放射線の人体への影響について
この度の大震災により亡くなられた皆様に心より哀悼の意をささげます。 そして、被災された皆様に心よりお見舞い申し上げますと共に一日も早い 復興をお祈りいたします。 福島原発の放射性物質漏れが報道されており、また、関東付近でも放射線 が検出されているという報道があり、実際にどのくらい危険なものなのか 専門用語や?のつくあいまいな説明や可能性の話ばかりでわからないために、 日本国民だけではなく世界中の人々がより多くの不安と危機感を感じている 状況だと思います。 福島県原子力センターのホームページに、福島原発付近の放射線量観測地点 における観測値が公開されているようですが、最新の更新はありません。 http://www.atom-moc.pref.fukushima.jp/dynamic/C0023-PC.html そこには、nGy/h(ナノグレイ毎時)という単位が使われています。 また、テレビなどではμSv/h(マイクロシーベルト毎時)という単位が使われています。 三省堂の物理Ⅱの教科書(P264)レベルでわかることをここにまとめておきます。 【単位について】 ・m(ミリ)は、10のマイナス3乗(0.001)(千分の1) ・μ(マイクロ)は、10のマイナス6乗(0.000001)(100万分の1) ・n(ナノ)は、10のマイナス9乗(0.000000001)(10億分の1) ----ここから教科書より---- ・Gy(グレイ)とは、放射線の吸収線量です。 1Gyは、物質1kgあたりの吸収エネルギーが1[J(ジュール)]を示します。1nGy(ナノグレイ)とは、その10億分の1の量をあらわします。 ・Sv(シーベルト)とは、人体への影響の指標としている線量当量です。 放射線の種類によって人体への影響は異なるので、吸収線量に線質係数を かけたものを線量当量といいます。 α線の線質係数は20なので、1Gy=20Svです。 β・γ線の線質係数は1なので、1Gy=1Svです。 1mSv(ミリシーベルト)とは、1Svの千分の1で、1000μSvです。 1μSv(マイクロシーベルト)とは、1mSvの千分の1で、1Svの10万分の1です。 1μSv=0.001mSv=0.000001Sv 1000μSv=1mSv=0.001Sv 1000000μSv=1000mSv=1Sv ・Bq(ベクレル)1秒間に崩壊する数のことも放射能と呼びます。 1秒間あたり1回の崩壊をする放射能を1ベクレルとしています。 したがって、放射性物質の量は質量などでは表さず、放射能で表すこと が多いのです。 【人体への影響について】人体が放射線をあびることを被曝といいます。 ・2~3Sv(2,000~3,000mSv)短期的な被曝では致死量といわれている。 ・白血病、発癌など確率的な影響は、10mSvにつき、100万人あたり、 100人の癌死増になるといわれている。 ・1990年の国際放射線防護委員会の勧告値として、 放射線業務従事者の1年間の線量限度は、5年間平均で1年間当たり20mSvと されています。 一般公衆は、自然放射線を別として1年間で1mSvとされています。 ・大地や食品中の放射性核種、大気中の放射性Rn(ラドン)や宇宙線から、 年間2~3mSvの自然放射線による被曝をしていることになります。 放射線は、巨視的に見ればわずかなエネルギーであっても、個々の分子に 作用するので、細胞核内のDNAを損傷させる可能性があります。DNAには、 損傷回復機能がありますが、そのエラーによって突然変異、発癌の可能性が あります。 ----ここまで教科書より---- 2μSv(0.002mSv)程度 胸部レントゲン写真1回 200μSv(0.2mSv)程度 レントゲン撮影1回 6000μSv(6mSv)程度 CT撮影1回 先ほど、1.2mSv/hという発表がありましたが1時間あたり1.2mSv の線量当量ということですから、1時間その場にいれば、胃レントゲン写真を 6回撮影したときと同じくらいの被曝をしたことになります。2時間いれば その2倍ということになっていきます。 1年間に1mSvまでということは、単純計算で1時間当たり0.114μSvまで (1000μSv÷365日÷24時間=0.114μSv) という計算になります。0.114μSv/hがひとつの基準となると思います。 放射線の人体への影響については、放射線被爆者医療国際協力推進協議会 http://www.hicare.jp/09/hi04.html のページも参考になると思います。 目には見えませんし、1000mSv以上の大量でなければ被曝していても 感覚がないようですが、身体的影響と遺伝的影響があり、 身体的影響においても、急性影響と晩発影響が考えられます。 100mSv以上で、急性影響があらわれる可能性があり、 1000mSvを全身で被曝すると、吐気、嘔吐、全身倦怠リンパ球が 著しく減少という影響がでるということです。 7000mSv以上を全身で被曝すると、100%死亡ということです。 山形市における放射線の状況については、下記のページで公開されて います。 http://www.pref.yamagata.jp/ou/kenkofukushi/090001/houshasen.html 空間放射線量の推移(PDF:39.3kB)を見ると、15日0時より 1時間毎の観測値を見ることができます。雨が降ってきたこともあり、 若干の上昇は見られますが、15日20時現在では異常値は観測されて いないようです。 とにかく正しい情報のもとで冷静に最大限できる限り 被曝の危険を避けるしかありません。できるだけ外出を控え、 外気の屋内への侵入を防ぐために換気やエアコンを使わないように することが必要です。また、やむを得ず外出する際には外部被曝を 避けるために皮膚の露出を防ぐことや、内部被曝を防ぐために濡れた マスクをすることなどの対策が伝えられています。 放射線計測器などをつけたりすることも必要ではないかと思います。 電力会社をはじめとする関係各位には、人命や地球環境に関わる重大性を強く認識して、 何か少しでも異変がわかったときには、リアルタイムに情報をわかりやすく国民に伝えていただきたいと思います。 原発の周辺に、無人監視カメラを設置して、リアルタイムの状況を 見せていただきたいと思います。また、人間が入っていけないような 場所で作業できるようなロボット(ASIMOくんなど)はないのでしょうか。 いまこそ、世界中の英知を結集して、最先端科学技術を活用してこの危機を 絶対に回避しなければなりません。 何かが起きてから、後手後手の対応をするのではなく、考えうることを 予測して、事前の対処や準備をしてもらいたいと思います。 現在も、命がけでこの危機に立ち向かっていただいている方々に 心から感謝申し上げますと共に無事に回避されますことをお祈りいたします。
2011.03.15