ができない苦しみなどを語りながら医者として作家として自分を客観視しながら語り続けていた

うつから脱却できたのは体を動かすようになってからという
テレビでも奥さんと登山する姿を映し出していた
登山の素晴らしさ、下り道で体の力を抜いて見る光景の話など、医者と作家の目を通して語りかける

「阿弥陀堂だより」は心を病んだ女性医師が田舎町に転任して回復して姿を描いている
「阿弥陀堂だより」の小説はうつの底を抜け出して、物書きとして何か書こうと思って書いたのだが、それが文学作品として認められるかが不安であったと語る

自分が子供ころ母親を早くして無くし、おばあちゃん子として育てられた
そのおばあちゃんは何でも受け入れてくれた
それを思い出して、そこから生き直そうと思った

おばあちゃんにお世話になったときの世界を書こうと思って書いたのがあの「阿弥陀堂」であるというのである
そういえば映画にもおばあちゃんが出ていた

「阿弥陀堂だより」は映画で見たが、今の日本人が置き忘れてしまった世界も映し出してくれている映画である

あの小説が、南木さんの壮絶な体験から生まれた作品であると知らされ、なるほどと合点がいった

うつは心の風というがそうとも言い切れないうつの重さ、怖さを感じるときがある
そういううつについて語れる人は多くない
南木氏のように自分のうつについて語れるひとが増えてくることは、うつの患者に勇気を与えてくれることであろう


2009.08.22:choro:count(2,461):[メモ/メンタル]
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