明治期、長井市九野本小関久蔵作の獅子頭が入荷した。
小振りの獅子頭には獅子幕が付いていた。
珍しくタテガミは綺麗に切り取られ除去され、毛穴にタテガミを固定する栓が残されている。
内部には記名は無かったが、作風は間違いなく小関久蔵である。
注目すべきは獅子幕の模様である。
長さは140cmほどで綿生地の深い緑色に青の唐草模様と㊁の家紋が複数染め抜かれていた。
前幕同じ生地で、本体と同じ㊁の家紋と唐草が染められている。
以前、飯豊町松原の八幡神社の倉で保管されていた古い獅子幕を拝見した。
その幕にも藍染の背景に大きく唐草が大きく染められていた。
同様のものが川西町上小松新山神社や皇太神社の獅子幕にも独特なデザインで唐草が描かれている。
総宮神社型の獅子頭に波浪模様ではなく唐草模様の獅子幕という珍しい組み合わせのコレクション
になった。
唐草模様の起源は古代メソポタミアやエジプトのオリエント文化にあり、植物の生命力や繁植力を
象徴するつる草を紋様化されたものである。シルクロードを経て中国で唐草として様式化し、奈良
から平安時代の日本に伝播した。唐草模様には縁起的な意味が込められ、繁栄、長寿、子孫繁栄等
と祝い事や自社の建築装飾に多用されている。個人的には寺院の入り口の向拝の梁に唐草の彫り物
をよく目にするので仏教的なイメージが強く、神仏混合の修験に繋がっているのだろうか。
写真資料が見つかれば上記した三社の唐草模様の獅子幕のデザインを比較してみたい。


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