獅子宿燻亭10

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  • 熊野神社獅子頭の金箔仕上がり

    熊野神社の獅子頭の金箔が仕上がった。 すぐに保護剤を塗布し、まだ傷つきやすい金箔部をカバーした。 とは言っても、ちょっとした擦れや圧迫で傷が付き易いので腫れ物扱いである。 本来、更に箔置きしてから1週間は放置すべきところだが、タテガミの取り付けの準備に入る。 タテガミの在庫が足りず発注したが、こちらもまだ時間がかかるようだ。 總宮神社の元治元年の獅子頭モデルの七作の獅子頭の中でも、バランスの取れた獅子に仕上がった。 タテガミを付けると、また表情が違ってくるだろう。
    2025.06.27
  • 熊野神社の獅子頭の塗り上がり

    某所の熊野神社の獅子頭の塗りが上がってきた。 この獅子頭は長井市横町の総宮神社所蔵の元治元年の獅子をモデルに寺泉産の柳で 一気に8頭制作した中の一頭。木地が軽く完成時3.2kgに仕上がりFRP補強を加えて 最終的には3.8kgという軽い木地が完成した。意外にも漆の段階で1.1kg増えて現在は 4.9kgだった。金箔の重さは殆どないのでタテガミを200gとしても最終的に5.1kgの 重さになると予想している。現在の獅子頭は太田康雄氏の作の獅子頭でかなり重いと 聞くので、7.5kg以上かもしれない。 これから箔置きの工程に入る前に、マスキングテープで金箔の境界をかたちどる。 今回は微妙な眉と目のライン部分だけを行い、その他はお任せとなる。 いつもながら塗りたての獅子頭は漆の芳香がして好ましい。 その香りは1週間ぐらいすると消えるのだが、部屋の中が殺菌され清まるような感じが する。あえて例えるならばオリーブ油だろうか? 昨日、神社の総代の交代のご挨拶で新旧のお二人がおいでになるというので獅子頭 を目の前でご覧いただいたが、その漆の芳香は感じ無いといわれたので不思議だ。 さて、箔置きの工程が終わると金箔に保護剤を塗布し、タテガミの植え付けに入る。 新しい獅子頭の誕生は数多く経験してきたが、何時もながらワクワクが止まらない。 今回の獅子は特に左右非対称に作られ、違う角度から観ると違う表情が楽しめる マスキングのラインで金箔の仕上がりを推測しても楽しめる 更にタテガミが付くとどう変化するか・・想像が無限に膨らむ
    2025.06.14
  • ゴムわらじ現る!

    昨今、獅子舞の際に履く伝統的な「わらじ」の製作者消失と材料の藁の供給が困難になり 白い地下足袋(タカジョウ)などの代用品に変更する団体も見られるようになった。 獅子舞において伝統的な藁のわらじを履いて甲掛を付けた足は、昔から獅子舞で見慣れてい るが、このままでいくと将来、代用品に変わる傾向にある。 一回の獅子舞でわらじは一人二足ほど消費する。 すり足が特徴の獅子舞の団体ではそれ以上だろう。更に雨が降ると草鞋の消耗が激しくなる。 草鞋の製作者の作り方によっては足を痛める事が多く白いテーピングを巻いて痛々しい足元 も見かけるが、見栄えは何とも言えない。しかし背に腹は変えられぬと言ったところだろう。 わらじを履いて白足袋というスタイルも足のダメージを和らげるが、コストの問題があるだろ う。 以前、小学校の獅子舞用にビーチサンダルの鼻緒を外し、わらじの紐通しを取り付けて製作した 「ビーサンわらじ」を開発した事があり今年の黒獅子まつりでの参加でも使用した。小さな足の サイズには最適だった。獅子舞に耐えれる強度を期待できないが、笛太鼓用には良さそうである。 また、室内での獅子舞には藁の破片の飛散がなく最適だろう。 ネットで岩手県の鹿踊り用に開発された「ゴムわらじ=ゴムジ」を発見したが、入手するまでは 行かず廃版となったが、最近新しく販売されているという情報からサンプルを入手してみた。 ネットで「ゴムわらじ」と検索すると出てくる。 株式会社「小彌太」さんの商品である。表側は登山靴の底に使用する凸凹のあるビブラムソール 地面側の裏側はラバーソール、紐を通すチチには丈夫な牛革を使っている。紐は個人で選択する 設定で付いていない。紐は藁の紐を使っても良いし、柔らかいポリエステルの紐を選んでも良い だろう。履いてみるとカカトの形に合わせ湾曲しており密着感が良く、紐を通すソールとチチが 皮膚に接して紐をしめても違和感は無い。外に出てアスファルトを歩いてみるて、獅子舞の動き で確認してみると捻りや、擦れの動きにも密着し良好だった。 実際に獅子舞で使ってみないと、なんともいえないが機会を見つけて耐久性やフィット感の臨床 試験をしてみたい。金額は9,000円程で高価だが、大事に履けば10年は保つだろう。 10年保てば一年1,000円のコストとなり、わらじの代用品とすれば最適では無いだろうか。 しかし、獅子舞文化とわらじ文化も同様に切っても切れない保護保存すべき文化で、自分が獅子舞 で使用する「わらじ」は自分で作る取り組みも行っている獅子舞保存会もある。 わらじ問題は今後も獅子舞文化の大きな課題となるだろう。「わらじ製作者育成」や「わらじ銀行」 「わらじ作りの機械化」などアイディアを出して良策を探さなくてはならない。
    2025.06.12
  • 白鷹町萩野の獅子制作2006

