断捨離「大作戦」(「本の目利き」三人衆ーその2)…「港」という小宇宙の不思議な空間!!??

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 「人や本や、そして色んなモノたちがより集う場所こそが港。だから、『港』と名づけたんです」―。原油の積出港が攻撃され、ホルムズ海峡の封鎖問題で全世界が揺れる中、私は店主の村上巨樹さん(43)の言葉に「そうだよな」といちいち、うなずいていた。名刺には「古書、レコード・CD、東南アジア食品…」と印刷され、裏には入港する大型船のデザインがあしらってある。JR花巻駅近くに2年前の秋に開業。いわゆる、“古本屋”とは一味ちがう雰囲気である。突然、店の奥からギターをつま弾く音が聞こえてきた。

 

 もともと、音楽好きだった村上さんは中学1年の時、ギターの音色に取りつかれた。特訓を受け続け、ギター奏者としての腕はめきめき上達した。やがて、作曲も手がけるようになり、自主音楽レーベル「CADISC」を主宰するほか、ギターとドラムだけのバンド「te-ri」(テーリ)を結成。ヨーロッパやアメリカの縦断ツアーも敢行した。転機が訪れたのは東日本大震災(3・11)。地元・花巻の高校から東京の大学を卒業し、ごく普通の社会人生活を送っていた。未曽有の大災厄…村上さんはきっぱりと都会に別れを告げた。

 

 田舎暮らしのそんなある日、何気なく聴いたYouTubeからポップ調の音楽が流れてきた。海を隔てたミャンマー(首都ネピドー)で開かれた音楽イベントの映像だった。これまで耳慣れない旋律(メロディー)にビビッときた(らしい)。それはひょっとしたら、“民族の魂”みたいなものだったのかもしれない。2016年、念願のミャンマ―へ。祭りや儀式に流れる、仏の国ならではの独特の旋律に肌が敏感に反応した。生来とも言える“文化人類学”的な嗅覚がそれを生み出した風土や歴史の探求に向かわせた。

 

 太平洋戦争中、旧日本軍はタイとビルマ(現ミャンマー)とを結ぶ泰緬鉄道〈415km〉の突貫工事に着手した。旧連合国捕虜や現地のアジア人労働者など10万以上が犠牲になり、“死の鉄道”とも呼ばれた。昨年9月、タイ側のカンチャナブリから現場に足を運び、当時のビルマ戦線の悲惨な歴史の記憶を心に刻んだ。

 

 映画「ビルマの竪琴」(竹山道雄原作・市川崑監督、1956年)は日本兵「水島上等兵」が復員後、僧侶に帰依(きえ)して亡き戦友の霊を弔うという筋書きである。水島上等兵が竪琴で「仰げば尊し」をつま弾くシーンが後半部分に出てくる。日本への帰国が決まった戦友とビルマの土になることを心に決めた水島上等兵との最期の別れの場面である。「今こそ別れめ、いざ、さらば…」―。「加害と被害の描写があいまいだ」という批判を承知しつつ、私はこのシーンに何度も涙をこらえることができなかった。

 

 「僧侶が音楽演奏をすることが禁止されているので、この映画は今もミャンマ―では上映禁止になっています」と村上さんは話し、こう続けた。「でも、あの最後の場面にはやはり…」―。「サウンガウッ」と呼ばれる竪琴は千年以上の伝統を有する民族楽器で、映画に使われたのもこれである。「まだまだ、手が届きません。一日も早く、あの深い音色を自由に操りたい」と村上さん。と次の瞬間、背後の本棚からどぎついタイトルの本が目に飛び込んできた。

 

 『宮沢賢治殺人事件』(1997年3月、太田出版)―。筆者のノンフィクション作家、吉田司さんとは旧知の仲だった。この1年前、賢治のふるさと「イーハトーブはなまき」は生誕100周年を祝うイベントで盛り上がっていた。ある時、彼から突然電話がかかってきた。

 

 「このお祭り騒ぎにはホトホト、嫌気がさしてきた。おれは賢治の聖者伝説、つまり“神話崩し”をやろうと思う。ところで、あんたのふるさとは花巻だったよね。ただのぶった切りでは身も蓋(ふた)もない。あんたは等身大の賢治を描いて、合わせて一本勝負というのはどうかね」―。滑り込みのセーフ。賢治が“殺される”、わずか1か月前に上梓されたのが拙著『賢治の時代』(1997年2月、岩波書店)だった。

 

