目加田経営事務所
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【激動の時代の生き抜き方】
私の大学の先輩で沖縄国際大学の社会学の名誉教授である、石原昌家氏の著書「空白の沖縄社会史」(晩聲社刊)によると、沖縄・八重山群島のひとつ与那国島では、明治時代に宮崎県人によりカツオ節製造が始まり、戦後まで大いににぎわい、一大貿易拠点となっていました。
そこでは、私製紙幣が流通しており、税金も私製紙幣が通用したとか。
距離にして100Km程度しか離れていない台湾の通貨も当たり前に流通しており、その後、アメリカ占領後はドル、B円、円と通貨も大きく変化しました。法律はあっても辺境にまで及んでいなかったため、ある種の混沌が支配していたようで、めまぐるしく移り変わる行政の変化にしたたかに順応していた時代が描かれています。戦前、戦後の台湾は蒋介石ら外省人が支配するころに当たり、権力構造が激変したのです。
それまでは普通のビジネスだったのものが、国境ができることで合法が非合法となり、自然と密貿易圏を形成することになりました。アメリカ軍政府と琉球政府が戦後の混沌から落ち着きを取り戻したころには影をひそめて、それまでは不夜城のごとくにぎわった与那国島も人々が去り、静けさを取り戻したようです。
密貿易関係者の宿舎や倉庫に大金を投資しても、数か月で元がとれるぐらいの活況で、儲ける人はとんでもない利益を手にしていたことが証言から裏付けられています。
その人たちが、今はどうしているかは分かりませんが、沖縄の経済界であまり名前を聞かないことからすれば、あぶくのごとく生まれ、消えていったように思います。
これらのことから、経営とは何か、利益とは何かを考えてしまいます。基本は存続することが一番大事で、利益はそのための存続費用だと思います。
100年、200年、300年と時を重ねて、歴史とともに時流に合わせつつも、本来の理念を継承できる企業ことが本物企業です。
ブームに乗って、一過性の利益に胡坐をかいて、存続のための準備を怠ってしまっては、社会の公器たる企業の使命を果たすことはできません。
現代はギリシャ危機に代表されるように、ユーロ圏は危機的状況にあり、そのユーロ市場に活路を見出していた国々は、一様に景気減速に巻き込まれています。アメリカも元気がなく、中国も不安定。
国内の政情も不透明。このような激動の時代に生きる上において、沖縄の辺境で起きた空前の経済発展と衰退は一つの気づきを与えてくれているのではないかと思います。
どのような環境にあっても、企業が存続し、発展し続けるには何が必要か、今一度、考えてみようではありませんか。
2012.06.15:
目加田博史
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【社員あっての会社】
顧問先企業の中で社員旅行を復活する会社が倍増しました。訪問先は海外と国内と半々ですが、土日を利用した4日以内の行程が大半で、主目的は福利厚生の一環として親睦と懇親です。これができるためには、財務的な余裕と精神的な余裕の両方が整わないとなかなかできるものではありません。
ある顧問先は四半世紀にわたり毎年、関係先も含めて海外社員研修旅行を実施しておられ、おかげさまで私も毎年参加させていただいております。ある顧問先はしばらく中断していた社員旅行を復活させました。ある顧問先は社員研修の一環として先進企業視察を兼ねて毎年実施しておられます。ある顧問先は毎日が分刻みのスケジュールで動いているので非日常の中で社員とのふれあいを目的に社員旅行を導入しました。
良かれと思って実行しても様々な問題も露見します。せっかくの社員懇親の場だから、全員が参加してほしいし、喜んでもらいたいと思うのは当然です。
しかし、誰もが納得できる理由ならまだしも、どう見ても個人的なわがままで参加しない人が出てきたり、参加しない上に旅費相当分を要求してきたり、参加者の中から不満や陰口が出てきたり、普段のうっ憤をここぞとばかりに宴席で醜態をさらしたり。
大金を使って、文句を言われたのでは経営者もたまりません。国内旅行といえども一人当たり10万円程度の費用はかかります。ましてや、営業しておれば計上できたであろう売上(機会損失)を含めると、一人当たり30万円の費用を投資して行う大イベントです。社員50名の会社なら、1500万円をかけているのと同じなのです。
これだけ投資した挙句のクレームでは目も当てられません。先代から続く長年の伝統行事といえども、思い切って中止した企業はたくさんあります。
このようなトップの思いと社員の価値観のギャップによる中断の場合は、ベクトルを合わせて、社風整備と価値観の統一と経営理念の浸透を図らねば、復活できません。ある企業は、これらの条件整備ができたと判断して、周年事業の一環で復活したのです。企画段階から社員の意見を取り入れ、社員による自主的な運営を心がけ、実現にこぎつけました。
実施後の社員の反応はどれも感動的なものばかりでしたので、経営者もとても喜ばれておりました。
経営者とは、かくも社員の喜ぶ姿や笑顔を見たい人種なのだと改めて実感しました。社員を喜ばせたいがために日夜努力しているともいえます。
私の前職の会社では、毎年の1泊2日の国内旅行と5年ごとの海外旅行をブロックごとに班を組んで実施していました。そこには、本人だけでなく家族も参加可能でした。妻や子供は50%自己負担、両親や兄弟は100%自己負担でしたが、堂々と家族で海外旅行できるのは、夢のような制度でした。おかげさまで、両親と2回海外旅行をすることができて、冥土の土産ができたととても喜んでもらいました。両親が事あるごとに、海外旅行で来たことを自慢しているのを伝え聞いて感動しました。
このよき伝統を当事務所でも実行すべく、財布の許す可能な限り、実施しています。
