白い地下足袋(タカジョウ)などの代用品に変更する団体も見られるようになった。
獅子舞において伝統的な藁のわらじを履いて甲掛を付けた足は、昔から獅子舞で見慣れてい
るが、このままでいくと将来、代用品に変わる傾向にある。
一回の獅子舞でわらじは一人二足ほど消費する。
すり足が特徴の獅子舞の団体ではそれ以上だろう。更に雨が降ると草鞋の消耗が激しくなる。
草鞋の製作者の作り方によっては足を痛める事が多く白いテーピングを巻いて痛々しい足元
も見かけるが、見栄えは何とも言えない。しかし背に腹は変えられぬと言ったところだろう。
わらじを履いて白足袋というスタイルも足のダメージを和らげるが、コストの問題があるだろ
う。
以前、小学校の獅子舞用にビーチサンダルの鼻緒を外し、わらじの紐通しを取り付けて製作した
「ビーサンわらじ」を開発した事があり今年の黒獅子まつりでの参加でも使用した。小さな足の
サイズには最適だった。獅子舞に耐えれる強度を期待できないが、笛太鼓用には良さそうである。
また、室内での獅子舞には藁の破片の飛散がなく最適だろう。
ネットで岩手県の鹿踊り用に開発された「ゴムわらじ=ゴムジ」を発見したが、入手するまでは
行かず廃版となったが、最近新しく販売されているという情報からサンプルを入手してみた。
ネットで「ゴムわらじ」と検索すると出てくる。
株式会社「小彌太」さんの商品である。表側は登山靴の底に使用する凸凹のあるビブラムソール
地面側の裏側はラバーソール、紐を通すチチには丈夫な牛革を使っている。紐は個人で選択する
設定で付いていない。紐は藁の紐を使っても良いし、柔らかいポリエステルの紐を選んでも良い
だろう。履いてみるとカカトの形に合わせ湾曲しており密着感が良く、紐を通すソールとチチが
皮膚に接して紐をしめても違和感は無い。外に出てアスファルトを歩いてみるて、獅子舞の動き
で確認してみると捻りや、擦れの動きにも密着し良好だった。
実際に獅子舞で使ってみないと、なんともいえないが機会を見つけて耐久性やフィット感の臨床
試験をしてみたい。金額は9,000円程で高価だが、大事に履けば10年は保つだろう。
10年保てば一年1,000円のコストとなり、わらじの代用品とすれば最適では無いだろうか。
しかし、獅子舞文化とわらじ文化も同様に切っても切れない保護保存すべき文化で、自分が獅子舞
で使用する「わらじ」は自分で作る取り組みも行っている獅子舞保存会もある。
わらじ問題は今後も獅子舞文化の大きな課題となるだろう。「わらじ製作者育成」や「わらじ銀行」
「わらじ作りの機械化」などアイディアを出して良策を探さなくてはならない。
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