森助獅子モデルの二作目制作

  • 森助獅子モデルの二作目制作
昨年、勧進代總宮神社に納入した遠藤森助の作と伝えられている獅子頭をモデルに獅子頭を
新調制作させてもらった。

その際、二作制作し二作目の獅子を納品。


塗り上がった二作目

掟により森助獅子はお借りできず写真による制作だったが森助獅子に取り組むことができる
事は稀少で貴重な経験だった。

先日、店の居間に獅子頭木地が多数展示しているが、森助モデルの獅子と目が合った。
長井の獅子頭の中でも特異な獅子で謎も多く、更に彫り込んでみようと制作を再開した。







森助獅子の彫刻の謎は多数あり、唯一無二の作風でもある。
本体の棒の穴が変更されたのか、補強板を重ねて取り付けられている。内部の握り棒の位置を
変更して為か、ホゾ穴が残されている。以前は違う舞方で大神楽の獅子の様に被っていた事も
考えられる。

獅子の木地を引き締める為に、材の水分で硬化する塗料を含浸させ細かい線彫を行う。
特に眉や耳の下の巻毛の細かい線彫りは森助獅子の特徴でもある技法である。

舌は幕付けの際に紐で取り付けるという珍しい形だが、固定する形に改めた。逆に耳は頭部に
埋め込んで外せない形だったが取り外し可能で紐で固定する形にした。




上下の奥歯も嵌め込んであり、少しでも横ずれすると接触して噛み合わせが悪くなるので
下顎と頭部がずれないよう隙間を無くして調整部を取り付ける。




耳の表に筋がある。この形は總宮型や他の唐獅子型には無い彫りで、唯一五所神社の記名の無
い謎の獅子頭の耳に同様の彫りがあり、五所神社の境内に合祀されている山之神神社の棟札に
遠藤森助の記名があり、この獅子は森助の作と推測される。





2025.06.06:shishi9:[コンテンツ]

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