 ギターの音が聞こえなくなった。副業にしている「ギター教室」が終わったようだった。ブログ用の写真撮影に応じた村上さんがポツリと言った。「僕はアイヌ民族の『ウポポ』(座り歌)にも興味があるんです」―。コロナ禍で最後の古書店が消えたのが開業の直接のきっかけだったが、約5000冊の本に囲まれた空間に身を置いているうちに違った肌合いを感じた。「時間と空間とが無限に交差する小宇宙」…これこそが古書店「港」ではないかと。そして「真の意味でのナラティブ(物語性)は古書や歌や踊りといった、混然一体とした空間から生まれるのではないか」とブツブツと独り言ちていた。

 

 

 

 

 

 

(写真はギターを手に“本談義”に興じる村上さん=花巻市大通り1丁目で)

「断捨離」大作戦(「本の目利き」三人衆ーその1)…イーハトーブ(花巻)からニライカナイ(沖縄)へ!!??

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 「南と北の歴史に学ばなければ、中央(ヤマト)は見えてきませんから…」―。私の「断捨離」大作戦はこの極めつきの“決めゼリフ”がきっかけでスタートした。2年前の冬から翌年の初夏にかけて、私は沖縄・石垣島に短期移住した。当ブログでも度々、紹介した拙著『「イーハトーブ“図書館”戦争」従軍記』(2026年1月刊)の執筆に当たり、この“戦争”の実相を基地(戦争)と背中合わせの南の島から、少し距離を置いて考えてみたいと思ったからである。

 

 寄宿先のすぐそばに古書&カフェの看板を掲げた「うさぎ堂」という古書店があった。店内の「沖縄」関連本の向かいの棚には10数冊のアイヌ民族に関する書籍が収められていた。現役時代、私は若い記者仲間とチームを作り、全国版に28回にわたってアイヌ民族の現状についての連載記事を掲載した。このシリーズは後に『コタンに生きる』(「朝日新聞アイヌ民族取材班」著、1993年11月岩波書店刊「同時代ライブラリー」)と題して、出版された。その際に蒐(しゅう)集したアイヌ民族に関する書籍や資料、証言テープなどが留守宅に山積みになっていることが以前から、気にかかっていた。「この貴重な資料をバトンタッチしてくれる人はいないか」…

 

 「もし、よろしかったら…」―。老い先短い老残の願いを快く聞き入れてくれたのが「うさぎ堂」の店主、千葉茂之さんの“決めゼリフ”(冒頭)だった。帰郷した私は本棚に眠ったままになっていた関連本を数回に分けて、千葉さん宛てに送った。その数はざっと140冊。数日前、千葉さんから「『ゴールデン・カムイ』の影響で、アイヌの言葉や習慣に興味を持つ若者が増え、その関係の本が先行して手に取られています」という嬉しい知らせが届いた。『ゴールデン・カムイ』(野田サトル著、全31巻)はアイヌ文化を基底に据えた活劇マンガで、2018年にはアニメ化された作品が手塚治虫文化賞を受賞している。

 

 千葉さんは24年間、東京の書店員として働いた後、9年前に奥さんの生まれ故郷である石垣島でいまの古書店を開業した。競合する大型店舗との死闘を綴った『傷だらけの店長―街の本屋24時』(新潮文庫)と題する隠れたベストセラー本がある。著者の「伊達雅彦」は千葉さんのペンネームである。文庫版書き下ろしの中で、千葉さんは「いまだ本の仲介者として」というタイトルでこう書いている。

 

 「楽しい。新古書店で、棚に並ぶ本の背表紙をなめるように眺めて、本を探す。これほど熱くなれる『仕事』は、他に見つけることができない。ひょっとしたら、本を読むことより夢中になれるかもしれない。私はいま、『顧客』から探索を依頼された本を探している。書店という職場を離れ、それでもこの行為だけが私に残った。新刊書店という枠に捉(とら)われず、本を探している人のもとへ、困っている人のもとへ、求める本を送り届ける。この原点とも言える仕事こそ、書店員の仕事以上に、私が求めていた、本への理想的関わりかもしれなかった」

 

 「持ち主が代わり、新たな視線に触れるたび、本は力を得る」―。世界的なベストセラーになったスペイン人作家、カルロス・ルイス・サフォン(1964~2020年)の『忘れられた本の墓標』シリーズ(4部作)の中にこんな一節がある。カルロスはこうも語っている。「目にするすべての本、すべての巻物には魂がある。それを書いた人の魂、それを読んだ人、それを生きた人、それを夢見た人の魂」―。さて、この「断捨離」大作戦が今後、どのような展開を見せるのかーどうぞ、お楽しみに…

 

 

 

 

 

(写真は「うさぎ堂」の店内に並べられたアイヌ関連本=千葉さん提供)

 

 

 

 

 

『イーハトーブ狂騒劇』(全10幕)=「3・11」から15年…あの日あの時、イーハトーブの足元では一体、何が~「義援金流用」疑惑から「さっさと帰れ」発言へ!!??

