「資材費や人件費が想定を上回る勢いで高騰しており、計画を見直さざるを得なくなった」―。5日開催された市議会議員説明会で、市側は現在進められている新花巻図書館の「駅前立地」について、「概算事業費が計画時の約40億円から15億円増の55億円に膨れ上がった結果、延床面積や蔵書数などの大幅な見直しを迫られることになった」と説明した。
この件について、議員側から質問が相次いだ。「見直しをしないで当初計画通りに実施した場合、どの程度の事業費が想定されるか」という質問に対し、市側は「60億円から70億円程度」という数字を初めて、明らかにした。その一方で、国からの第1回目の補助金が要望額の約4億4千万から約1億6千万へと大幅減額された件について「今後も減額が続いた場合、どうやってその穴埋めをするのか」との問いに対し、市側はこう答えた。「いま、充当できる財源を財務当局と模索している」―。思わず、ため息が出た。消費減税1%の「財源」を未だに明らかにしていない高市政権と瓜二つじゃないか…。念を押しておくが、この際の財源とは市の自主財源、つまりは市民の財布を直撃する”税負担”を指している。
10年以上にわたって、迷走を繰り広げてきた新図書館問題は現在、「基本・実施設計業務」を請け負っている「昭和設計・tデ・山田紗子建設設計事務所共同企業体」が作業を続けており、今回公表されたのは「基本設計」段階での見直し。それによると、主な見直し部分は①計画時の延床面積(約4,500㎡)を300㎡減らして、約4,200㎡へ、②計画時の蔵書数(約70万冊)を30万冊減らし、約40万冊に(開館時は約21万冊)、③建物の高さを押さえるなどシンプルな構造へ。イベントに配慮して、広場の拡張工事は中止する―などとなっている。
「言葉は厳しいが、これはある種の役所ぐるみの“詐欺”事件ではないのか」―。議員説明会を傍聴しながら、怒りがムラムラと込み上げてきた。“迷走劇”の場面が走馬灯のように頭を駆け抜けていった。駆け足で振り返ると―
・「花巻市立地適正化計画」(平成28年6月)の中で、立地場所を旧花巻病院跡地を含む「まなび学園」周辺と明記
・「住宅付き図書館」の駅前立地構想(令和2年1月)が市民参画手続きを経ないまま、突然浮上。同年11月、白紙撤回へ
・対話型「市民会議」(令和6年12月~同7年2月まで4回)が「駅前立地」を了承。統計学を無視した数字の“捏造”(ねつぞう)ではないかとの批判が
・「新花巻図書館整備基本計画」が正式決定(令和7年5月)。駅前立地が本決まり
・小原勝市長が初当選(令和8年2月)。上田東一前市長の図書館行政を踏襲
・国の補助金が大幅減額に(令和8年6月)。駅橋上化や駅前図書館など駅前開発にかかる国の補助金が約4・4億円の要望に対し、わずか約1・6億円の減額回答。”減額“ショックが広がる
・前記「基本計画」の抜本的な見直しへ(令和8年10月)
予算「カット」発言―。首長に対する国会議員(現職大臣=元裏金議員)による恫喝まがいの暴言が炎上している。当市における「減額」回答について、市側は「個別の案件についての国からの説明はない」としている。一体、その陰には何が…
上田前市長はかねがね、駅橋上化事業と新図書館建設という二大プロジェクトは「別物」だと口を極めて主張し続けてきた。ところが、国への補助金要望は「都市構造再編集中支援事業費補助金」に1本化されていたことが分かった。つまり、別物どころか最初から「ワンセット」だったことが今回の減額“騒動”で、白日の下にさらされたというわけである。長年にわたって、市民を騙(だま)し続けてきた「ウソ」がばれたのである。「逆もまた真なり」―。ひょっとしたら、当市の詐欺まがいの手法がお上の耳に届いたのかも……
今回の計画見直しの中で、市側は他自治体の事例も紹介している。例えば、今年7月に開館した御殿場市立図書館(静岡県)の場合、総事業費が計画時より10億円増の45億円になったにもかかわらず、延床面積(約3,800㎡)は変わらず、逆に蔵書数は1万冊増の32万冊に増えている。“目くらまし”のつもりが、逆に“やぶ蛇”だったという自らのお粗末に市側は気が付いていないらしい。「イーハトーブ“図書館”迷走交響曲」もいよいよ、最終章を迎えつつあるようだ。
(写真は新図書館が建設される予定の元スポーツ用品店(左側)と既存のホテル(右側)。奥に見えるのがJR花巻駅で、橋上化のための解体工事が近く始まり、10月24日からは「仮駅舎」がオープンする=花巻市大通りで)
≪追記ー1≫~やっぱり、スルー!?
26日付当ブログで言及した小原勝市長の「部落発言」問題について、何らかの“釈明”があるのではないかと思い、5日開催の市議会9月定例会最終日の本会議を傍聴したが、何もなかった。“悪臭”公害で揺れる「化製場」問題に絡(から)めて、なぜこの発言があったのか。どこまで続く、ぬかるみ(小原“闇”)ぞ…
≪追記―2≫~お忙しいようで
「誤政道」を名乗る方から、以下のような痛烈なコメントが届いた。実は私自身も市長の立ち位置を確かめるために議員説明会に顔を出したが、空振りだった。最近、この方の”心の闇”が空恐ろしくなってきた。
「市HPで公開されている市長日程だと、今日の議員説明会には出てませんね。こんなに大規模な事業なのに、大幅な事業費増になっちゃって市長が説明しないのって、どうなんですかね。でも、6時半からホテル花城で議員との懇談会が載ってるから、酒飲みながら説明するのかなあ。市長って忙しいからしょうがないかもね。明日からアメリカに旅行するようだしね。議員との飲み会には出られるんだから、来週からの市民説明会には当然出席して、先頭に立って市民に話しするでしょうね。でも、一人10分ルールを適用するのかな」
≪追記―3≫~これも出費増?
前記「誤政道」さんから、以下のような連投があった。
「市長日程のアメリカ旅行の理由が見えなかったんだけど、ラットランド市との提携40年なんですね。6月に市民ツアーを募集している記事がありましたよ。そのときで旅行料金が約50万円(予定)と書いてるけど、実際はいくらになったのかなあ。新図書館がすんごく高くなったから、同じ感じなのかな。それにしてもそんな節目の年って、市民はあんまり知らないような気がする。みんなの税金使える人たちっていいですよね。予算を議決する市議会の議長も行くようだし。もっと即決してほしいこと山積みですよね」





