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木造駅舎『絆』展  駅舎を愛する人々と共に

  • 木造駅舎『絆』展  駅舎を愛する人々と共に

 広田泉さんは、2021年(令和3年)3月28日に53歳という若さで旅立たれた。羽前成田駅開業100周年となる年であった。一周忌となる令和4年の春には「泉の桜」を植樹し、「特別写真展 昨日の一歩、明日の一歩」を開催した。そして米屋こうじさんに広田泉さんとの想い出を語ってもらった。米屋さんは最後に、「泉さんのおかげで、この場所に新たなつながりや思い出が生まれている」として、「共にあること」を大切にしていこうと結んだのでした。

 → 広田泉伝 [ 完 ]  明日の一歩 共にあること:おらだの会

 

 フラワー長井線に残された二つの木造駅舎。2010年から今日まで、二人の写真家が情熱を傾けて応援してくれた駅舎である。写真は、昨年の長井線祭りの前夜祭に集まった首都圏からのお客さんとの交流会の様子である。米屋さんが撮影したものであり、そのタイトルは「駅舎を愛する人々」であった。また今年になって西大塚駅では、不定期ではあるが週末に待合室での土産品等の販売が始まっている。

 「駅舎を愛する人々」の思いが過去から現在、そして未来へとつながりつつあるようにも思える。木造駅舎が最初に繋いだのは二人の鉄道写真家であったが、その後地域の人々と駅舎を愛する人々を繋いでくれていたのだ。この絆を大切にして、山鉄を元気に、地域を元気にしていきたいと思う。(木造駅舎『絆』展は、7月6日で終了となります。)

 → 芋煮会の前夜祭!:おらだの会

 

2025.07.06:orada3:コメント(0):[停車場風景]

木造駅舎『絆』展  二人の写真家が目指したもの

  • 木造駅舎『絆』展  二人の写真家が目指したもの

 2015年(平成27年)10月の長井線祭りに参加してくれた広田泉さんは、翌年から続けざまに長井線応援企画を実施してくれました。2016年(平成28年)4月の「ちゃぶ台写真展」に続いて同年10月に企画された「長井線祭り協賛3駅交流写真展」が印象深いものでした。西大塚駅で米屋こうじさん、時庭駅は123の会、羽前成田駅で広田泉さんが写真展をやったのです。この事業と同じような企画を、米屋こうじさんは2012年(平成24年)4月に実施していました。西大塚駅と成田駅、蚕桑駅で行われた「木造駅舎ギャラリー展」がそれです。

 → 三駅合同写真展:山形鉄道 おらだの会

 → 鉄道憧憬 山形鉄道駅舎内写真展・後半スタートです。

 

 二人の鉄道写真家は、沿線の各駅が住民と共に盛り上がっていく姿を追い求めていたのではないかと思うのです。広田さんが語っていました。「何とか線路を繋げ、人を繋げてニッポンを繋げたい。本気でそう考えていますので、応援よろしくお願いいたします。」と。「ローカル線は地元の人に愛されないと残っていけない。だから私は、駅を愛している人を応援したい。」と。その思いは、米屋さんも同じ思いであろう。広田さんは最後に語ります。「地元の人に言いたい。皆さんは何をやってる? ここで生きる覚悟がありますか?」と。10年たった今、私たちは「線路を繋げて人を繋げる」ことができたのだろうか。

 → 広田泉さん逝く ~ 線路を繋げて人を繋げて:おらだの会

2025.07.04:orada3:コメント(0):[停車場風景]

木造駅舎『絆』展  文化財認定時、それぞれの思い

  • 木造駅舎『絆』展  文化財認定時、それぞれの思い

 2015年(平成27年)8月、西大塚駅と羽前成田駅は文化庁の登録有形文化財に認定された。木造駅舎『絆』展に展示されている上の写真は、西大塚駅と羽前成田駅での関連事業の記録である。

 

 西大塚駅では、9月19日9時半から認定プレートのお披露目会があり、その後22日まで米屋こうじさんを代表とする「西大塚駅を応援する会」の主催による写真展が開催された。米屋さんのブログにその時の思いが綴られているので紹介します。 

////はじめ、山形鉄道の担当者さまからお声がけいただいた時には、単に「米屋の写真を展示して欲しい」旨のお話でした…。しかし、今回はめでたく文化財登録となった訳ですので、長く駅を利用されてきた、地域のみなさまにも参加していただき、一緒に祝うことができればなぁ、と思いました。///

 → 鉄道憧憬 西大塚駅「登録有形文化財」プレートのお披露目会

 → 鉄道憧憬 西大塚駅「登録有形文化財」 登録を祝うイベントを開催します!

