ぞーこー太郎 蕎麦屋の冒険

▼4月15日(金) 暖かな晴れ

『井上ひさし 希望としての笑い』
〜むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく〜

高橋敏夫著 角川SSC文庫

P72〜73

小さな火花も/広野を焼きつくす

大きな火事も/一本のマッチが火付け役

大きな堤防も/蟻の穴から崩れ去る

小山のようなご馳走も/一口ずつ食べなきゃなくならぬ

万里の長城も/石ひとつから始まった

どこかでだれかが/小さな火花を燃やすかぎり

人間に人間に/まだ望みは残されている

小さな火花も/広野を焼きつくす

広い海原も/小さな水滴の集合

深山の森林も/一樹一樹の木の連合

満点の星空も/小さな星屑の大合同

百年の歳月も/一日一日の集大成

だからだれでもが/小さな火花になるべきだ

そうすれば人間の/未来に期待が持てるだろう

(『道元の冒険』の「5 小さな火花も広野を焼きつくす」)

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