(102)『グッとくる「はげまし」言葉』
齋藤 孝 (文春文庫 2007年) この本を買った時は、励まされたかったのか励ましたかったのか、忘れてしまった。 この種の本を買う時は、どちらかの気持ちになっているのではないかなぁと思う。 2~3年の間、本棚に積まれたままでいた。 ふと手に取ったのは、なんとなく励まされてみたかったからかな。 「元気が出ない時に この一冊」 元気溌剌! ファイト、いっぱぁつ!! と、その手の飲料を飲むような気持であるかな。 けれども、そんなにかんたんに効果ありというわけにはいかない。 それなりに、なるほどと思わせられるのだけれど、解説がついている分その言葉の前後や背景を知ると、かえってちょっと違うような感がする。 その中にあって岡本太郎の言葉。 「あれかこれかとなったマイナスを選ぶんだ」これは、経験的にその方が後々自分にためになっているように思う。ただし、これは個人的なこと。 団体にあっては必ずしも当てはまらないように思う。 それから松下幸之助の言葉。 「まず汗を出せ、汗の中から知恵を出せ」 これも共感できる。 私にとって、励ましとはニュアンスが違うけれど、心に残っている言葉がある。 祖父が、子どもの私に時々語っていた言葉だ。 「だいたい、人間は糞尿袋っていうもんだ」 あまり品がよくない言葉だけれどね。 どんなに着飾っても、富を得ても、地位があっても、食べて寝て排泄する生き物なんだということで、虚飾の虚しさを伝えようとしているらしかった。それと同時に、人には平に接しなければいけないということを話していた。 子ども心に聴いていたことなのだが、この言葉が、いざとなった時(といううよりどんなにみじめな状況に陥っても^^)に思い浮かべて乗り切ってきたように思うのだ。 人の美醜や表面に惑わされるなということだ。 この本を読んで、祖父の言葉を思い出してちょっと元気が出てきた。
2011.10.15