人を幸せにする菓子
その男の菓子は、本場フランスで「ほかのどこにもない菓子」と呼ばれる。 パティシエ・杉野英実。15年前、日本人として初めて、世界の菓子職人の頂点に立った。 杉野が目指す菓子。それは、単においしいだけの菓子ではない。 「人を幸せにする菓子」。 その違いは何から生まれるのか。 この日、杉野が最もこだわったのは、ジャムの隠し味のショウガ。 「切り方が粗い。自分で食べてごらん。これだけの厚さで。 どう感じる?」 素材の微妙な厚みの差で、味のバランスが崩れる。 「ほんのちょっとしたことなんですけど、一番おいしいところがブレてしまうとゼロです」 「当り前のことが一番難しい」 杉野が一番大切にしている言葉である。 (プロフェッショナル仕事の流儀1より) 当り前のことを、当り前にできるようになる。 その、当り前のことがわかっていないことが多い。
2008.01.26