蚊帳のれん
お店も5日の日曜から年始の休みも明けて通常営業に戻った。 除雪機の稼働も休業中に一度動かしただけで、出番が無く今の所は小雪の新年である。 大雪の年の除雪の苦労が頭をよぎるが、このままでは終わるまいと毎朝庭の積雪量を 注視している。 休みの間、店内の栃の無垢板テーブルの脚を改良した。 今までは上下重ねた置賜タンスを上を横に並べて脚にして栃のテーブルを乗せただけの 構造だったが、椅子を使う様に脚を作って高く改良した。移動の際タンスの引き出しを 引き抜き、本体を軽くしてずらす時探していた物が見つかった。店中探しても見つから なかった物が、ひょっこり顔を出したのだ。獅子頭展告示用の布のタペストリーである。 厚みが7cmある天板が自分の体重ほど重く、それを少し浮かした状態で脚を取り付けな くてはならない制約があり、工房で加工し行ったり来たりしながら仕上げた。 五人がけの設定だったが、お膳を置く位置の事情もあり4人がけに変更したが、後日6人 がけに改良したい。このテーブルは一枚の分厚い板を切って二つに開いた様に作った板で 四角い手あぶり火鉢が天板に組み合わせてある。この火鉢の部分に板を埋め込むと、もう 1人座れる。その反対側は「くの字」型に入り組んでいるのでお膳が置きにくい状態なのだ。 アレコレ考えていると、別な所に妄想が伝染していき、テーブルとテーブル間の遮蔽物を 思いついた。以前オークションで、獅子頭の補強用に仕入れておいた蚊帳の古い生地が出 番を待っていた事を思い出した。黒緑ぽい藍色で幅35cm長さ180cm程のスケスケの麻の 平織りである。ところどころ穴があり、繕いがされ味わいが溢れている。獅子宿のワビサ ビある風情にはピッタリである。 隣の居間にも設置するつもりなので、宜ければ仕上げをご確認ください。
2025.01.07