すべての事業は社員の働きによって成り立っていますから、その社員が喜んでくれる、満足してくれることが、ひいてはお客様を喜ばせ、ご満足いただくことになるので、とても大事なことです。経費削減や緊縮政策をとることと、潤いを生み出すことは必ずしも矛盾はしません。金をかけなくても、やり方次第で、できることはたくさんあります。
余裕のない時は無理は禁物です。大事なのは「社員あっての会社、皆のおかげで会社が経営できる感謝」を形に表すことです。
手段の目的化にならないように、権利の主張のきっかけにならないように、マンネリ化して不満の巣窟にならないように、工夫を凝らしましょう。
2012.06.15:
目加田博史
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【ハングリーにする】
石原結實氏の「食べない健康法」(PHP文庫)によると、終戦後の1945年に、糖尿病患者は数百人だったとか。それが今では予備軍も含めると2200万人以上だそうです。
また35年前に13万人だった医師が今は29万人に増え、医療費は年間36兆円も使っているにもかかわらず、ガンによる死亡患者は13万人から35万人に激増したそうです。これは免疫力が低下して病気にかかりやすくなったともいえます。そういえば、戦時中は自殺者はほとんどいなかったそうですが、今は3万人を下りません。
豊かになればなるほど、便利になればなるほど、病気が増え、お金がかかり、不幸になってゆくのはなぜなのでしょうか。
石原結實先生曰く、「おなかいっぱいに侵食すると、食物中の栄養素が胃腸から血液に吸収されて、血液中の栄養状態もよくなる。すると、それを食べた白血球も満腹になり、外からバイ菌やアレルゲンが侵入してきても、体内でガン細胞が発生しても十分に、食べようとしない。つまり、免疫力は落ちるのである。逆に、われわれが空腹のときは、血液中の栄養状態も低下し、白血球も十分に栄養を取れず空腹になるので、バイ菌やアレルゲン、ガン細胞を貪食、処理する能力が高まる。つまり、免疫力は増強するのである」と言っておられる。
ハングリーは病気にならないということです。
懇意にしている庭師のTさんが、「朝夕、植木に水やりするのは、植木の成長を止め、寿命を短くするだけですよ」と言われました。理由を問うと、「定期的に水が与えられると、わざわざ難儀をして地下深く水を探しにゆく必要がないから根が張らないからです。根は本来水を探してどこまでも、どこまでも伸びてゆくことによって、しっかりと大地に根を張ることができるのですが、定期的に与えられると地表浅く根を張るだけで生きてゆけます。図体はでかくなりますが、災害にはとてももろいのです」とのことでした。
また、体のメンテナンスをお願いしている整体師のFさんは、「マッサージは15分以上やらないほうがよい。定期的にやるのも良くない」というのです。なぜかと聞けば、「マッサージをすれば血行が良くなるので一時的には体は楽だし、気持がよい。しかし、本来の活動で血行を良くすることをしないと、マッサージに依存してしまい、なかなかコリがとれなくなります。」とのことでした。
鶏が餌が与えられすぎると、卵を産まなくなるし、満腹になると、白血球ですらバイ菌を食べなくなるので、免疫力が低下する。
いつ食べ物があるか分からないと、常に空腹感にさいなまれ、体は危機感を感じて、60兆個の細胞全体が緊張感を持って活動するので、体本来が持っている心身のバランスをベストな状態で保つことができるのです。不足が危機感を醸成し、活発な活動を促進する。それによって、さらに体は健康体になってゆくのです。
これは会社も同じだと思いませんか。
2012.06.15:
目加田博史
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【経営理念の重要性】
人は成長するに従って、内面の充実が求められます。リンカーンが大統領時代のある時、友人からある優秀な人物を採用してくれるよう依頼されたことがありました。
さっそく、リンカーンがその人と面談しました。紹介者の友人が「どうだ、彼は優秀だろう」と言いましたが、リンカーンは断ったそうです。理由を問われて、「人は40にもなれば顔に責任を持たねばならない。彼にはそれがない」と言ったそうです。
内面の充実が相として外面にでる。顔には人相、顔相、手には手相、肩には肩相、背には背相として、ありとあらゆるところに出てきます。それはオーラと呼ばれる場合もありますし、存在感と呼ぶ場合もあります。外面をいくら整えても、内面の不足は化粧することはできません。電車やバスの中で化粧しているような方は外面すら充実しないで人前に出ているのですから、内面は言うにおよばないでしょう。
会社も同様に内面の充実が外面に出てきます。会社の内面とは、特に社長、経営幹部の人間力のことを言いますが、これら経営陣の内面が充実している会社は、おのずと社風として社員や関係者を感化し、成長させてゆく力を持っています。
それが言葉になったものが、経営理念、企業理念、社訓と呼ばれるものです。同じ経営理念でも、まず、言葉ありきで、それを社風にする場合もあれば、言葉になっていないけれど社風として社内に浸透している考え方を文書化したものもあります。いずれも、全社員に浸透するところまで徹底していることが重要です。
イギリスの憲法ともいえる大憲章マグナカルタは1225年のものが現在でも有効な理念として使用されています。先祖代々の掟ともいえる家訓も理念の一つです。数百年続く老舗企業も家訓を判断基準のもととして大事にしていることからも、時代を超えて脈々と続く考え方を持つことは企業経営を考える上で、極めて重要といえます。近江商人の「三方善しの経営」もこれにあたるでしょう。