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〈第1幕〉~論告求刑

 

 ●「本件に対する(懲罰)委員長報告は、増子義久君に戒告の懲罰を科すことであります。本件を委員長報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。起立多数であります。よって、増子義久君に戒告の懲罰を科すことは可決されました」●(2011年12月2日開催の12月定例会会議録から)。花巻市議会が開設されて以来初めてとなる、現職市議に対する「懲戒」処分は一人を除く賛成多数で可決された。私が「集団リンチ」事件と名づける、今なお消すことができない“悪夢”の記憶である。

 

〈第2幕〉~東日本大震災の発生

 

 発端は約9ヶ月前の3月11日に発生した東日本大震災にさかのぼる。この日、市議会では予算特別委委員会が開かれていた。前年に初当選した私は奇しくもこの同じ日に71歳の誕生日を迎えていた。何かに突き動かされるような思いで、私は宮沢賢治の「イーハトーブ」(理想郷)に託し、未来への希望を表明した。数時間後の午後2時46分、議場全体が崩れ落ちるのではないかと思うほどの激しい揺れに襲われた。未曽有の大災厄はこうして、襲いかかってきたのだった。

 

〈第3幕〉~「ゆいっこ花巻」の結成

 

 「何をやるべきか、何をやらなければならないのか―。走りながら考え、みんなで知恵を出そうではありませんか。試されているのは私たち自身の側なのです」(「設立趣意書」)―。受難者に寄り添うという賢治の「行ツテ」精神に背中を押された私は有志に呼びかけ、震災3日後に支援組織「ゆいっこ花巻」を立ち上げた。「多弁を慎め。ただひたすら被災者のこころに耳を傾け、がれきの微細に目を凝らせ」―。沿岸被災地の支援拠点のテント(コメント欄に写真掲載)には己を鼓舞するための貼り紙を張り付けた。やがて、せせら笑うような声があちこちから聞こえてきた。

 

〈第4幕〉~「義援金流用」疑惑

 

 「他人の金を自分のポケットに入れるようなものではないのか」―。震災で中断していた6月定例議会(議案審議)が6月23日に開かれ、私はいわゆる「義援金流用」疑惑について、市側を追及した。被災者への災害義援金は会計処理上、本来は別会計(歳計外現金)で処理すべきとされていたが、当市の場合は寄付金名目で「一般会計」(歳計内現金)として、計上されていたことが明らかになった。

 

 当時、当市の温泉旅館や雇用促進住宅などには千人以上の沿岸被災者が避難していた。直接、支援に当てられるべき災害義援金がこともあろうに、被災者を受け入れた温泉旅館などに「被災者受入事業補助金」として、支出されていたのである。「まるで、猫ババではないか」―。この日、その使途に疑念を持つ内陸避難者が傍聴席を埋め尽くしていた。市側はのちに、災害義援金をめぐる法的”瑕疵”(かし)を認め、会計処理を適正化したが、目の前の議場内ではにわかには信じられないような”事件”が勃発していた。

 

〈第5幕〉~「さっさと帰れ」発言

 

 「さっさと帰れ」―。昼食で質疑が中断した直後、私は傍聴席がざわついているのに気がついた。駆け上ってみると、複数の内陸避難者が「傍聴席に向かって、男性議員(故人)から『さっさと帰れ』と暴言を浴びせられた」と口々に訴えていた。私は議長に対し「着のみ着のままで投げ出された被災者に対し、これ以上の暴言はない。厳重に注意してほしい」と申し入れて、降壇した。途端に、敵意の矢がいっせいに向けられるのを肌に感じた。何か不穏な動きを察知したのである。

 

〈第6幕〉~「発言調査委」と「懲罰委」が設置、そして場外乱戦

 

 「議員発言調査特別委員会」―。私の発言内容を調査するという前代未聞の会議が議長を除く全議員で設置された。傍聴者や議場内にいた職員、当事者である私を含む議員全員に対し、約3か月以上にわたって厳しい“尋問”が続けられた。当時、傍聴席にいた妻(故人)にまで聞き取りは及んだ。「さっさと帰れ、という発言があったという確証は得られなかった」(10月4日)―という結論を待つかのようにして、今度は「懲罰特別委員会」(議員8人で構成)が設置された。冒頭の「懲罰」処分がそれである。一方で、議会の動きと並行するように“場外乱戦”(ブログコメント)も炎上しつつあった。

