山辺町と中山町各神社では5月3日に一斉に例祭が行われる。先日山辺町北垣の熊野神社獅子頭取材で
お世話になった武田宮司さんの神事スケジュール情報をお聞きし、中山町金沢の早朝6時からの神事取材
に訪れた。武田宮司さんは朝6時から昼過ぎまで八ヶ所を巡るハードスケジュールである。
朝6時前に「中山町金沢 白山神社」に到着した。山辺町境の北の金沢地区の上手の小高い見晴らしの良
い位置にあり、左沢(あてらざわ)線の列車が走るのが見えた。既に拝殿や境内には関係者が宮司さんの到
着を待っていた。昼暖かくなるとの予報だったが、吐く息も白く寒い。拝殿に獅子頭一対が出発を待ってい
た。毛卍模様の幕が付いた伊勢太神楽風の獅子と宇津権九郎型の獅子頭である。伊勢大神楽風の獅子の底に
は「四名の奉納者名」と「大正九年四月」と奉納者の記名が残され、また拝殿の奉納記録には「大正十年一
月一日 初老紀念(四十二歳 名前は不詳)と奉納者夫婦と獅子頭が写っていた。大正十年には左沢線が開
通した年であり地域が盛り上がっていた影響とも考えられる。獅子頭の作者記名は無かったが作風に上山市
の獅子頭展で展示した蔵王塩坪の彫師伊藤善蔵の作に類似していた。
次は「山辺町北垣の熊野神社」こちらは既に獅子頭一対を取材させて頂いている。
7時より神事が始まり神社拝殿前に獅子頭が箱の上に安置されていた。
8時 「中山町柳沢の御嶽神社」獅子頭所蔵なし。
9時 「中山町岡の八幡神社」獅子頭所蔵なし。
9時30分 「中山町土橋子ども神輿」と「土橋獅子踊り」の神事。 土橋獅子踊りが11時より玉昌寺で獅子踊
り公演
11時30分 「中山町土橋月山神社」獅子頭なし。
11時30分 「山辺町杉下八幡神社」獅子頭なし。
12時30分 「山辺町日枝神社」宇津権九郎の獅子頭一対あり。大正13年8月26日の日枝神社雨乞いの同じ写
真が北垣熊野・杉下八幡にも三社で雨乞い神事を行なっていた。
日枝神社には宇津権九郎型の獅子頭一対が所蔵(奉納札昭和60年あり)されていたが、雨乞い紀念の写真に
写っていた先代の獅子頭は関係者の古老の方の話によると古くなった為に処分されたというので誠に残念である。
写真の獅子頭はどちらも違うタイプで左の獅子は耳が立ち目が上を向いた天眼で長井の獅子にも共通した獅
子頭だ。右の獅子は垂れ耳の伊勢太神楽型の獅子風であり、その右には猿田彦の面もある。左手には丸太
で大きな太鼓を吊って担ぐ鳴り物が見えるが、中山町岡の八幡神社の子ども神輿でも写真の太鼓を担ぐス
タイルで叩いていたのを目撃している。
取材の移動中、諏訪神社のお祭りと思われる中心街の神輿行列と遭遇した。そして二組の獅子周り(悪魔払
い)を写真に収める事が出来た。
行列は老若男女大勢で車輪が付いた神輿を引き廻し、一方で獅子を持った4、5人の若者たち二組が家々を周
り玄関前で「悪〜魔除け悪魔除け お諏訪様の〜悪魔除け」と発声し、家人たちに「頭噛み」をしてご祝儀
を頂戴する。
頭噛みは伊勢太神楽で行う厄払いで、身体の中の悪い厄や邪気を獅子が食い殺し徐厄してくれる意味と通
俗的に考えられている。そもそも獅子は御神輿の中の御神体を守護する為に厄払いをして清める役割である。
また頭を噛む真似をする事により「死」に至り蘇る事により浄化され再生するという出羽三山信仰の「擬死
再生」の意味につながるものだろう。


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