不易と流行という言葉があります。易とは変化を意味します。したがって、不易は変わらない、変えてはいけない、継承する価値があるという意味です。流行は文字通り変えなくてはならない、時流に適応することを意味します。経営方針は時流適応型の典型です。経営理念は会社経営の判断基準であり、不易の代表です。この2つが相まって経営マネジメントがうまくゆきます。不易の代表である、経営理念も、思いや考え方は変えてはなりませんが、定期的にブラッシュアップして、時代に通用する表現に変えなければ通用しなくなります。古色蒼然とした「ござそうろう文」ではいくら家訓、経営理念といっても浸透しません。本質を充実発展させつつ、表現は現代的にアップデートすることです。
内面の充実は人間力の充実であり、それを体系化したものが人間学といえます。
2012.06.15:
目加田博史
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【縁に学ぶ】
縁尋機妙(えんじんきみょう)ということばがあります。良縁をつなげてゆけばゆくほど良縁を得て、ますます進化・発展してゆく。そのタイミングのなんと妙なることか。良縁とはもちろん人の縁です。タイミングは天の時、地の利、人の和、天地人の一致が必要だと言われますが、人との出会いもまさに、そのようなものです。教育者として名高い森信三氏はこれを「人間は一生のうち、逢うべき人には必ず逢える。しかも一瞬早すぎず、一瞬遅すぎない時に」と言っておられます。啐啄同時(そったくどうじ)も同じような意味でしょう。
若くして亡くなった顧問先の経営者のKさんが主宰された講演会にお招きいただき、その時の講師が作家の神渡良平先生でした。先生の講話はとてもわかりやすく、感動的で、心に沁み入りました。講師の先生の書籍を会場で販売することはよくありますが、義理で買うことはあっても、ほしいと思って並んで買うことはそれほどありませんでした。長い列に並んで著書を買い求め、サインをいただき、短い会話を交わしました。これはぜひとも、会員の皆様にも聞いていただきたいと思い、Kさんに紹介していただくようお願いしました。
開催した講演会ではたくさんの会員企業の社員さんが参加して下さり、会場がいっぱいになりました。少し、神渡良平先生と親しくさせていただくことができました。
神渡良平先生は安岡正篤先生の研究で世に出た方です。講演会以降、神渡良平先生のおっかけをさせていただくなかで、折に触れ安岡正篤先生について語ってくださいます。関西師友協会の関係者や安岡正篤先生ゆかりの有名な経営者の話題も聞かせていただきました。
次第に、安岡正篤先生に興味を持ち、どんな考えをもった方か、本を読みあさりました。
読めば読むほど、その知恵の深さに感嘆しつつ、1ページ読んでは思索にふけり、また1ページ読んではノートにメモするような読み方なので、いつまでたっても進みません。
その中で、「易とは何か」を手にしました。四書五経の一つとはいえ、易は単なる占いの一種という程度の知識しかなかったので、論語や東洋思想の大家である安岡正篤先生が、易に関する多くの著述をしておられるのを違和感を覚えつつ、ページを開きました。
ところが、読んでみて、自分のあまりの蒙の深さに愕然としました。50本の筮竹から見える変化の妙がそこには書かれていました。論語や東洋思想を読みながら、いまひとつ明快にイメージできなかった言葉のそれぞれが映画館でクリアなビジョンを見るごとくストンと腹に落ちる音がきこえたのです。
天地人、誠、生成化育、聖賢才術、陰陽、天行健、自彊、王覇、運命 命運、立命、不易、変易、簡易等々。
会社や人生の経営を行う上で、さまざまな宇宙神秘のヒントを得ることができました。
この経営コラムの正式なタイトルは経営ワンポイント情報「不易流行」です。コラムを始めた1997年9月のころの「不易」という言葉の解釈はまだまだ表面的でした。神渡先生や安岡正篤先生とのご縁もなく、表面的な我流の解釈にすぎませんでした。「易」にたどりついて初めて、奥深い宮殿の入口にある門扉を開けることができたように思います。
天は変易、地は不易、人は簡易。これらの現象として現れるさまざまな現象や変化の本質をとらえて、探求しつつ、現実の経営に生かしてゆきたいと思います。
2012.06.15:
目加田博史
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【ぶれない信念】
どのような組織であれ、トップは孤独です。トップといえども人の子ですから、日頃は厚顔無恥で心臓に毛が生えているのではと陰口をたたかれるほど強面の人でも、体調に不安があったり、家族に不和があったり、業績に不調があると、弱気になるものです。ひどい時は強気と弱気が日替わりで顔に出ることもあります。
ある顧問先が、自社の商品を普及してゆくために、拡大路線に舵を切り、時間をかけて計画を温め、全社員を巻き込んで社内体制を整備してきました。分散していた生産拠点を集約して、手狭になった本社工場を移転拡張して、経営資源を集中することにより経営効率を抜本的に改善する計画だったのです。
分散化によるひずみや経営効率のまずさが散見されだしていましたので、時機を得た計画だと言えます。幸いにも自己資本比率も高く、無借金経営を継続していたため、計画により財務バランスの悪化することは想定内で、数年のうちに今まで以上に強い体質になることはかなり高い確率で信頼性がありました。
計画に従って、各地の生産拠点を撤退するための手続きに入り、着々と進行していたのですが、突然、方針転換して、移転はしないことになったのです。投資額が大きいため、相当なリスクもあります。トップ自身の体調不安もあり、タイミングが悪いのではないかと思ったトップは友人知人だけでなく神さんにまで相談に行ったのです。ことごとく、否定的な見解を得たトップは、計画中止を宣言したのです。すでに動き出している拠点はたまったものではありませんが、トップの決断は尊重されなければなりません。計画実行にあたり関与していただいた関係先、とくに金融機関には丁寧に説明をして、了解をいただいた経緯があります。
