ぼくのニワトリは空を飛ぶー菅野芳秀のブログ

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閑話休題(その1)

熊への感謝の気持ち

3月9日、朝日連峰のふもと、西根の里に熊が出たという。まだ山にも里にもたくさんの雪がある。
何を求めてのことだろうか。食べる物などない。あったとしても、すべては深い雪の下だ。それでも出てきた。なんだか、かわいそうな気がする。
昨年の秋は、ほぼ毎日のように熊の出没注意報が出た。ブナやナラの実は不作。秋に実りを迎えるドングリやクリ、ブナの実などは、熊にとっては重要な栄養源だ。この時期に十分な栄養を摂らなければ、冬を乗り切ることはできない。そのため熊は木の実を求めて長距離を移動し、ときには人里にも下りてくる。
わが家のすぐ近くにも、熊に食べられた柿や、木に登った痕跡が見られるし、熊の糞もあちこちに落ちている。その糞を見ると、種のようなものがたくさん含まれている。
「あ、これだな……。」糞を棒で突っつきながらよぉーく見る・・・。やはり種だ。
朝日連峰は、日本最大級のブナとナラの森を有する広葉樹林帯だ。その広大な面積の隅々までブナやナラの種を運んだのは、熊だと言われている。熊は25〜100㎢ものテリトリーを移動しながら行動するという。その広い範囲でブナやナラの実を食べ、いくつかの種を糞(肥料)と一緒に落としていく。
その数百年、数千年の営みが、この広大な広葉樹林帯を作ってきた。熊は自然の一部なのだ。それを考えると、危険だからという理由だけで殺してしまう前に、私たち人間が考えなければならないことが、まだあるような気がする。


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