 

 一方、成田駅は10月25日の長井線祭りに合わせてお披露目された。立派な認定プレートも嬉しいけれど、こんなメッセージが寄せられたのはもっと嬉しかった。

///生まれ育ったこの町、この駅。懐かしく、心温まります。永久にあればと願います。来るたびに必ず見に来ます。こんなふるさと成田駅。私は誇りです。心から応援しています。///

 → (46)成田駅が登録有形文化財に(平成27年):おらだの会

 

 祝賀会には広田泉さんや123(いずみ)の会の皆さんの顔がありました。久しぶりの再会でした。祝賀会が終わった後、当時の宮崎会長と広田泉さんが固い握手をしている姿がありました。広田さんは翌年の春から「ちゃぶ台写真展」や「3駅交流写真展」など、山形鉄道を応援する企画を矢継ぎ早に実施してくれました。お披露目会の時、二人の間に何かの思いが伝わったように思えてならない。広田さんの再降臨を見届けるかのように翌28年9月、宮﨑会長は旅立たれたのでした。

 → 広田泉伝[4] 長井線祭りに再降臨2015年:おらだの会

2025.07.02:orada3:コメント(0):[停車場風景]

木造駅舎『絆』展  二人の写真家との出会い

  • 木造駅舎『絆』展  二人の写真家との出会い

 山形鉄道㈱史における重要なポイントの一つは、2009年(平成21年)4月の公募社長・野村浩志氏の着任であろう。翌2010年のゴールデンウィークに米屋こうじさんが西大塚駅で「木造駅舎展」を開き、8月にはもっちぃ駅長が就任した。こうした動きが生まれた陰には、鉄道愛好家でもあった野村社長の存在があったと思われる。

 → 長井線リポート(29) 駅舎に残された思い:おらだの会

 → 駅に残る思い その1(笑門来福):おらだの会

 

 そして2011年(平成23年)5月、米屋こうじさんの呼びかけで、西大塚駅で東北大震災に対するチャリティ写真展が行われます。次に駅舎を利用した写真展の第2弾として開催されたのが、広田泉さんによる成田駅での「元気が出る鉄道写真展2011」でした。広田さんはチャリティ写真展の参加者の一人だったのです。おらだの会は、駅舎で様々な方々と交流することの楽しさを知ることができたのです。

 → 停車場ノート28 「広田泉の会写真展」続行中:山形鉄道 おらだの会

 → 停車場ノート ⑲大好きです!成田駅の変なおじさん達:山形鉄道 おらだの会

 

 この二人の写真家との出会いは、山形鉄道にとってもおらだの会にとっても大きなものでした。二人は、写真撮影や取材のための一時的でビジネス的な関係ではなく、「一緒に長井線を元気にしていこう」と考え、継続して実践してくれました。今日まで続く「絆」がここで生まれたように思います。

 

 ここでは米屋こうじさんを中心とする皆さんが、山形鉄道とりわけ西大塚駅に対して行ってくれた事業を再掲します。

 2010年4~5月 米屋さん最初の試み「木造駅舎展」

 2011年4~5月 米屋さん「東北の鉄道応援チャリティ写真展」

 2012年2月   「山形鉄道大学~米屋こうじ先生と行く鉄道写真教室ツアー」

 2012年4~5月 「ホームトレイン~Home Train」展  (西大塚・羽前成田・蚕桑駅)

 2013年8月   小野孝志さん「思い出は汽車に乗って」   ※西大塚駅99歳

 2014年5月    米屋さん「山形鉄道の四季~100歳を記念して」

 2015年9月   米屋さん「登録有形文化財登録記念 西大塚駅想い出の写真展」

 2016年10月    広田泉さん主催  「三駅(羽前成田・時庭・西大塚)合同写真展」

2025.06.28:orada3:コメント(0):[停車場風景]

アジサイの開花宣言

  • アジサイの開花宣言
  • アジサイの開花宣言
 ニュースで「山形県にアジサイの開花宣言」とのアナウンスが流れ、アジサイにも開花宣言というものがあることを初めて知りました。さて成田駅前のアジサイは、今が見頃です。また待合室のミニギャラリーには、アヤメとアジサイの切り絵が飾られています。切り絵作家・桑原重雄さんの作品です。

 アジサイには色や種類によって様々な花言葉があるそうです。青や紫には「冷淡」や「無常」の他に「辛抱強い愛」といったものもあるそうです。白いアジサイの花言葉は「寛容」で、恋人への贈り物に最適とのこと。ピンクのアジサイは「元気な女性」「強い愛情」という花言葉があるそうです。あなたは花に託してどんな思いを伝えますか? とにかく元気を出して、この梅雨を乗り切りましょう。
  停車場にアジサイの花咲きにけり あの日の想い色うつろうも

 追伸:ホーム西側のアジサイはまだ蕾です。
 追伸 6月27日現在、咲き始めです。
2025.06.26:orada3:コメント(0):[停車場風景]