老兵の半生(友達)
ある休日、弟弟子の千ちゃんが、見知らぬ男の子を連れて きました。「善治ですよろしく」「良夫ですよろしく」 二人とも私と年齢は同じか一つ上くらいでした。 善ちゃんは、角刈りの頭で背は、170くらいですが 逆三角形のがっしりした体格でした。良ちゃんは同じ位の 背丈ですが、なで肩の優男でした。 善ちゃんは、彫金見習い、良ちゃんは大工見習い いずれも地方より、上京していました。 「今日は雷門に遊びに行こう」善ちゃんがそういうと みんな「いこう」「いこう」初めての出会いなのに みんなすっかり意気投合です。 当時都電がどこまで乗っても片道13円で、往復買うと25円 でした。タクシーが小型で一区間が、60円 善ちゃんが「タクシーで行こう、60円でいけるところで 降りそこから歩いてすぐだから。」 「都電より2円高いが、一人15円だから、そんなに違わない」 そう言うと彼は、さっと右手を上げ、黄色いルノータクシー をとめました。その時から彼はもう我々のリーダーでした。 その後仕事を終われば、銭湯に行くのも何をするにも 4人の仲間は、一緒でした。 色々な交友関係を、重ねていくうちに、様々な情報の中で 自分の将来を見たような気がして、とても憂鬱になってきた のも、事実でした。 ・・つづく・・
2008.10.14