有限会社 しんせい
ログイン
第三十五話「三十年目の出発�◆�
先日、仲良くしている石材店からの依頼で、『神道』の墓石・外柵のセットを二ヶ月の間に、続けて二組、設計・製作しました。
これまで神道系のお墓のデザインをする事は、数年に一基有れば良い方でしたので「珍しいな」と思っていると。「あれ、ヨネちゃん知らなかった?このところ仏教から、神道に宗旨替えする人が増えているんだよ。とくに震災後、『神道』になった人が多いみたいだよ。」との事。「へえ、宗旨替え、何故なんだろ?」と訊いてみると「震災後の今だからじゃないのかな?」と、曖昧な返事。
しばらく色々と二人で原因を話してみましたが、結局二人ともハッキリとした答えは出せませんでした。多少解ったのは、神道はお葬式に関わる経費が、仏教と比べると安いと言う事と、日頃のお寺とのお付き合い(お寺に対する寄付)が面倒になった等の、何となくお金に関わる理由が、主に有るのかもしれないという、これまた曖昧な結論です。何にしても、多くの人が亡くなったこの時期に「新しく生きよう」と思う人が出てきた事は、確かのようです。
そう言えば、出来上がった墓石製品を納品した数日後、施工のお手伝いがてら、神徒さん専用の墓地を見学に行きました。驚いたことに、震災から数カ月しか経っていないのに、想像以上の墓石が、そこに並んでいました。
「へえ、もうこんなに・・・」と思いました。通常の工期では、まず出来上がらない本数の墓石が建っているのです。感心しながらなにげなく見ていると、なにか変なのです。何かバランスが悪い様な、お墓としての落ち着きが無い様な・・・。
石屋の仕事も地域性や、職人ごとの仕事の違いで、全く同じお墓は出来上がりません。細かな部分で、その職人さんの個性が出るのです。特に棹字の文字彫刻に、その個性が表れます。また、お墓の前に置いてある香炉や花立てのデザインでも、どこの石屋さんの仕事かが判ります。関西や関東と言う地域の違いで、使用する石種が違ったり、お墓の形が違ったりもします。しかし、この違和感はそう言った類の物ではありません。
地域性や職人の違いが有っても、石を加工したり施工したりする上での、基本的な石屋としての「決まり事」は有るのです。でも、その墓地の墓石は、その基本的な物を全く無視したように感じるのです。
「それは具体的に何?」と言われると困るのですが、一つの例として、お墓に使う石材は『細目』とか『中目』と言って、表面の柄が粗く見えないものを使います。建築関係に使用する石材は使用する面積が広いので、どちらかというと目の粗い石種を好みます。施工に関しても、どの様に石を使うか、組み合わせるかで、お墓の強度が変わります。それと、古くからある『黄金比』『白銀比』なる縦横のバランスも重要な要素になります。
エジプトのピラミッド、ギリシャのパルテノン、ミロのビーナスは『黄金比』。神社の鳥居、興福寺の阿修羅像は『白銀比』です。まあ、そこまで専門的でなくとも、何となく見た目に優しいバランスが有るのです。
プロのカラーコーディネイターによると、周りを濃い色にして、中心部に淡い色を配色すると全体が引き締まって、高級に見えるそうですが、墓石の場合は外柵(お墓の囲い)には淡い色を使い、中央の墓石本体には、濃い色の石材を使用したほうが高級に見えます。それは「濃い色の石材の方が高級である」と昔から言われている固定観念(事実そうなんですが)が、私に在るからかも知れません。しかし、現在の様な形式の墓石が建つようになってから随分経ちますが、その昔からそうした石材の使い方がされているのですから、間違いではないと思います。
それらの石屋の「決まり事」を全く無視したお墓が、このところ増えています。『免震施工・耐震墓石』と言うステッカーが貼り付けてありながら、完全に倒壊した墓石は、そうした昔ながらの『石屋の論理』を無視したお墓に、多く見受けられました。
どのような職業でも、その職種に合った雰囲気があります。特に、長くその仕事をしていると、そうした体臭の様なものが、からだ全体を包むように思います。しかし震災後、色々な墓地でお墓の修理をしていると、「うん!あれは石屋か?」と言った作業をしている職人を、見るように成りました。誰しも始めは素人ですから仕方がありませんが、一・二年石屋に務めただけで「はい、私は石屋です。」と独立開業したり、「石屋って儲かりそうだからやってみるか」と、まるで違う業種の会社が、石屋の看板を上げたり。
でも『お墓』ってそう言った心構えで商売しても良い物なのでしょうか?
「なに言ってんの。儲かりゃ何しても良いし、幾らこだわっても、金に成ら無きゃ駄目さ。」と、何処からか聞こえてきそうですが、一人くらい『こだわった、石屋』が居ても良いと私は考えています。私以外にも、そうした真摯な姿勢で石に組んでいる石屋さんが結構居ますので、貴方の周りを良く探してみてください。口だけの「石売り」で無い、本当に良い職人に出会えると思います。
2011.11.15:
yoneda
:count(291):[
メモ
/
仙台発・大人の情報誌「りらく」
]
copyright
yoneda
powered by
samidare
▼コメントはこちら
名前
件名
本文
URL
画像
編集/削除用パスワード
※半角英数字4文字で自由に入力下さい。
手動入力確認イメージ
※イメージ内の文字を小文字の半角英字で入力して下さい。
※ 投稿後、すぐに反映されます。
ごあいさつ
過去の事例集
お墓ができるまで
ピクチャタイル
コラム・Q&A
仙台発・大人の情報誌「りらく」
マイベストプロ/有限会社しんせい
米田 公男facebook
ケータイサイト
業務内容
お問い合わせ
ALL
メモ
メール
アンケート
カレンダー
ブックマーク
マップ
キーワード
スペシャル
プロジェクト
ログイン
All Rights Reserved by SINSEI
powered by
samidare
ケータイサイト
お問い合わせ
業務内容
Powered by
Communications noteβ