宮城県石巻北高等学校元校長の佐々木壽先生は在来ダイコンの研究者であり、「東北ダイコン風土誌」(東北出版企画)や「ダイコンの絵本」(農文協)の著者でもあり、宮城県の農業高校で長年にわたり地ダイコンを使って見事な教育活動を実践してこられた先生でもある。
佐々木先生は山形在来作物研究会の初期のころから会員になってくださっているのだが、全国の農業高校で使われている教科書「農業と環境」(実教出版、2013(平成25)年発刊)に、なんと「在来作物」のことを書いてくださり、現行の教科書(写真)にもその記述が採用されているよと教えてくださった。
ネットで現行の教科書を購入してみると、確かに「在来作物」があり、側注には在来作物の定義として、世代を超えて栽培者により種苗の保存と利用がつづけられてきた作物の品種・系統と書いてあった。教科書には引用をしめしていないが、佐々木先生は山形在来作物研究会の定義を参考にしてくださったとのこと。研究会の活動のなかでも、これは歴史的な出来事の一つだ。
山形在来作物研究会の活動がほんの少しでも、全国の農業高校の生徒さんの役に立ち、また地元の在来作物に目を向け、その価値を育てて継承してくれるきっかけになってくれているなら、こんなうれしいことはない。
執筆いただいた佐々木壽先生には感謝したい。