この一件以来、社内のコミュニケーションや信頼関係は微妙に変化し、もろくなってしまいました。仕事に熱がこもらなくなり、粘りがなくなってきたのです。
事をなそうとすると、必ず壁が立ちはだかります。その壁は「やめなさい」という天の声の場合もあり、本気度を試すリトマス試験紙の役割をしている場合もあります。ほとんどの場合は後者です。信念を試されているのです。「お前の本気度はどの程度なんだ?」と問われるのです。第一の壁が破れても、第二の壁が現れ、第三の壁が現れます。第三の壁を突破すれば合格です。あとは驚くほど順調に事が進展します。
「自ら省みて直くんば、一千万人といえども我ゆかん」論語の孟子 公孫丑にある言葉です。自分を振り返ってみて、間違いがないと思ったならば、たとえ反対者が1千万人いても、たった一人でも自分の信じた道を行くべきだという意味です。
ぶれるトップは組織を潰してしまいます。組織に頼らず天涯孤独にたった一人で事を成し遂げられる様な天才は別にして、一般的には何らかの組織を使って事を成し遂げます。
強い組織に鍛え上げるには、トップはぶれてはいけません。ぶれそうになれば、信頼できる第3者に話を聞いてもらい、その原因を探しましょう。トップが権力でぶれを正当化してしまう前に。
2012.06.15:
目加田博史
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【将来への決断】
ねじれ国会で何も決まらない国になってもう5年になります。2007年7月以来、ずっと、ねじれ状態で、2009年に政権が代わっても改善されていません。その間、経済は悪化の一途をたどり、デフレ状態は改善できていません。そこに、リーマンショックが起き、3.11が発生したのです。環境や基本条件がまったく変化したにもかかわらず、何も決まらないし、何も変わらない状態になっています。
3.11の福島原発事故から、今後の電力供給をどうするか議論が絶えません。野田首相は身命を賭して消費税をあげることを宣言しており、TPPについても同様に推進する方向を明示しておられます。防衛や外交についてはあまり明確ではありませんが、北朝鮮のミサイル発射問題は防衛問題の進展に拍車がかかると思います。
今までは他人事のように能天気にふるまっていた人も、これからは、一人一人がしっかりとした考えを持って決断しなければならない時期に来ていると思います。
考えて、考えて、考え抜く。数字で考え、数字で判断し、数字で行動する。これはある顧問先の行動指針のひとつです。まさに、私たちの生活と次代の子供たちの未来について決断しなければならないのです。
大きな視点で見れば、原発は将来においても依存せざるを得ないので、構成比は下がるでしょうが、ゼロにはならないでしょう。問題は、再稼働時期をいつにするかの問題になると、一時的にせよ、計画停電を実施しなければならなくなるかもしれません。しかし、たとえ、それによる経済ロスよりも、あまりに性急過ぎる再稼動決断で感情的な反発による思考停止よりはましだと思います。もっとも関心のある安心・安全の担保が先で、その間に必要な議論を進めて、納得づくの再稼動をすべきだと考えます。
技術は一度失ってしまうとそれを取り戻すのに膨大な時間と莫大な費用がかかります。原子力の技術も同じで、世界最高峰ともいえる技術を風化させてしまう可能性のある原発ゼロは日本の将来にとって大きなマイナスになることは間違いありません。
同時に、原発依存ありきではなく、あらゆる自然エネルギーを利用して発電する挑戦はしなければならないでしょう。夜間電力を使用した揚水発電やメタンハイドレートのような莫大な埋蔵量を誇る資源を使用した火力発電、典型的な火山列島である特色を生かした地熱発電、海に囲まれている環境を生かした波力発電や、風力発電、車や人の移動によって発生する振動発電等、利用できるエネルギーはまだまだありそうです。太陽光発電も可能性がありそうです。
消費税については増税せざるを得ないと思っています。タイミング論の議論は大いに傾聴すべきですが、タイミングなんて「今から思えば、あの時にああしておけばよかった」という風に過去のことしか判断できません。したがって、いつ実施しても結果は変わらないでしょう。
世界最高速で少子高齢化進む日本においては、他国の事例は参考になりません。企業収益はいつの時代も70%以上が赤字ですから、法人税は30%の企業収益でまかなっていることになります。所得税は労働生産人口が減少するわけですから、減少することはあっても増加することは期待できません。ならば、公平にすべての人から緒周できる消費税が最も有力は税金であることは明らかです。もちろん、無駄な支出を抑えることはもちろんですが、この峻別はそう簡単ではありません。根本的に考え方を変えなければ難しいでしょう。従来公的なサービスと考えられてきた警察機能や行政機能、教育機能を民間に委託するぐらいのことをしなければ、誰もが満足しない経費削減にしかならないでしょう。
2012.06.15:
目加田博史
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【100年続いてこそ企業】
よく言われる言葉で「創業は易し、守成は難し」というのがあります。日本経済新聞は蓄積された公開情報の膨大なデータ分析の結果、1983年に会社の寿命30年説を提唱しました。規模、成長力、収益性、安全性の4つの指標で数値化し、ランキング分析した結果、優良企業ともてはやされる花の時期はせいぜい30年だというのです。提唱後、30年が経過した2004年に再度検証した結果、やはり主張は間違っていなかったとレポートしています。
30年以上経過して、輝きを失っていない企業の特徴として、収益性の高い事業への選択と集中とグローバル化の推進による自己変革をあげています。
