明治期、長井市九野本小関久蔵作の獅子頭が入荷した。
小振りの獅子頭には獅子幕が付いていた。
珍しくタテガミは綺麗に切り取られ除去され、毛穴にタテガミを固定する栓が残されている。
内部には記名は無かったが、作風は間違いなく小関久蔵である。
注目すべきは獅子幕の模様である。
長さは140cmほどで綿生地の深い緑色に青の唐草模様と㊁の家紋が複数染め抜かれていた。
前幕同じ生地で、本体と同じ㊁の家紋と唐草が染められている。
以前、飯豊町松原の八幡神社の倉で保管されていた古い獅子幕を拝見した。
その幕にも藍染の背景に大きく唐草が大きく染められていた。
同様のものが川西町上小松新山神社や皇太神社の獅子幕にも独特なデザインで唐草が描かれている。
総宮神社型の獅子頭に波浪模様ではなく唐草模様の獅子幕という珍しい組み合わせのコレクション
になった。
唐草模様の起源は古代メソポタミアやエジプトのオリエント文化にあり、植物の生命力や繁植力を
象徴するつる草を紋様化されたものである。シルクロードを経て中国で唐草として様式化し、奈良
から平安時代の日本に伝播した。唐草模様には縁起的な意味が込められ、繁栄、長寿、子孫繁栄等
と祝い事や自社の建築装飾に多用されている。個人的には寺院の入り口の向拝の梁に唐草の彫り物
をよく目にするので仏教的なイメージが強く、神仏混合の修験に繋がっているのだろうか。
写真資料が見つかれば上記した三社の唐草模様の獅子幕のデザインを比較してみたい。
寒河江市平塩熊野神社の獅子頭
昨年末、獅子舞に詳しい小学六年生男子G君から情報提供があった。
寒河江市平塩熊野神社のyoutube映像の一部に獅子頭が写っていたというのだ。
ほんの一瞬だが、彼は見逃さなかった。調べてみると本年の前日祭は4月4日、

例大祭は本日5日の早朝と、確かに鳥居の前に案内があった。
お昼には著名な平塩舞楽の披露があるらしい。

店の営業が終わり平塩熊野神社までは小一時間。
到着してみると前日祭の神社駐車場は閑散として車も少ない。
実は昨日、偵察に来て神楽殿に臨時のテントが準備されているのを確認している。


