獅子宿

獅子彫り四方山話
新しいチェーンソーの歯はスパスパ切れて見てても気持がいいね!これから寒くなる季節は割れにくく乾燥も緩やかだからいいね。でももうすぐ雪が降ってきますよ。朝、西山の頂上に白いモノ発見しました。あの白いモノは何だろう?桜かツツジが地震でトチ狂って咲きだしたのかな?まさかあれは毎年冬になると空から落ちてくる冷たいものなのでしょうか!えーっ!

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先代のお獅子がすごく重くて大変で、やはり軽量化を依頼されました。そもそも10�繕瓩�あったでしょうか。このぐらい重いと獅子舞をするにも命がけですね。一昨年こちらのお祭りに招待され見に行った時、最後の見渡しをするようなところで獅子が突然ぶっ倒れたかのように崩れたのを覚えています。重さに耐え切れなかったのでしょうか。獅子の振り手が限界だったようです。日頃重たい物なんて頭より上に乗せたり、持つ事だってしない現代人ですから腕力も無くなったんでしょうね。見物人も「あーーぁ」なんていってがっかりして帰っていきました。
ということでこの獅子は絶対軽量化しなくてはね。でも、よーく考えるとこの獅子の重さは伊達に重くしているのではなく、ちゃんと「通過儀礼」のための試練として重くしているのではないだろうか。わざと重い獅子を振らせる事によって獅子舞を苦行と考え、村を回って厄払いをする。若者がそれを無事立派に成し遂げる事によって初めて一人前として認められたと考えればその重さも納得するすると思いませんか。それとも逆に若者があんまり暴れるから獅子を重くして抑制しているのかもしれませんね。今日は顎と耳を別に、頭だけ一キロも減らして4.6キロに減量しました。まだ重いかなー。顎が一枚板みたいになっていて、長井の獅子の顎のように腕を入れ込む空間がないのです。獅子が重いので右手を獅子頭についている取っ手を持ち、左手で顎を支えるように持って肩に顎の端を乗せるらしいんです。振り方によって頭に乗っける場合もあるらしいとか。重い獅子もこうすれば舞う事ができるんですね。長井の獅子もこういう振り方を応用できますね。天井が低い拝殿の中とかね。はかりにぶら下げられたお獅子はでっかいマグロの頭みたいですね。マグロの獅子頭なんてのも面白いかもねぇ。
耳がついて下あごもあわせてみました。耳も目も眉毛も鼻もぜーーんぶ大きい造作ですね。柳で制作してますがだんだん硬くなってきてます。チェーンソーが跳ね返ってきます。新しい獅子は古い獅子より軽量化しなくてはいけないのですが、難しいですね!形をそのままに再現して見えないところを薄くする訳です。眉毛の中は彫れないし鼻もいっぱい詰まっているし、ほっぺもパンパンなんですよ。・・・・
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すごい顔で驚きですか?鼻の穴からなんか出てきそう。ちょっと人間的なお顔で親しみが湧いてくる表情。よく見てください。血管が浮き出て
きてます。素材は柳。なるべく軽くという依頼ですがなかなか軽量化しにくい形で、デザインを忠実に再現すれば重くなってしまうんです。例えば眉毛。中を空洞化したりは名の穴を彫り込んだりすればだいぶ違います。今、八キロあったかな。見えませんが耳も厚く軸や取っ手も金属で重くなっています。
一本の柳から獅子が何頭生まれるでしょうか。丸太を長さ60cmに切り落とし、これから縦に割っていきます。今ならコロコロ転がして移動できて便利なんですが、一旦輪ってしまうと重くて移動が大変です。置き場所の確保も・・・。早めに割って荒彫りをして乾燥して割れ目が入るのを防ぎます。柳は生の時はチェーンソーでサクサク切れますが乾くと硬くなるんです。滅多に出ないのですが、卵の黄身のような芯の部分が無い柳があって今回もそれかなと!期待しましたが切ってみますと赤身が現れてしまいました。さて、この卵からどんな獅子が生まれるか楽しみです。
明るすぎて見えにくくてすみません。ここの神社のお獅子はお神酒をいただく時、舌にお神酒を注ぐのです。丁度その舌に谷があって獅子振りが口を持ってきて、お獅子と一緒にあーーーーんってするんです。警護から、「お神酒は一滴もこぼしてはいかん!」と怒られるし、かといって長ーい道中飲みすぎると「ラリラッタイ」になるしナカナカ大変らしいですよ。お隣の草岡のお獅子も先代の獅子がそういう舌の形だったのですが、お神酒を飲みやすくするため薄く作り、そこから破損して修理が大変だったんです。以前は恐らく五所と同じ様に、お神酒を振り手が直接飲むというやりかたのナゴリなんでしょうね。新しいお獅子は総宮の一番古いお獅子にあるような補強構造を採用し強化しています。総宮のお獅子にも補強が無く直接お神酒を注ぐことのできるような獅子の舌もあります。
 さて今回、獅子の軸を一本増やしてみました。写真の一番上の奴です。「以前からこの棒の目的はいったいなんなんだろう?」と考えておりまして、やはり総宮のお獅子も二本と三本あるものがあります。ある時、写真で言いますと上から一本目と二本目の軸を握ってもってみますと口を開けた時に持ちやすい事に気がついたんです。二本しかない獅子は握った時に手首を曲げて口を開けるため、なかなかきついのです。警護掛かりの時に上から二番三番目の軸を持てば手首も自然な角度ですごく楽なんです。これはあくまでも推測です。補強の為でもあるでしょうしね。いやぁぁぁー祖先たちは獅子舞の為にいろいろ工夫をしたんですねぇ。昔はもっともっと凝り性の彫師が存在したのですね。