一方、帝国データバンクや東京商工リサーチは非上場も含めた全国の企業を対象に老舗企業の分析をしています。
統計によって数字は異なりますが、日本に100年企業は約20000社あり、毎年約2000社が仲間入りを果たしています。日本の会社数は統計の種類より、総務省の150万社〜、国税庁の280万社まで大きく異なりますが、一般的には国税庁の数字をもとにしています。
このうち、創業100年以上の企業数は19,500社で、200年以上が938社、300年以上は435社です。ちなみに世界最古の企業として有名な金剛組は578年の創業で、聖徳太子が百済から招いた専門家の一人が創業した会社ですが、残念ながら2006年に破産して、1430年の幕を閉じてしまいました。現存する世界最古の会社は山梨県の慶雲館という旅館になりそうです。
100年以上存続している企業に最も大事にしていることを漢字一文字で表現してもらったところ、回答の多かった順に並べると「信」「誠」「継」「心」「和」「真」「変」「新」「忍」「質」になったそうです。なんとも東洋的な価値観を示す文字が並んでいるではありませんか。目先の損得よりも、目に見える即物的なことよりも、目には見えないし、耳には聞こえないお客様や関係者の思いを読み取ることの大切さを改めて教えられた気がします。
これら企業に共通しているのは「おっとりしている」「ロングレンジの見方をしている」「常に原点回帰しつつ革新を継続する」「人をとにかく大事にする」考え方だそうです。
当社が10年前に京都の老舗企業をインタビューしてレポートにしたことがあります。そこでも同様の言葉が経営者の口から語られています。
事業承継するには、さまざまな側面を見ながら進めなければなりませんが、基本は「人」を大事にすることに尽きると思います。
2012.06.15:
目加田博史
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【魅力的な沖縄市場】
沖縄に上陸して通算24年目になります。当時はバブル崩壊直前でしたが、崩壊寸前の異様な活気がありました。当時の人口は116万人。GDPは2.1兆円。一人当たり県民所得は]160万円で東京の1/2、全国の70%でした。今は人口140万人と増え、GDPは4兆円と倍増しました。
2008年の総務省統計局の「社会・人口統計体系」と内閣府の国民経済計算の「県経済統計」を分析すると、さらに、面白いことが分かります。
「社会・人口統計体系」は15歳未満の年少者人口と15歳〜64歳の生産年齢人口と65歳以上の高齢者人口のそれぞれの構成比が分かり、「県民経済統計」は都道府県のGDPや県民所得の推移を調査した統計です。
内閣府が公表している2009年の「県民経済統計」によれば、GDPのベスト5は東京85兆円、大阪36兆円、愛知32兆円、神奈川30兆円、埼玉20兆円です。ワーストは鳥取の1.8兆円です。京都は10兆円で13位、沖縄は4兆円で34位です。前年対比でみると全国平均で3.9%減ですが、唯一沖縄県だけが0.9%の増加となっています。
一人当たり県民所得でみると、ベスト5は東京390万円、神奈川309万円、愛知297万円、滋賀296万円、静岡292万円。ワーストは高知の202万円。京都は281万円で11位、沖縄は205万円で46位でした。前年に比べると全国平均は4.3%減となります。ここでも沖縄県、島根県、秋田県のみが横ばいか微増となっています。
現在の経済力からすれば、東京をはじめとした首都圏がダントツの勢いを見せていますが、全体的には縮小傾向にある日本経済の姿が明確です。しかし、個別にみると規模の経済だけでは見えないさまざまな風景が広がっています。
数字ばかりで面白くないかもしれませんが、もう少しお付き合いください。
今度は、経済ボリュームを生みだしている人口の年齢別構成比を見てみましょう。人口構成比からみると、全く違う景色が見えてくるのです。
生産年齢構成比でみると東京69.3%とトップ。2位が68.8%で埼玉と神奈川が続きます。大阪は66.6%、沖縄は65.1%。
高齢者人口構成比でみると、東京は19.1%、埼玉は17.3%、神奈川は17.7%、大阪19.6%と15%を越えて20%に近付いていますが、沖縄は16.5%で最も少ないのです。
未来の勢いを決定づける年少者人口の構成比を見てみると、東京11.6%、埼玉13.9%、神奈川13.5%、大阪13.8%と15%を切っていますが、沖縄は18.4%と全国一の多さを誇っています。年少者は今後生産年齢になり、所得を増やす原動力となってゆきます。
このようにみると、現在指標だけで判断するのではなく、未来指標も参考に経営を考える必要があります。長期のトレンドで見ると沖縄はなかなか面白い市場になることが統計上からも示していると言えます。
2012.06.15:
目加田博史
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【バリアフリーとユニバーサル】
日本の高齢化が急速に進んでいることは周知の事実ですが、国立社会保障・人口問題研究所の試算によると2000年に17.3%だった65歳以上の比率が2005年には20.1%、2030年には33.7%に増えるそうです。人口の1/3は65歳以上というのです。2010年の日本の平均年齢は44.8歳ですから、2030年には50歳越えているかもしれません。アメリカCIAのデータ「MEDIAN AGE」によると日本より平均年齢の高い国はドイツの44.9歳、モナコの49.4歳の2カ国だけです。先進国の高齢化が進み途上国が若年化で苦しんでいるという構図です。高齢化スピードで日本の後を追いかけている国はイタリア、スペイン、ドイツと中国です。