 

 「自作自演の狂言じゃないのか」「被災者を議場に呼び込んで、扇情まがいなことを企む」「民主主義のルール、多数決の論理にも従わず暴言を続ける71歳の悪あがき」「議員なんて辞めて、お遍路にでも出た方が市民が喜ぶと思いますよ」…。心理学上の「集団ヒシテリー」とはこのことかと思った。罵詈雑言(ばりぞうごん)の嵐の中で、言い渡された“判決文”にはこう書かれていた。

 

〈第7幕〉~判決言い渡し

 

 ●「増子義久議員は、平成23年10月4日の本会議において、議員発言調査特別委員会委員長の委員長報告に対する反対討論の発言中に、『一方に偏した議事運営こそが白を黒と言いくるめようと意図する委員長報告の欺瞞性を白日のもとにさらしていると思います。つまり、この報告は(「さっさと帰れ」)発言を聞いたとする10人全員が事もあろうに口裏を合わせてうそをついたということを言外にほのめかす内容』との言辞を用いたことは、花巻市議会の品位を汚したものであり、花巻市議会会議規則第137条に規定する品位の尊重に違反するものである。よって、地方自治法第135条第1項第1号の規定により戒告する」●(2011年12月定例会の会議録から)

 

〈第8幕〉~あれから15年

 

 「あれっ、まだこの人が…。顔ぶれひとつ変わってないじゃないか」―。あの日から15年たったこの日もたまたま、予算特別委員会が開かれていた。当時、私に対する処分の先導役のひとりだった阿部一男議員(社民クラブ=当時は平和環境社民クラブ)が委員長席に座っているのを見て、奇妙な感慨にふけってしまった。件(くだん)の議員は処分に際し、こう発言していた。「議会の規律と品位を保持するために科したということを重く受けて止めていただきたい」(2011年11月22日開催の「懲罰特別委員会」の会議録から)

 

 「義援金流用」疑惑から「さっさと帰れ」発言…。「むき出しの“悪意”は一見影をひそめたようだが、事態は逆に陰湿になりつつある」ー。私は予算審議の模様を議会中継を聞きながら、そう思った。いま目の前では民意を無視する形で、新花巻図書館の“駅前立地”が強行されようとしている。議会の大勢にもこれに異議を唱える気配は感じられない。議会の生命線といわれる「二元代表制」の”規律”と”品位”が本当に保持されている―と阿部委員長、あなたは本気で思っているのか。委員長としての議事進行のおぼつかなさを見せつけられ、ますます不安が募ってきた。

 

〈第9幕〉~「愛犬のコロがね…」

 

 議会中継を中座した私は市内の寺院「妙円寺」(愛宕町)に向かい、「勿忘(わすれな)の鐘」をついて、犠牲者の霊に手を合わせた。「ゆいっこ花巻」の有志が欠かさずに続けてきたこの追悼のつどいも物故者が相次ぎ、内陸避難者の今年の参加者はわずか3人だった。その中のひとりで福島原発事故で被災し、南相馬市から当市に避難した泉田ユキイさん(82)がちょっと見てと言って、スマホに保存してあった新聞記事の画面を開いた。

 

 「愛犬のコロがね、飼い主の顔を忘れたみたいに近づいて来ないの。あの時はショックだった」―。記事はこう始まっていた。当時、筑紫女学園大学(福岡県太宰府市)の学生たちが被災地のボランティア活動をしながら、被災者の過酷な体験談の聞き書きを続けていた。泉田さんは置き去りにしてきたコロのことが心配になって、約1ヶ月後に連れ戻った時の様子をこんな風に話していた。「白骨化した牛の死骸、ヨロヨロとさ迷う動物の群れ…。原発事故もそうだけれども、人間って一体なんだろうか。そんな深いことを考えさせられた」―。2012年3月20日付の「ゆいっこ新聞」に私が書いた記事だった。「私の形見よ」と泉田さん。「こうやって出会えるのも何かの縁ですね。実は今日が誕生日なんです。おかげ様で86歳を迎えることができました」と私は返した。

 

〈第10幕〉~倫理の根源

 