お祭りには神社拝殿に大抵、どなたか神社関係者がいらっしゃるものと期待するがどう
だろう?
幸い参道の石段を登ると拝殿に人の気配を感じた。
拝殿では神主さんお二人が粛々と神事を執り行っている最中だった。
獅子を探すと拝殿右の須弥壇には巨大な十王坐像が二体安置され、その守護するように
黒と朱の獅子頭が置かれていた。数年前から目をつけていた獅子頭である。
お賽銭を奉じ鈴を鳴らすと神主さんは人の気配を感じ、視線を向けてくれ会釈してい
ただいた。拝殿内の獅子頭を拝見し、獅子内部の記名の有無を調べるには関係者の了解
が必須なので、実に良いタイミングで訪れた。神主さんは実に鷹揚で、拝殿に招き入れ
ていただき玉串を渡され参拝させていただいた。同伴した獅子好き中学生のM君も一緒
に天下泰平、交通安全、豊年万作、学力向上等頭に浮かんだ諸々の願いを祈願した。
獅子頭は写真から、川西町上小松の元丸太写真館 佐藤太蔵氏の作と鑑定していたが
実物を間近で拝見すると、やはり太蔵氏の作風だった。
年代や寄贈の経緯を残す奉納札は発見されず、残念ながら獅子頭にも記名はなかった。
寒河江市平塩熊野神社のyoutube映像の一部に獅子頭が写っていたというのだ。
ほんの一瞬だが、彼は見逃さなかった。調べてみると本年の前日祭は4月4日、
例大祭は本日5日の早朝と、確かに鳥居の前に案内があった。
お昼には著名な平塩舞楽の披露があるらしい。
店の営業が終わり平塩熊野神社までは小一時間。
到着してみると前日祭の神社駐車場は閑散として車も少ない。
実は昨日、偵察に来て神楽殿に臨時のテントが準備されているのを確認している。
お祭りには神社拝殿に大抵、どなたか神社関係者がいらっしゃるものと期待するがどう
だろう?
幸い参道の石段を登ると拝殿に人の気配を感じた。
拝殿では神主さんお二人が粛々と神事を執り行っている最中だった。
獅子を探すと拝殿右の須弥壇には巨大な十王坐像が二体安置され、その守護するように
黒と朱の獅子頭が置かれていた。数年前から目をつけていた獅子頭である。
お賽銭を奉じ鈴を鳴らすと神主さんは人の気配を感じ、視線を向けてくれ会釈してい
ただいた。拝殿内の獅子頭を拝見し、獅子内部の記名の有無を調べるには関係者の了解
が必須なので、実に良いタイミングで訪れた。神主さんは実に鷹揚で、拝殿に招き入れ
ていただき玉串を渡され参拝させていただいた。同伴した獅子好き中学生のM君も一緒
に天下泰平、交通安全、豊年万作、学力向上等頭に浮かんだ諸々の願いを祈願した。
獅子頭は写真から、川西町上小松の元丸太写真館 佐藤太蔵氏の作と鑑定していたが
実物を間近で拝見すると、やはり太蔵氏の作風だった。
年代や寄贈の経緯を残す奉納札は発見されず、残念ながら獅子頭にも記名はなかった。
元治モデル四作目の獅子
総宮神社所蔵元治元年(げんじがんねん)作、作者不詳の獅子頭をモデルに七作制作(2022年)
した内の四作目を仕上げている。制作して四年経過し乾燥し歪みも出し切って来たようだ。
塗りに出す前に、最後の仕上げをしていると気になる細部が浮かんで来る。右目を更に下げ天地眼
を強調し前歯の当たりや二本の軸棒の幅を調整した。
自宅に持って帰り、眺めながらバランスや重さについて思案する・・・。
現在重さを量ってみると4.1kgで、耳を他の獅子と取り替えた事もあり100g重くなっていた。
この獅子は木地右側にウロ(皮)が巻き込んだ獅子で耳の下から唇までFRPで補強を行っている
事もあり神社には使用できない木地だった。そこで渋谷家所蔵の為に完成させようと思った獅子
である。今年は無理だが来年の地区祭の獅子舞に使用したいと目論んでいる。
先日塗師に塗りを発注した獅子舞チーム 「ヒカリミル」と十日町白山神社の獅子頭の木地の重さは
4kgを切っていたので同水準に減量しなくてはと考えている。FRP補強を施工しているので出来る技
である。眉毛の輪郭も彫り込む事により、箔置きの際に意図した形になるようにしている。
順調に塗りが進めば半年後に仕上がって来る予定である。
五十川薀安神社の獅子頭の修繕
平成22年(2010)年9月に制作した長井市五十川薀安神社の獅子頭の修復が完了した。
顎の改造跡の修復と上下の歯当たり部の修復と箔置き、金箔保護剤を塗布し、軸棒の栓を
差し込んで完成である。
向かって右が保護剤塗布後の眉と目の金箔、左が塗布前である。輝きを取るか擦れ防止を取るか・・・。
今年の春の例祭での使用を控えているので関係者も気揉めておら
れるだろう。獅子幕の本体と前幕も経年劣化があり裾に入れた紐が断裂していた。既に縫
製修理を行い準備万端である。
先日、染め屋さんに獅子幕を発注してきた時の話だが、前幕に用いる荒い厚手の麻の生地
の在庫が少なくなったという。代替の別な生地を確保予定だそうだが、それも数量は限ら
れているという。草鞋と同様、生産者の高齢化や原料の調達が難しくなっている傾向にあり
獅子幕の制作もままならぬ世の中になった。
十日町白山神社の二作目獅子新調
十日町白山神社からご依頼いただいた二作目の獅子頭の仕上げが完了した。
昨年末の完成予定がずいぶん遅れ、お待たせしてまった。
これから記名を入れてもらうので正確には完了とは言えないのだが・・。



今回依頼があり塗師に金箔下地を凝った仕上げをお願いした。
それは金箔を置く部分に一旦、朱を塗り、水研ぎし、下地を作り、次に
溜塗透漆(ためぬりすきうるし)を施し、箔置きという珍しい工程である。
唇の朱を塗る際に歯も一緒に朱にする事はあったが、眼や眉まで朱にする
獅子の依頼は少ないだろう。


確か前回も同様の依頼だったが、堅牢な金箔保護剤を塗布した為に下地の
朱が現れず依頼主には期待外れだったのかも知れない。
二作目はあえて金箔保護剤は塗らないオーダーだった。
金箔の朱にした狙いは、金箔が擦れて朱が現れ、傷を負った様な表情だろうか?
壮絶な邪鬼との争いを終え、神社のお神坂で静かに階段を上る姿を想定してい
るのかも知れない。その効果は来年のデビー以後に現れるかも知れないが、ず
っと先の話だろう。



