あなたはなにができるの?
母親に女手一つで育てられた杉野さん。 母は、食べ物にかけるお金だけは惜しまない人だった。 中学二年生の誕生日、一流ホテルのケーキを買ってくれた。 濃厚なクリームの甘味。華麗なデコレーション。まるで夢の世界からの贈り物のように見えた。 この瞬間、杉野さんは菓子職人になりたいと思った。 高校卒業後、「ホテルオークラ」の菓子製造部門に就職。 一流ホテルで働くのが誇らしく、いつも友人に自慢した。 しかし、ある日、女友達が言った。 「あなたは 何ができるの?」 杉野さんは答えられなかった。見習いの一年間、アイスクリームを錬るだけ。 一人でケーキも作れなかった。 「悔しいんじゃなくて、恥ずかしかったですね。自分をもっと高めていくことをしなければダメだと思いました」 どうすれば自分を高めることができるか。目指したのは菓子の本場、フランスでの修行。 アルバイトでお金を貯め、25歳でフランスに飛んだ。 (プロフェッショナル仕事の流儀1より)
2008.01.29