 15年前、被災地・宮城県石巻市出身の作家、辺見庸さんは「慟哭」(どうこく)の言葉を以下のように綴っていた。「3・11」から3代目となる小原市政の下、今夏にはイーハトーブの未来を占う市議会議員選挙が行われる。3度目の正直…今度こそ、選択を誤ってはなるまい。真の意味での「二元代表制」を確立するためにも…

 

 「怒れる風景は怒りのわけをおしえてくれない。ただ命じているようであった。畏(おそ)れよ、と。われわれはこれから、ひととして生きるための倫理の根源を問われるだろう。逆にいえば、非倫理的な実相が意外にもむきだされるかもしれない。つまり、愛や誠実,やさしさ、勇気といった、いまあるべき徳目の真価が問われている。見たこともないカオスに中にいまとつぜんに放りだされた素裸の『個』が、愛や誠実ややさしさをほんとうに実践できるのか。家もない、食料もない、ただふるえるばかりの被災者の群れ、貧者と弱者たちに、みずからのものをわけあたえ、ともに生きることができるのか」(2011年3月17日付「岩手日報」)―

 

 

 

 

 

 

(写真キャプション=「義援金流用」疑惑と「さっさと帰れ」発言について、真実を知ってもらうために各地区で個人報告会を開催した=2011年6月、市内の地区公民館で)

 

 

 

〈注〉~『イーハトーブ騒動記』

 

 東日本大震災に端を発した花巻市当局と市議会側の乱脈ぶりについては、拙著『イーハトーブ騒動記』(2016年3月11日、東京・論創社刊)に詳述した。本来ならば、こうした危機をきっかけに「二元代表制」が効果的に機能を発揮するはずであったが、当市の場合、逆に崩壊の道を転げ落ちてしまった。郷土の詩人で童話作家の宮沢賢治が理想郷と名づけた「イーハトーブ」の地がその現場だったことに私は言い知れない衝撃を受けた。そのトラウマを今も引きずっている。

 

 

 

 

 

 

 

★オンライン署名のお願い★

 

 

 「宮沢賢治の里にふさわしい新花巻図書館を次世代に」―。「病院跡地」への立地を求める市民運動グループは七夕の(昨年)7月7日から、全世界に向けたオンライン署名をスタートさせた。イーハトーブ図書館をつくる会の瀧成子代表は「私たちは諦めない。孫やひ孫の代まで誇れる図書館を実現したい。駅前の狭いスペースに図書館を押し込んではならない。賢治の銀河宇宙の果てまで夢を広げたい」とこう呼びかけている。

 

 「わたくしといふ現象は/仮定された有機交流電燈の/ひとつの青い照明です/(あらゆる透明な幽霊の複合体)」(『春と修羅』序)―。賢治はこんな謎めいた言葉を残しています。生きとし生ける者の平等の危機や足元に忍び寄る地球温暖化、少子高齢化など地球全体の困難に立ち向かうためのヒントがこの言葉には秘められていると思います。賢治はこんなメッセージも伝え残しています。「正しく強く生きるとは銀河系を自らの中に意識してこれに応じて行くことである。われらは世界のまことの幸福を索(たず)ねよう、求道すでに道である」(『農民芸術概論綱要』)ー。考え続け、問い続けることの大切さを訴えた言葉です。

 

 私たちはそんな賢治を“実験”したいと考えています。みなさん、振って署名にご協力ください。海外に住む賢治ファンの方々への拡散もどうぞ、よろしくお願い申し上げます。

 

 

●オンライン署名の入り口は以下から

 

https://chng.it/khxdhyqLNS

 

 

●新花巻図書館についての詳しい経過や情報は下記へ

・署名実行委員会ホームページ「新花巻図書館を宮沢賢治ゆかりの病院跡地に!]

https://hanamakibiblio.jimdosite.com/

 

・ヒカリノミチ通信(増子義久)  https://samidare.jp/masuko/

 

・おいものブログ~カテゴリー「夢の新花巻図書館を目指して」   https://oimonosenaka.seesaa.net/ 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「“文武両道”の雄星さんを新花巻図書館の名誉館長に」…『平家物語』から「雄星」物語へ~今年一番、売りたい本へ!!??

  • 「“文武両道”の雄星さんを新花巻図書館の名誉館長に」…『平家物語』から「雄星」物語へ~今年一番、売りたい本へ!!??

