やまがた芸術倶楽部

メモ
基礎デッサンコース
対象内容
高校1〜2年生次年度以降の受験に向け、基礎技術の指導をしていきます。クリエイターとしての物の見方や考え方、それらを鍛えるための発想力を磨くことで受験勉強に対する理解力を鍛えていきます。受講生とのギャップを埋める本人の自主的な訓練が必要です。








■デッサンって、そもそも何?

 デッサン(dessin)とは日本語訳で素描。物体、景色などの有り様を描く絵画技法のことですが、転じて構造感、空間把握能力をさす場合もあります。技術の問題というより、動き、パース、陰影感、印象などの捕らえ方、見方が重要です。その力のことをデッサン力といいます。それは「絵がうまい」とか「才能がある」と言ったような曖昧なものではなく、見る力そのものを指します。
 各分野ごと重要視される観点は若干異なりますが、大まかには変わりません。どの科に進むにしても必要不可欠な能力です。



初めて間もない学生の石膏デッサン
初心者にしては面の捕らえ方が良いです。






■ ガンガンデッサンを描いてみる!

 このコースでは、ひたすらにデッサンを描きます。週3回の講習期間中、可能な限りデッサンを描いてもらいます。カリキュラムによって、もしくは受講生の希望によっては夜間部と一緒にデッサンを描いて自分の実力を確認したり、先輩に影響を受けたりと、受験勉強の準備のためのカリキュラムです。
 モチーフは石膏像、静物、卓上デッサンなど、ありとあらゆるものを書いて行きます。広いスペースで巨大なモチーフを描くだけでも、重要な勉強になります。まずはこのコースで基本を学びましょう!
 他のコース同様に途中からコースを変更することもできます。10月まで基礎デッサンコースで学んだ後、AO入試対策コースに編入することもできます。AO入試対策コースは作品制作をコースのメイン課題に設定しているため、どうしても基礎練習がおろそかになりがちです。デッサンの基礎を学んでいれば、作品制作自体もスムーズに運びやすく、講師との連携もとれた段階で各科の作品制作に臨めるので講習自体も受けやすくなるでしょう。




  同じモチーフ(ガッタメラータ将軍胸像)、同じ構図でも、光線感、作者の感受性、表現方法によってこれだけ見え方が変わってきます。これもまたデッサンの面白みの一つです.




■画材も使ってみましょう。



黒マーメイド紙にチョークで描いた
パジャント胸像のデッサン。
見慣れた画材でもデッサン力があれば、
絵画といえるものにすることができます。

 『弘法筆を選ばず』という言葉がありますが、それはいろいろな筆を試したから言える事。基礎デッサンコースではいろいろな画材にチャレンジしてもらいます。
 鉛筆、木炭から始まって、ボールペン、色鉛筆、クレヨン、水彩絵の具、マーカー、有色画用紙にチョークで、などなど、どんな画材でもデッサンは描けます。空間のつかみ方、色の判断の仕方、動きの出し方や面の追い方など、画材なりの面白さがあって、どれをとっても同じ描き方ではありません。そこが絵を描く醍醐味です。
 たかがデッサンですが、そこにそれぞれの感性や捕らえ方などをふんだんに盛り込み、絵画的に素晴らしいものにすることもできます。
 デッサンとは絵画の基本、始まりにして絵画の本質です。この単純な作業は、単純が故に非常に奥が深く、描けば描くだけうまくなります。高校の部活では満足できない、熱く強力なライバルが欲しいと考えている高校1〜2年生にはうってつけのコースです。
 今まで当たり前のように使ってきた画材、文房具の新しい可能性を見つけることもできます。描こうと思えばどんな画材であっても、いい絵は描けるのです。それに気がつけば、受験対策も理解しやすくなります。画材の特性を知ることは、インスピレーションを刺激し、よい作品を作ることにもつながります。