この獅子頭は長井市横町の総宮神社所蔵の元治元年の獅子をモデルに寺泉産の柳で
一気に8頭制作した中の一頭。木地が軽く完成時3.2kgに仕上がりFRP補強を加えて
最終的には3.8kgという軽い木地が完成した。意外にも漆の段階で1.1kg増えて現在は
4.9kgだった。金箔の重さは殆どないのでタテガミを200gとしても最終的に5.1kgの
重さになると予想している。現在の獅子頭は太田康雄氏の作の獅子頭でかなり重いと
聞くので、7.5kg以上かもしれない。
これから箔置きの工程に入る前に、マスキングテープで金箔の境界をかたちどる。
今回は微妙な眉と目のライン部分だけを行い、その他はお任せとなる。
いつもながら塗りたての獅子頭は漆の芳香がして好ましい。
その香りは1週間ぐらいすると消えるのだが、部屋の中が殺菌され清まるような感じが
する。あえて例えるならばオリーブ油だろうか?
昨日、神社の総代の交代のご挨拶で新旧のお二人がおいでになるというので獅子頭
を目の前でご覧いただいたが、その漆の芳香は感じ無いといわれたので不思議だ。
さて、箔置きの工程が終わると金箔に保護剤を塗布し、タテガミの植え付けに入る。
新しい獅子頭の誕生は数多く経験してきたが、何時もながらワクワクが止まらない。
今回の獅子は特に左右非対称に作られ、違う角度から観ると違う表情が楽しめる
マスキングのラインで金箔の仕上がりを推測しても楽しめる
更にタテガミが付くとどう変化するか・・想像が無限に膨らむ
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