 

 「新図書館が完成した暁(あかつき)には大変な読書家として知られる大リーガー(ロサンゼルス・エンゼルス)の菊池雄星投手に名誉館長職をぜひ、お願いしていただきたい」―。花巻市議会3月定例会一般質問の3日、羽山るみ子議員(はなまき市民クラブ)は新花巻図書館の整備計画に関連し、こんな質問をした。これに対し、小原勝市長は「大変、興味深い素晴らしい提案だと思う。実現に向けて、前向きに考えたい」と答えた。同議員は3年前の6月定例会でも同じ趣旨の質問をしていたことを思い出したが、その時はスルーしたのを覚えている。今度はなんと身を乗り出すようにして議会中継に聞き入っているではないか。

 

 桃の節句のこの日、雄星投手にとっては初めての書き下ろしとなる『こうやって、僕は戦い続けてきた―「理想の自分」に近づくための77の習慣』(PHP研究所)が刊行された。地元書店で先行発売された同書をすでに読んでいたせいかもしれないが、今回の質問にはまさに鳥肌が立つような感覚を覚えた。正直に言えば、雄星本に先制パンチを食らい、ダウン寸前だったのである。いきなり、こんな文章に遭遇した。

 

 「僕にとっての最高の人生のバイブルは『平家物語』です。かの有名な一節、『奢(おご)れる人も久しからず』『盛者必衰(じょうしゃひっすい)の理(ことわり)を顕(あらわ)す』は、まさに『諸行無常』(しょぎょうむじょう』というこの世の真理を突いています」―。34歳の大リーガーはこの中世物語を自分流にこう読み解いていた。「人生は諸行無常であり、いつかは衰(おとろ)えるものだからこそ、今この瞬間を謙虚に、そして大切に生きよう。そう思わせてくれる、非常にポジティブな力を与えてくれる本なのです」。そういえば、私が初めての本(『三井地獄からはい上がれ』)を執筆のも同じ34歳の時だったことをハタと思い出した。この偶然にびっくりした。

 

 本書に掲げられた「77の習慣」はその自己実現に向けた挑戦の記録である。後半分に突然、喜劇王のチャールズ・チャップリンが登場する。「人生はクローズアップで見ると悲劇だが、ロングショットで見ると喜劇だ」―。チャップリンのこの言葉を引き合いに出しながら、雄星投手は以下のように語っていた。この若き野球人の“人生”哲学に不覚にも涙を流してしまった。

 

 「目の前のワンプレーに一喜一憂(いっきいちゆう)するクローズアップの視点だけでは、人生は苦悩と後悔に満ちた悲劇に見えてしまうこともあります。しかし、カメラをぐっと引いて、人生全体を俯瞰(ふかん)するロングショットの視点で見れば、今の苦しみも、壮大な物語を構成する一つのおもしろいエピソードにすぎないのかもしれません。…それは、人生をロングショットで捉え直す、強力な思考ツールです。そうすることで、僕たちは目の前の悲劇を、未来の喜劇へと変えていけるような気がします」ー。無意識のうちに、波乱万丈の我が人生行路を重ねていた。ふむふむ…

 

 私は(2月)21日に開催された新花巻図書館の基本計画にかかるワーキショップ(WS)に公募委員として参加。市全体を「スポーツ・文化」ゾーン(西地区)と「教育・文化」ゾーン(東地区)に棲(す)み分けする「将来都市像」を提案した(2月21日付当ブログ参照)。提案の背景にあったのが、本書である。「5年後に開館予定の新花巻図書館の名誉館長にはこの人をおいて他にはいない」ー。「本は人を呼び、人は本を呼ぶ」…私は拙著『「イーハトーブ”図書館”戦争」従軍記』のあとがきにこう記している。

 

 盛岡市の都南図書館前にはMLB(メジャーリーグベースボール)が制作した「本の虫」を模したマンホールカバーがあるほか、昨年10月からは自身が選んだ本を並べる「雄星文庫」が県内の5書店で始まった。年に200冊以上の本を読むというこの読書家は一方で、2024年11月に日本最大級の全天候型複合野球施設「King of the Hill」(K.O.H)を私費で建設した。母校の花巻東高校近く(西地区)にあるこの施設では将来、大リーグ入りを目指す野球少年たちのはち切れるような歓声が絶えない。

 

 ”文武両道”を文字通り、体現する雄星投手の名誉館長への就任をこの目で確かめるまでは死ぬわけにいかない。雄星君、ありがとう。齢(よわい)85歳の老人から、心からの感謝を込めて…。3月5日に開幕するWBC(ワールド・ベースボール・クラッシック)に雄星投手は初出場する。

 