世界はこれから未体験ゾーンと言える高齢化社会になるわけです。そのような目で見てみると、気づくことがたくさんあります。
例えば、バス。今のバスはバス停で止まると、乗降がしやすいように、車体が歩道側に傾きます。路面との段差が随分と低くなりますので、足腰が弱いに人にはとてもありがたいことです。それに、バスはお年寄りが座るまで動きません。危ないですから。
ほとんどのタクシーは車いす対応サービスができ、ドライバーもその取り扱いの訓練を受けた人が多いように思います。
また、わざわざショッピングセンターに行かなくても済むようにコンビニの品ぞろえも随分と変わってきています。惣菜、中でも和食惣菜の充実は目を見張るものがあります。しかも、常温保存ができるレトルトで少量の食べきり用の個食になっています。銀行やクリーニングを併設しているところも増えています。スーパーは宅配に力を入れており、家に居ながら買い物ができるシステムが普及しています。これは高齢者と言うより、小さな子供さんがいる家庭とかも利用者が多いようです。他にも人口の変化に伴う、市場の変化に目をこらしてみましょう。
障害のないバリアフリー環境とどのような状態の方でも、公平で・自由度が高く・わかりやすく・負担が少ないユニバーサルなデザインはアイデアがますます増えていると思います。人がよりよく生きるかを考えた末に行き着くアイデアでしょうが、これを追求することがビジネスを拡大させてくれる時代になってきました。
高齢化する事によって、みえてきた未来があります。そして、まだ未体験の国々が新たな市場として拡大している事を考えると、とても、わくわくする楽しい未来がすぐそばにあります。バリアフリーとユニバーサルをキーワードにビジネスを再度見直してみませんか。
2012.06.15:
目加田博史
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【三省】
その顧問先企業は年度初めに一流ホテルの大宴会場を借り切り、メインバンクを始め、多くの来賓を招待して経営計画発表会を盛大に開きました。最初の発表会から今年でもう四半世紀がたちます。現社長に経営の実権が承継されて以来の伝統行事です。普段はユニフォーム姿の社員のみなさんも、その日は大事な大事なパーティに参加するようにきりりと引き締まった正装で全員が参加します。なぜ、来賓を招いて費用をかけて一流ホテルを借りて開くのかと言えば、経営方針がいかに重要であるかということを分かってもらうことと、トップ自らが発表した経営方針を不退転の決意で実行せざるを得ない状況に追い込むためです。
不景気の折ですから、会社の会議室で夕方の時間を利用して、身内だけの発表会を開いてもよさそうなものですが、日常を離れて、心地よい環境で、全社員がハレの衣装で、メインバンクや多くの来賓をお迎えし、真摯な気持ちで、実態を包み隠さず報告し、謙虚に反省し、新しい年度に臨む方針を誠実に発表する事により、会社のムードが変わるのです。過去と決別し、新しい未来をつくる決意と覚悟を決める絶好のチャンスです。
発表会の数日前から激励の言葉では何を伝えようかとあれこれ調べ考えていると、論語のある一節がぴったりくると思いました。学而編第一の「吾 日に吾身を三省す。人のために謀りて忠ならざるか 朋友に交わりて信ならざるか 伝えて習わざるか」というくだりです。その顧問先は年々業績とともに意識が高まり、社員一人一人の内面の充実が実感できています。業績に自信を持ち、引合も多く、指名や特命の仕事が増えてきており、業界では右に出るものが無いほどになっています。いままで以上に発展するためには、さらに内面の充実が必要と考えたのです。
前職ではこれを三省と称して唱和していました。「一、今日一日、わが社の業績を高める上に誤りなかりしか。 一、今日一日、わが社の信用を高める上に誤りなかりしか。一、今日一日、教えざること学ばざることなかりしか」
安岡正篤先生は三省の省という字の意味を「ふりかえる」だけでは不十分で、「はぶく」という意味をしっかりと受け止めて初めて意味があると言っておられます。日々、たびたび、吾身をふりかえり、謙虚に反省し、煩雑になりがちなものを、シンプルにし、無駄を省き、さらにスムーズにこなせるようにするのが三省の意味する所だそうです。
この顧問先のトップは実直を通り越した愚直を信念とされているぐらい人間のできた人物です。このトップにして三省が加わればますます将来が楽しみで、発展間違いなしだと確信した一日でした。
2012.06.15:
目加田博史
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【利益について】
ビジネスを通じて、雇用を拡大し、文化的な生活を送れるように世の中を豊かにしてゆくことは本当に素晴らしいことです。その貢献に対して社会から還元していただいたものが利益で、その利益をさらに納税と投資と雇用によって社会に再度還元してゆく。このサイクルを永久機関のように回してゆく事ができるのがビジネスです。
ところが、今話題になっている東京電力の値上問題は値上げやむなしという多くの人の善意を悪用したともいえるやり口ですし、AIJの年金資金消失疑惑は調べもせずに投資した年金基金の担当者の自己責任だと言わんばかりの態度で社会から歓迎して受け入れられる善循環とはどうもイメージが異なります。
それはなぜなのかと考えた時、「利」と「義」の関係が崩れた時に起きるビジネスが内在している負の局面が表面化したからだと思います。
「利」という言葉から連想されるのは、利益、便利、権利、欲得、儲け、資本主義、自分勝手、物質的、享楽的、経済、金融、ビジネス等さまざまな意味があり、社会に貢献するポジティブな意味にも、なんとなく利己的で打算的なネガティブなイメージにも取れます。
利を追求してゆくとこれで良いという限界がありません。際限なく追及して止まない性格を持っています。国内市場の成長が止まれば、国外にも広がってゆき、さまざまな摩擦を起こしつつも成長してゆかねば成り立たない本能があるのです。
