東根の六田神楽来訪
5月18日の獅子宿休業日、突然電話連絡があり六田神楽を伝承する御仁が獅子宿に訪れた。 と言っても六田神楽の中心となる「グループ 風に揺らぐ紅花 六田宿」の信田氏と友人の 須藤氏である。定休日を忘れ、獅子頭と資料を持参し食事に訪れたのだ。須藤氏は彫物を行 い、六田神楽の獅子頭をモデルに獅子の制作し、今年春に東根の空港ギャラリーで彫刻の作 品展を開催している。 六田獅子神楽を継承した信田氏 六田神楽は約260年前に東根市内の蟹沢の大野家で神楽を始め、村山各地を中心に 回壇していたがその後、大野家4代目の故 栄三郎氏が蟹沢から六田に移り住み「六田神楽」 と改名した。正月にはお囃子と共に獅子神楽が各戸を訪れて家内安全などを祈った。 明治41年(1969年)頃、大野家が岩手県に転居した事をきっかけに六田神楽が途絶えた。 その後、岩手から大野氏の指導で地元の有志が途絶えてから40年ぶりに奥山喜三郎氏が神楽 を復活させた。 正月の獅子神楽 信田氏 獅子頭も大野氏から譲り受けたもので、詳細は不明だが年紀の入った獅子頭である。作風の 印象は明治大正期の上山の仏師高橋岩太氏の作にも見える。信田氏が獅子を被って神楽の動き を再現してくれた。現在は会員が高齢化し獅子神楽を披露する機会も少なくなったという。 昭和期で途絶えた村山地区を網羅した㊀えたか神楽だが、その伝統芸能を継承する太夫制度も 村山や置賜地方では消滅しようとしている。最上や庄内ではどうだろう。
2023.05.30