    平成18年(2006年)納品した萩野の獅子頭の木地の話である。 写真CDに収録していたものを久しぶりに開いてみると、すっかり忘れていた制作風景が蘇ってくる。 写真を見ると西高玉産の丸太を使用していたので西高玉稲荷神社と兄弟獅子となる。 西高玉産の柳 長さ60cm以上の材 やっと人力移動可能の重量 チェーソーで丸太を芯から切ると大きな枝の芯が二箇所に現れた。 死に節で無いので制作を進めたが、額の位置は兎も角、節が右眼に掛かっているので不安になるが、 漆の工程で麻布を着せてもらう事にして制作を進めた。 萩野の獅子頭については獅子宿燻亭9 「萩野のオシシ修理入院」をご覧下さい https://samidare.jp/shishi9/note?p=log&lid=531334 平成18年6月11日 萩野ふれあい館にて 「萩野獅子御霊遷(みたまうつし)祈願祭 並びにお披露目の宴」の資料によると獅子頭の新調は 平成15年8月に依頼し平成18年4月に納品されたとあり意外にも工期は約3年かかったことになる。
    2025.06.10
  • 黒獅子風呂の原型制作 2001

    長井市の宿泊温泉はぎ苑さんには名物施設の黒獅子岩風呂がある。 平成13年(2001年)の正月過ぎだったろうか・・・ 当時、増設中のはぎ苑に「黒獅子」を形どった岩風呂を建設する計画があり、そのデザイン と10分の一スケール模型制作の依頼をいただいた。 湯船を獅子幕にし獅子頭の口からお湯が湧き出てくるイメージである。 そのイメージした模型をもとに、中国で地下30mの岩盤から黒い御影石を掘り出し彫刻する のだという。 それを船で運びオープンの5月に設置するという凄い計画だった。 石膏で制作した原型 黒獅子岩風呂の正確な寸法は覚えていないが、模型は長さ90cm幅60cm前後はあったはず である。その10倍もの何10トンの巨大な岩塊を地下から掘り上げ彫刻し運び、建物の内部に 設置するという無謀とも思える発想に驚いた。本当に硬い黒御影石を人力、機械力を駆使して 加工し、短い工期に間に合わせるという中国の信じがたい機動力にも背筋が寒くなる思いだっ た。しかも岩風呂は男女風呂二基だという・・・ちなみに卯の花姫のデザイン原型には関与し 無かった。もう一基の制作時間が無かったような気がする。 模型は陶芸用の粘土で形どり、石膏で雌型を取り、石膏を流し込み成形し乾燥させ塗装して 完成させた。それを中国に送ると予定通り3ヶ月後、岩風呂が運ばれてくるという情報が入り 現場に行ってみると巨大なトレーナーから巨大なフォークリフトとクレーンで岩風呂を移動中 だった。やがて何十トンもの岩風呂を施設内に無事搬入したのだった。 浴槽内に段差を設けている その後、新しく施設が開設し黒獅子岩風呂と対面する。 制作した原型の獅子や幕の模様とは多少イメージが違って中華風にアレンジされていたが、だい たいの想定内の範囲の誤差だった。 巨大な一枚岩から繰り抜いた岩風呂は日本で制作するとしたら、制作は可能だったろうか? そのコストは? 黒獅子岩風呂にの湯船につかりながら中国での制作風景を想像していた。 もう24年前の話である。
    2025.06.09
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