 ここまで書いてきて、はてなと宙を仰いだ。これだけの読書家が郷土の詩人で童話作家の(宮沢)賢治作品に一切、触れていなかったからである。たとえば、「世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない」(『農民芸術概論綱要』)…生涯を通じて「本当の幸せ」を追い求めたのが賢治だった。しかし、何度か読み返しているうちに、自分の”浅読み”を恥じた。雄星投手は冒頭をこう書き出していた。”賢治”はすでにして、彼の中に内在していたのだった。そう確信した。

 

 「僕たちが生まれてきた意味とは何だろうかー。壮大な問いですが、突き詰めれば、その答えは『幸せになるために生まれてきた』だと僕は思います。どうすれば幸せに生きられるのかを見つけていくことこそが、人生そのものなのではないでしょうか」

 

 

 

 

 

(写真は一字一句の13万字を自分のペンで綴ったという菊池投手の新刊本)

 

 

 

 

≪追記ー1≫~「雄星」語録

 

 

 (3月)2日に京セラドーム大阪で行われたWBC強化試合。オリックス戦にエンゼルスの菊池雄星が先発し、「JAPAN」のユニホームに身を包んでの初実戦を終えた。その菊池が出演したTBS系「情熱大陸」(日曜・後11時)での発言がネットで反響を集めている。

 

 菊池を特集した「情熱大陸」が1日に放送された。侍ジャパンの“オールドルーキー”である菊池に密着し、その哲学に迫った。ファンが注目したのは、番組後半に、おしゃれなレストランのような場所で撮影したインタビュー。番組スタッフが「大谷選手とプレーをすることについては、特別な思いや気持ちはあったりするんですか」とたずねたシーンだった。

 

 すると菊池は3秒ほど無言で間を置いたあと、「まず、好きな質問ではないですよね、うん」と小さくうなずき、真顔で語り始めた。「やっぱり、こう、世界一の選手ですから…ええ。やっぱり、比較するのって誰よりも簡単なんですよ。世界一の選手なので。昔からね、若い時から、彼がまだ若い時から常に『大谷はこうだけど、雄星はこうだ』っていう、常に比較されてましたので。彼のことはすごい大好きですけど、その(比較される)環境自体は好きではなかったですよね」と冷静な表情で言葉を続けた。

 

 「だから、後輩だからというよりも、世界一の選手とプレーできるっていうことに関して、非常にこう、楽しみではあります」と話した。この様子を見たネットは「菊池雄星、後輩大谷に対する表現がカッコ良すぎ」「やっぱり菊池雄星さんてロジカルで知性的。嫌な質問が嫌な理由をきちんと質問者に伝えられるのって、普段から物事に対して理由とか理屈を考えてるからだよね」「先輩だけど大谷と比較された菊池雄星なりの苦労があったんだろうな」などの感想を寄せた。

 

 ちなみに、この番組の放送前。大谷は自身のインスタグラムに、菊池も参加した侍ジャパンの決起集会の写真をアップし「#情熱大陸 #菊池雄星 #23時から」とハッシュタグをつけて番組を宣伝していた(3日付「スポーツ報知」)

 

 

 

〈追記―2〉~今年一番、売りたい本へ

 

 さわや書店(エムズエクスポ・アルテマルカン)グループが雄星投手の近刊『こうやって、僕は戦い続けてきた―「理想の自分」に近づくための77の習慣』(PHP研究所)を今年一番、売りたい本に指定した。書店側によると「野球の技術だけでなく、メンタル面や目標達成のための習慣など、自己啓発的な要素も強い。これまでの戦いとマインドセットが綴られた一冊」と話している。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

★オンライン署名のお願い★

 

 

 「宮沢賢治の里にふさわしい新花巻図書館を次世代に」―。「病院跡地」への立地を求める市民運動グループは七夕の(昨年)7月7日から、全世界に向けたオンライン署名をスタートさせた。イーハトーブ図書館をつくる会の瀧成子代表は「私たちは諦めない。孫やひ孫の代まで誇れる図書館を実現したい。駅前の狭いスペースに図書館を押し込んではならない。賢治の銀河宇宙の果てまで夢を広げたい」とこう呼びかけている。

 

 「わたくしといふ現象は/仮定された有機交流電燈の/ひとつの青い照明です/(あらゆる透明な幽霊の複合体)」(『春と修羅』序)―。賢治はこんな謎めいた言葉を残しています。生きとし生ける者の平等の危機や足元に忍び寄る地球温暖化、少子高齢化など地球全体の困難に立ち向かうためのヒントがこの言葉には秘められていると思います。賢治はこんなメッセージも伝え残しています。「正しく強く生きるとは銀河系を自らの中に意識してこれに応じて行くことである。われらは世界のまことの幸福を索(たず)ねよう、求道すでに道である」(『農民芸術概論綱要』)ー。考え続け、問い続けることの大切さを訴えた言葉です。

