獅子幕縫製
昨日から自宅に籠り獅子幕の縫製 実は獅子彫り師は何でもしなくてはなりませんのです 連日の雷雨のお陰で湿気に満ちて汗ばんできますな・・・ 猫もウロウロして涼しい床を探してはバタンと倒れて身体を冷やしている様です 縫製というより長さ10m幅3mの全麻の獅子幕を組み立てているという感じ 限りなく黒に近い紺に染められた幅60cmの長い麻布を五枚を二重に縫い合わせます 国産厚手の染めたての麻はバリバリして摩擦で指先がすり減ってくるかの様 さて3m×10mの大幕を縫い付けると、今度は肝心要の獅子頭の取り付け口の縫製の 工程に移ります 獅子頭の幕穴周辺の寸法に合わせてロープを輪にします 両端をほどいて三本の束を絡み合わせて合体させます・・・これはナカナカ難しい そのロープを丈夫な布で包み本体の幕に取り付ける訳です 前幕と本体大幕部とロープの部分の組み立てには独特のコツが有りこれは企業秘密 ・・・といっても完成した獅子幕を見れば分かります 今度は幕の裾にグルッと6mmのロープを縫い付けます 発注主の神社は獅子幕を引っ張る獅子舞なので、前の麻の獅子幕はボロボロ よくぞまぁここまで・・・という獅子幕なので裾だけでなく、さらに本体に二本のロープを縫 い込み強化します 締め切り間近ですが、今日はここまで・・明日には完成出来そうです この伝統工芸の染めの技術を集積したような獅子幕は、筒描きという絶滅危惧の技術を用いて 作られます 現在「染め」から「プリント」の新しい技術と共に染め屋さんが減少しています 筒描きとは・・ ケーキにデコレーションする時に用いる三角垂の容器をご想像ください あれを使って餅米で作ったノリを布地に模様を乗せていくのです 白抜きする部分をマスキングして他の部分を染める訳です 手作りの技術ですので機械と違い、滲んだりはみ出したり曖昧でも味わいのある 仕上がりになります 差し迫った失われつつある伝統工芸です 以前拝見した西田尻の熊野神社の見事な獅子幕を思い出します 10m×4mの巨大な手縫いの獅子幕には獅子毛模様が密に染め抜かれ、後部には 一幅づづ数段階狭まる工夫がある珍しいものでした 長井の獅子幕はほとんど濃紺に白抜きの波浪模様ですが、川原沢巨四王神社の獅子幕は置賜で も唯一、筒描きの技術を生かし見事なボカシで多色に染められています どんな経緯で多色の獅子幕になったか詳細は知りませんが、今後時代を経て貴重な 獅子幕になる事でしょう
2014.08.24