アーキビストのノート

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大変、大変、遅くなってしまいましたが、
3月13日に行われた、2015年度アーカイブズカレッジ修了論文報告会の
ようすをレポートいたします!

今年度も近世の名主文書から、米軍統治期の沖縄、戦後の横浜、
そして科学分野のオーラルヒストリーに至るまで、幅広いジャンルから
ご報告いただけました。
懇親会も盛況となりました。


第1報告:温井まき(お茶の水女子大学人間創成科学研究科比較社会文化学専攻)
    「大伝馬名主馬込家文書の階層構造」

○概要
江戸東京博物館所蔵の馬込家文書を対象とした階層分析を行い、
既存の目録を再検討した。渡辺浩一の論を参考に、機能を内部組織の
ように読み込み、「名主」「家」「金銭貸借」をサブフォンドとし、
さらに下位については、内容別にシリーズ・サブシリーズを建てた。

○フロアより
・太田先生からの質問にもありましたが、改めて見るとフォンドとシリーズの捉え方に
 混同があるように思います。見直してみてください。
・階層構造の「その他」の分類が、シリーズ以下分類をしていないため利用者に
 やさしくないように感じました。


○報告を終え、ご本人より
本日は発表に機会を頂きありがとうございました。
さまざまな方から質問やご意見を頂戴でき、大変勉強になりました。


第2報告:奥津憲聖(一橋大学大学院 社会学研究科 修士課程)
    「横浜市史資料室における田村明資料の管理・公開のあり方について」

○概要
都市プランナー田村明が牽引した、1960年代以降の横浜の都市づくりについて、
その関連資料のうち、横浜市史資料室に寄贈された田村明個人資料の内容と
今後の保存・活用方法を考察した。内容分析はISAD(G)2nd.に基づく編成により
行い、保存・活用方法については市史資料室による活用の現状調査と、自身も関わる
NPO法人「田村明記念・まちづくり研究会」の果たすべき役割について提言を行った。


○フロアより
・横浜市史料室の運用に疑問を感じました。
 原資料をなぜ写真撮影することができないのか。
 HPの閲覧できる個人・機関の資料一覧になぜ田村明資料がふくまれないのか。
 アーカイブズとしてこの2点の運用は疑問です。
 横浜市史資料が所蔵しているからと言って、横浜市民のみを対象としているわけでは
 ないはずです。NPOの活動として田村明資料を普及させることは十分に
 可能ですので、市史資料室との関係を構築して上手く進めてください。

○報告を終え、ご本人より
本日は、こうした場で発表の機会をいただきありがとうございました。
会場の方や先生方からコメントをいただいたおかげで修了論文をどのように
書き直せばよいか、方向性が見えてきました。


第3報告:金子彩里香(東京外国語大学大学院総合国際学研究科博士後期課程)
    「米軍占領地域における民政文書管理制度」

○概要
米軍統治期の沖縄における、琉球列島米国民政府(USCAR)による民事活動の記録管理
について、仲本和彦の米国側資料の紹介や、NARAのArmy Recordsをもとに分析した。
USCARは上位の陸軍規定に基づき文書管理をすべきところ、実際は独自の管理方法を
採っていた。

○フロアより
・本日はありがとうございました。力作ぞろいで大変勉強になりました。
 特に沖縄が興味深かったです。


第4報告:遠藤満子(大学共同利用機関法人 自然科学研究機構 核融合科学研究所 核融合アーカイブ室)
    「核融合アーカイブ室におけるオーラルヒストリーの収集手法」

○概要
核融合科学研究所のアーカイブ室では、委員会議事録や報告書、法人文書だけでなく、
オーラルヒストリーも収集することで、日本の核融合研究の蓄積を記録化しているが、
それを有効なものとしていくための方策を、科学分野におけるオーラルヒストリーの
方法論を参照しつつ、考察した。

○フロアより
・オーラルヒストリーが文書の不在をどの程度補い得るか疑問に感じた。


全体をとおして
・大変勉強になりました。また参加させていただこうと思います。
・大分出張を断って来ました!!
・多岐にわたるテーマの報告があり、大変勉強になりました。
 このような機会を通して、アーカイブズ学の議論がさらに豊かになっていけばよいな
 と思いました。運営にかかわられた皆様のご努力に敬意を表します。
・それぞれ異なる立場から、編成記述、オーラルヒストリー、文書管理などの
 アーカイブズへのアプローチをされており、是まで自分では得られなかった視点も
 得られ、非常に興味深かったです。
・様々な分野でアーカイブズが展開されていて、とても面白かったです。
 より実践的に触れられたかなと思います。
・他の執筆者の努力や工夫等が聞けて今後の研究の参考になった。
 遠方から来た甲斐がありました。
・太田先生がお話しされた様に、アーカイブズを設置する分野が多岐に
 渡ってきていること、それにより学際的情報交換が出来るようになってきて
 いるのが、頼もしく感じます。
・多様なテーマの報告を聴くことができ、大変勉強になりました。
・力の入った研究内容、とても勉強になりました。参加できて良かったです。
・初めて参加しました。修了生がこれからも主体的に資料保存に関わろうとする
 出発点だと思うので、今後も報告会を継続していただければと思います。

2016.08.29:archives:count(810):[メモ/コンテンツ]
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