 

 私たちはそんな賢治を“実験”したいと考えています。みなさん、振って署名にご協力ください。海外に住む賢治ファンの方々への拡散もどうぞ、よろしくお願い申し上げます。

 

 

●オンライン署名の入り口は以下から

 

https://chng.it/khxdhyqLNS

 

 

●新花巻図書館についての詳しい経過や情報は下記へ

・署名実行委員会ホームページ「新花巻図書館を宮沢賢治ゆかりの病院跡地に!]

https://hanamakibiblio.jimdosite.com/

 

・ヒカリノミチ通信(増子義久)  https://samidare.jp/masuko/

 

・おいものブログ~カテゴリー「夢の新花巻図書館を目指して」   https://oimonosenaka.seesaa.net/ 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小原新体制下の初議会が開会…施政方針に注目!!

  • 小原新体制下の初議会が開会…施政方針に注目!!

 

 小原新体制下での初議会となる花巻市議会3月定例議会が25日に開会した。会期は3月18日までの22日間で、一般質問(3月2日~5日)には17人の議員が登壇する。「市民一丸」を公約に掲げた小原勝新市長に対し、各議員がどのような論戦を挑むかが注目される。また、予算特別委員会3月11日から13日まで3日間、開かれる。

 

 議会初日のこの日の施政方針演述と行政報告の中、小原市長は前市政からの懸案である「化製場(悪臭)」問題と「新興跡地」問題について「悪臭除去や放置されたがれきの撤去など県主導の解決策を引き続き要望する」とし、化製場問題ついてはさらにこう述べた。

 

 「(解決に向けた」県条例改正について、県と市で、弁護士や環境・衛生の専門家を交えた共同検討の場を設け、住民の意見聴取も行うこと、当面の被害軽減のため、構造設備・管理上の具体的な暫定対策を県の支援のもとに速やかに実施すること、改築や移転新築等が必要な場合は、県として支援策(財政支援や補助)の検討を行い、その方針を提示すること、立入検査状況などの情報を市民が分かりやすい形で公開し、苦情対応窓口を明確にすることについて、責任ある回答を下さるよう改めて要望した」とし、前向きな姿勢を見せた。

 

 一方、新花巻図書館問題については、こう述べた。「現在、基本設計に関するワークショップ(2月21日、3月8日と6月3回)を実施しており、そこで得られた御意見については、設計者の意見をいただきながら、丁寧に検討しており、また、専門家の助言を得ながら蔵書の収集方針や職員配置等について検討を進め、利用者にとって利便性の高い図書館の実現を目指したい。新花巻図書館の基本・実施設計実施にあたっては、今後も市民の皆様のご意見を伺いながら業務を進めてまいります」―(施政方針と行政報告の全文は市HPに掲載)

 

 

 

(写真は初議会で初心を述べる小原市長=インターネット中継の画面から)

 

 

 

 

 

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 「宮沢賢治の里にふさわしい新花巻図書館を次世代に」―。「病院跡地」への立地を求める市民運動グループは七夕の(昨年)7月7日から、全世界に向けたオンライン署名をスタートさせた。イーハトーブ図書館をつくる会の瀧成子代表は「私たちは諦めない。孫やひ孫の代まで誇れる図書館を実現したい。駅前の狭いスペースに図書館を押し込んではならない。賢治の銀河宇宙の果てまで夢を広げたい」とこう呼びかけている。

 

 「わたくしといふ現象は/仮定された有機交流電燈の/ひとつの青い照明です/(あらゆる透明な幽霊の複合体)」(『春と修羅』序)―。賢治はこんな謎めいた言葉を残しています。生きとし生ける者の平等の危機や足元に忍び寄る地球温暖化、少子高齢化など地球全体の困難に立ち向かうためのヒントがこの言葉には秘められていると思います。賢治はこんなメッセージも伝え残しています。「正しく強く生きるとは銀河系を自らの中に意識してこれに応じて行くことである。われらは世界のまことの幸福を索(たず)ねよう、求道すでに道である」(『農民芸術概論綱要』)ー。考え続け、問い続けることの大切さを訴えた言葉です。

 

 私たちはそんな賢治を“実験”したいと考えています。みなさん、振って署名にご協力ください。海外に住む賢治ファンの方々への拡散もどうぞ、よろしくお願い申し上げます。

 

 

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