それをセーブする機能が「義」という概念です。
では「義」という言葉からはなにを連想されるでしょうか。正義、義理、義務、倫理、道徳、主義等でしょう。簡単にいえば、世のため人のために役立つ。お役立ちという意味を連想できます。「利」と「義」の関係を昔の人は上手く表現しています。「義は利の本、利は義の和」(春秋左氏伝)。また「利によって行えば怨多し」(論語 里人)とも言っています。
「利」のベースに道徳ともいえる「義」が無ければ、「利」は行き詰まると言うのです。成長がとまると資本主義が行き詰まるように、常に拡大成長をしなければ成り立たないのが「利」の世界だと言えます。しかし、「利」の本に「義」があると成長してよい、成熟してよしの状態になり、調和のとれた社会を築けることになります。
だから、企業経営に哲学や理念が無ければならないというのはそのためです。今一度、「利」と「義」について考えてみましょう。
目加田博史
2012.03.30:
目加田博史
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【行動計画の立て方】
年度末と言うこともあって、経営計画作成のシーズンです。かねてより経営者の方は経営方針を、部門長の方は部門方針をどうするかと頭を悩まされていることでしょう。さらに行動具体策となると表現に苦慮しておられる方も多いと思います。
そこで、今回は行動具体策づくりのヒントをお伝えしたいと思います。
目標数字が決まりましたら、達成するための方針を作成します。経営者は会社の方向性を簡潔に且つ具体的に明示します。
部門長は、社長の示す方向性を踏まえて、部門目標を達成するための方針を掲げます。ここまでは大きな誤解もなく、総論賛成で決まると思います。問題はその次の、部門方針の行動具体策づくりにあります。
ある会社の営業部を例にとってみましょう。その会社は目標を達成するための部門方針として次の3つを決定しました。
「1.既存得意先の深耕を図る」「2.新規開拓」「3.営業マンのスキルアップ」。
1.既存得意先の深耕は、ベースとなる既存得意先の実績が目標の80%を占め、毎年発生するロスト顧客を考慮すると、最低でも昨年の10%は新たな提案や部門開拓で深耕策を図らねばなりません。2.新規開拓は目標の30%以上を割り当てます。そのための営業マンのスキルアップも欠かせません。「1.既存得意先の深耕を図る」の具体策を考えましょう。
良くある悪い具体策例
�…蟯�的にキーマン訪問し、提案する。 担当 全員 期限 通年
��依頼された見積りはスピーディにベスト価格で提案する 担当 全員 期限 通年
��上司の同行訪問を定期的に行う 担当 全員 期限 通年
�さ挂恩楜劼侶,蟲�こしを月1社行う 担当 全員 期限 通年
これでは目標達成する事はできません。やって当たり前の習慣又はルーチンワークなので、新しい取組みではないからです。これは経営計画に掲載するような具体策とは言えません。ではどうするか。次のように作成していただきたいのです。
本来の具体策例
�‐絨�3社のキーマンマップとスキママップを作成する。 担当 山田 期限5月30日
�▲泪奪廚鬚發箸棒鑪�を構築する 担当 部長 期限6月10日
�2樟發砲茲覺覯萃鶲討鮑鄒�し、戦略の検証作業を行う 担当 山田/部長 期限7月31日
�ぅ廛譽璽鵐帖璽襪虜鄒�とプレゼン訓練を実施する 担当 山本・山田 期限6月30日
従来よりも一歩踏み込み、顧客の内部情報入手して、マップ化する必要があります。その上で、顧客の問題解決にどのように貢献するかを戦略マップで理論武装するのです。部門方針の具体策は徹底・集中する内容に絞り込み、それで上手くゆけば継続し、上手くゆかなければ見直しをする柔軟性が必要です。
どんなことがあっても目標は変えないけれど、手段としての行動計画は柔軟に対応する姿勢を堅持しましょう。
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2012.03.21:
目加田博史
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【ロールプレイングを活用する】
1923年にヤコブ医師によって開発されたというロールプレイング技法はさまざまな分野で利用されています。もともとは医療現場で、ノイローゼやアルコール依存症の治療に適用されていましたが、戦後は管理者育成やセールスマンのスキルアップ手法の一つとして広く応用されています。
ロールプレイングは活用次第でとても有効な手法で、実際に直面する場面を想定し、理想的な状況にまで高めるために何度でも訓練する事ができます。
例えば、営業マンの訓練で、電話アポイントの取り方、初回訪問時の宿題の獲得方法、見積提出の確約の取り方、商談時に次のステップに進める時、仮説の検証段階、商談での提案時、提案のクロージング、契約時点での確認等それぞれの段階で活用できます。
電話アポイントを取る時も、既存のお客様と新規のお客様では全く対応が異なってきます。
既存のお客様の場合は何らかの要件、そのほとんどは大義名分となるもので、これが必要になります。どのように話されると時間をとって会ってみようと言う気になるかをロールプレイングで行います。
「近くまで行きますので、ご挨拶に」というと「いまは忙しいから、また今度お願いします」とかわされます。
「山田課長、こんにちは、ご無沙汰しております。山田課長様に耳寄りな情報を仕入れましたのでお会いしたいのですが、時間をとっていただけませんか」というと、「どんな情報です?」 「それはお会いしてからということで」 「OK、分かりました。明日の2時ごろどうですか」 「分かりました。2時にお伺いします。楽しみにお待ちください」という具合に展開します。これをロールプレイングでやることによって、相手の心理状況を予測する事ができます。