また、二作目の獅子頭の制作での要望に獅子頭の軽量化だった。
総宮型直系の獅子舞の素早く激しい動きを表現には如何しても獅子頭の重さが
問題になる。一作目は意図的に近代の獅子振り達の身長、体格を考慮して大き
めの獅子頭にしたが、今回は総宮神社最古の獅子頭「寛文11年改」同様の奥行
サイズ39cmに収め、重さは5.6kgという破格の軽量に仕上がった。タテガミ
は全部で98本。ヤク毛の重さは350gと普通の獅子頭の倍の量を取り付けた。
確か一作目は110本と記憶しているが、取り付けてみると少な過ぎず多過ぎず
理想的なボリュームになった。ヤク毛の量や重さは手の感覚で測り、半分に
して片方を根本にする方にずらして逆にする。すると根本付近が膨らんで
先細りとなり自然な毛並みとなる。頬の毛の位置は竹田吉四郎や小関久蔵の諸
先輩は牙の上部に取り付けられているが、自分の位置は牙の前に取り付けてい
る。牙や唇の端の流れを見せたいからである。
最近は下顎の歯に幅5cm、0.5mm厚の透明な衝撃吸収緩和ゲルシートを貼って
金箔の擦れや歯の破損防止を施している。今回はウレタン金箔保護剤は塗布なし
なので貼れないが、木地にFRP補強を行っているので、そう簡単には破損しない
だろうと考えている。
本年の十日町白山神社の5月の例祭の獅子舞には、昨年奉納させてもらった子ども
獅子がデビューし、二作目の獅子頭もお披露目されるだろう。ドキドキと楽しみが
入り混じった瞬間を思い描いている。
昨年末の完成予定がずいぶん遅れ、お待たせしてまった。
これから記名を入れてもらうので正確には完了とは言えないのだが・・。
今回依頼があり塗師に金箔下地を凝った仕上げをお願いした。
それは金箔を置く部分に一旦、朱を塗り、水研ぎし、下地を作り、次に
溜塗透漆(ためぬりすきうるし)を施し、箔置きという珍しい工程である。
唇の朱を塗る際に歯も一緒に朱にする事はあったが、眼や眉まで朱にする
獅子の依頼は少ないだろう。
確か前回も同様の依頼だったが、堅牢な金箔保護剤を塗布した為に下地の
朱が現れず依頼主には期待外れだったのかも知れない。
二作目はあえて金箔保護剤は塗らないオーダーだった。
金箔の朱にした狙いは、金箔が擦れて朱が現れ、傷を負った様な表情だろうか?
壮絶な邪鬼との争いを終え、神社のお神坂で静かに階段を上る姿を想定してい
るのかも知れない。その効果は来年のデビー以後に現れるかも知れないが、ず
っと先の話だろう。
また、二作目の獅子頭の制作での要望に獅子頭の軽量化だった。
総宮型直系の獅子舞の素早く激しい動きを表現には如何しても獅子頭の重さが
問題になる。一作目は意図的に近代の獅子振り達の身長、体格を考慮して大き
めの獅子頭にしたが、今回は総宮神社最古の獅子頭「寛文11年改」同様の奥行
サイズ39cmに収め、重さは5.6kgという破格の軽量に仕上がった。タテガミ
は全部で98本。ヤク毛の重さは350gと普通の獅子頭の倍の量を取り付けた。
確か一作目は110本と記憶しているが、取り付けてみると少な過ぎず多過ぎず
理想的なボリュームになった。ヤク毛の量や重さは手の感覚で測り、半分に
して片方を根本にする方にずらして逆にする。すると根本付近が膨らんで
先細りとなり自然な毛並みとなる。頬の毛の位置は竹田吉四郎や小関久蔵の諸
先輩は牙の上部に取り付けられているが、自分の位置は牙の前に取り付けてい
る。牙や唇の端の流れを見せたいからである。
最近は下顎の歯に幅5cm、0.5mm厚の透明な衝撃吸収緩和ゲルシートを貼って
金箔の擦れや歯の破損防止を施している。今回はウレタン金箔保護剤は塗布なし
なので貼れないが、木地にFRP補強を行っているので、そう簡単には破損しない
だろうと考えている。
本年の十日町白山神社の5月の例祭の獅子舞には、昨年奉納させてもらった子ども
獅子がデビューし、二作目の獅子頭もお披露目されるだろう。ドキドキと楽しみが
入り混じった瞬間を思い描いている。