お客様の心理は微妙で、「会っても良いけれど、時間を無駄にしたくない。」「彼は強引なので、断りにくいからできるだけ会わないようにしよう。」「今は忙しいので来週にしてくれると良いのになぁ」「彼はいつも新しい情報を持っているから会いたいな」これらの心理情報を知るためにはどのようなストロークが良いか、キーワードは何かを知ることができます。また、お客様の人柄や価値観や口癖、いままでの対応履歴等をケーススタディとしてもっていればさらに精度の高い情報をもとにシミュレーションする事ができます。
実際の商談ではやり直しがきかないので、事前にロールプレイングでシミュレーションを行うことで、現場で起きる可能性を知り、その対処法を事前に身につける事で本番では余裕を持って対応する事ができるのです。だから、ロールプレイングではできるだけ場数を踏むことです。さらに、大事なことは、客観的に自分を見ることです。そのためにはビデオで再確認することです。また、観客役の人からアドバイスをもらうことによって、どの部分をどのように矯正すればよいかが分かります。それを踏まえて再度ロールプレイングを行いビデオで確認します。
さあ、カメラを回して、具体的に克服したいテーマでロールプレイングをして、仲間のアドバイスをいただきましょう。ビデオで客観的に自分を見つけて、成長させましょう。
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2012.03.15:
stepup
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【目標は予定でなく結果だ】
ビジョンや目標についての考え方は様々ですが、前職では「目標は予定ではなく結果だ。単なる目安にすぎないなら、目標設定する意味がない」と鍛えられました。
加えて、「挑戦するに値する目標を設定せよ。それには、達成できる妥当性と向上目標が加味されねばならない」。挑戦するに値する目標の目安は昨年実績の120%以上。毎年120%の目標を設定し、毎年達成すると、5年で2倍、7年で3倍、10年で5倍になることが分かります。なぜ120%かと言えば、容易には達成できないが、不可能ではないという線だと教えられました。なかなか「きつい」考え方です、心身ともに。このころは能力不足を体力でカバーするしかなかったので、睡眠時間は3時間、年間休日は4日でした。
さらに、沖縄では、皆が等しく持っている万能機械「潜在能力」の活用法を学び、「思い」や「志」を付加する事が、自分を成長させる上で極めて重要だと気づきました。それ以来、VW方式(フォルクスワーゲン方式と呼んでいます)を提唱しています。目標をスケールアップするのです。
VWというのは指でVサインをすると指が2本立ち、Wサインをすると指が3本立ちます。つまり、目標は実績のV(2倍)、W(3倍)を設定しようという意味です。
「それは無茶だ。現実的ではない」と皆さん言われます。私はそうは思いません。現実的な実績の5%アップを目標にして達成できるでしょうか。却って、悪い結果になった経験を嫌というほどしてきました。なぜだと思いますか? 目標が現実的であればある程、従来の路線を踏襲し、やり方を変えません。思い切った冒険や新しい事に挑戦しないのです。昨年よりもお客様を訪問して、提案して、見積を出して、新規開拓に励んで、新製品のキャンペーンに努力する計画になります。ならば、昨年は、めいっぱい努力しなかったのかと言えば、そんなことは無いですよね。しかし、計画では昨年以上に「既存深耕・新規開拓・商品開発」する方向で満足します。積み上げ式ですから、予定していた案件がだめになるとそれを取り返すのに精いっぱいで、結果的に昨年並みか昨年割れで終わるのです。、「がんばります」一言張りの根性論と一緒ですね。だから、苦戦こそすれ大きく飛躍する事は無いのです。
しかし、目標が2倍、3倍ならどうしますか。従来路線や根性論では無理だというのは、瞬間的にわかりますよね。上手くいくか行かないかは分からないけれども、2倍、3倍やるためには何をすればよいかを考えて、具体的に計画し、チャンレンジしてゆくでしょう。いままでの実績の80%程度はベースと考えて間違いないですから、ベースを除いた分がチャレンジ目標です。目標を達成しようとすると発想に「遊び」が必要になってきます。良い意味での開き直りです。結果の約束はできないが、とにかくやってみよう。上手くいかなければまた考えようという気になります。そうすると、いままでやっていないことにチャレンジするので、結果的に昨年実績の150%とか、200%というような実績が生まれるのです。上場企業は株主への正しい経営情報を提供しなければ違法になりますからこの芸当はできませんが、非上場の中小企業は全く自由です。
目標管理の時は必達目標と努力目標(ブルー目標とも呼びます)を分けてもかまいませんし、最初からVW目標でやってもかまいません。
不思議ですね。緻密に根拠を積み上げて、立てた計画は達成が難しく、発想だけで根拠もないのに2倍、3倍の大ぼらを吹いた方が、大幅な飛躍をするなんて。
先が不透明で読めない、縮小志向のデフレ時代は、「遊び」発想が必要ではないでしょうか。現実のエビデンスの積み上げ方式だけでは近視眼的になり、お客様の言動に一喜一憂して挙句の果てに土壇場で失注して身動きが取れなくなります。同じやるなら実現したい大ぼらを吹いて、称賛される大見えを切った方が楽しいし、楽しいから難題にも挑戦しようとするし、挑戦するから結果が出るので、またまた楽しくなると思いますが、いかがですか。
2012.03.15:
目加田博史
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